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ピックアップ 2024.03.27

【報告】第12回公益社団法人Knotsアドバイザリーボードミーティング報告

■日 時:令和6年3月2日(土) 13時~15時
■場 所:日比谷松本楼
■参加者:
【Knotsアドバイザリーボードメンバー】
・中山 裕之 氏(東京大学名誉教授/動物医療センターPeco 獣医療研究所長)
・多田 幸雄 氏(株式会社双日総合研究所 相談役)
・近藤 智子 氏(国立大学法人滋賀大学 非常勤監事/ちふれホールディングス㈱ 社外取締役/全日本柔道連盟 監事/前MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 常勤監査役)
・奥野 敦史 氏(株式会社メディプロデュース代表取締役)
ご欠席:
・出來 由紀子 氏(株式会社フォスター 代表取締役)

これまで長きにわたり、当法人アドバイザリーボードメンバーを務めていただいた福地茂雄様が1月29日にご逝去されました。
福地様にはアサヒビール社長をお務めのときから当法人の事業をご支援いただき、アドバイザリーボード設立当初より様々なアドバイスを賜りました。特に「解決しない問題はない」「一人では解決できない」「これまでのやり方では解決できない」という福地様のお言葉は、常に当法人スタッフひとりひとりの心の中にあり、私たちが様々な課題に向き合う上で、「結び目を創り、課題解決を図る」Knotsの在り方への自信となり、最後まであきらめない粘り強さの源となっております。また、10年前のICAC KOBE 2014におきましても、「多くの関係者が連携し、幅広い分野の専門家が一堂に会しているこの国際会議は、「Knots(結び目)」という団体名を見事に具現化している」と仰ってくださいました。当法人スタッフ一同、これまで賜った数々のアドバイスを引き続き今後の事業に活かし、様々な立場の皆様を繋ぐ「結び目」としての役割を果たすべく、これからも尽力してまいりたいと存じます。
これまで当法人を支えていただいたことに深く感謝申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

【Knots理事・監事】
・代表理事 冨永 佳与子
・業務執行理事兼企画教育部長 小椋 聡
・理事 佐藤 剣
・監事 堀尾 政博(獣医師/獣医学博士)
【事務局】
・事務局長 北村 美代子
・事務局次長 鈴木 豊彦

<次第>
・代表理事挨拶
・事業運営状況及び課題説明
・アドバイザリーボードメンバーよりのアドバイス

寒さが戻り、春の訪れが待ち遠しい時季に、第12回公益社団法人Knotsアドバイザリーボードミーティングを開催いたしました。

まずは、冨永代表理事より、長きにわたり当法人アドバイザリーボードメンバーをお務めいただいた福地茂雄様(元アサヒビール株式会社 社長)がご逝去されたことを悼む挨拶をさせていただきました。これまでに様々なアドバイスを賜ってきたことに心から感謝申し上げ、4月25日にお別れの会が開催される旨ご報告いたしました。

次に、アドバイザリーボードミーティングに先立って開催した理事会において承認された令和6年度事業計画・収支予算と併せて、令和5年度の事業運営状況報告を行いました。以下のとおりKnotsの主な事業についてこの一年の総括と共に、現在の課題、今後の対策等についてアドバイザリーボートメンバーの皆さまにご報告申し上げ、様々なアドバイスを賜りました。

<Knotsの主な事業>
◎啓発事業
・りぶ・らぶ・あにまるずシンポジウム
・各種コンサルティング、相談業務
・情報提供事業

◎教育事業
・奈良県「いのちの教育」連携協定事業
・教育ツール共有事業

◎研究事業
・神戸市人と猫との共生推進協議会への参画

◎障害者自立支援事業

◎ペットと暮らす住まいに係る支援金助成事業

◎SDGs推進事業 ―One World, One Life―
・多可町SDGs普及展開業務
・こうべ動物共生センター管理運営業務
・ペットも一緒にSDGs!

令和6年1月1日発災の能登半島地震が激甚災害に指定されたことを受け、緊急理事会での承認により、『ずっと一緒に居ようよプロジェクト 令和6年能登半島地震 被災者のペット可物件入居支援金』助成事業を開始しておりますが、支援を必要とされている皆様に情報が届いていないことへの対処と、支援対象になる物件がなかなか見つからないといった被災地の状況把握等を行うため、様子を見つつ実際に被災地を訪問することを計画しています。
この助成事業の取り組みについて2024年1月21日にプレスリリースを行ったところ、以下のとおり各メディアで取り上げていただきました。
・共同通信社(1月24日、2月1日取材、2月20日配信)共同通信社の配信を受け、日本経済新聞全国版夕刊社会面に掲載(2月21日)
・読売新聞社(1月26日取材、2月11日兵庫県地域版掲載)
・関西テレビ(2月24日冨永代表理事 被災者の心の拠りどころとなるペットの存在と災害時のペットの課題について電話取材、2月26日「newsランナー」(関西ローカル)特集枠にて放映)

日頃よりアドバイザリーボードメンバーの皆様からは、広報の大切さについてもアドバイスを賜っておりますが、法人の事業が日本経済新聞で取り上げていただいたことは、特に大きく評価していただきました。
息の長い支援となるため、来年度も引き続きこの助成事業の広報を行い、支援を必要とする被災者の方々への情報拡充に努め、支援の原資となる追加の寄附金への協力を呼びかけてまいりたいと思っております。
なお、関西テレビ「newsランナー」特集枠では、限られた放送時間の中ではございましたが、電話取材を受けた冨永代表理事のコメントの重要なポイントをご紹介いただきました。このアドバイザリーボードミーティングにおいても「地域にどんな人がいるのかわからないのに避難計画は立てられず、高齢者の方や障害のある方、ペットを飼っている方等がどれくらいおられるのか把握することが重要であり、それらの情報を集約し関係者の連携を図るプラットフォームの仕組み創りは意義がある」という点について皆様ともお話させていただきました。

地域でプラットフォームを構築するにあたり、ペットとの暮らしが「人の健康に寄与する」という視点はとても大切であるというご意見をアドバイザリーボードメンバーで獣医師の中山裕之先生(東京大学名誉教授/動物医療センターPeco 獣医療研究所長)から賜りました。当法人では、本年10月27日(日)に神戸ポートピアホテルにおいてシンポジウムを開催いたしますが、現在、そのシンポジウムの準備を進めていることも皆様に報告させていただきました。
シンポジウムでは、兵庫県神戸市ご出身の谷口優先生(国立研究開発法人 国立環境研究所 主任研究員/地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 協力研究員/東京大学客員研究員/メルボルン大学客員研究員)に「動物が人にもたらす健康効果」と題してご講演いただくこととなっております。
人と動物の共生およびSDGs推進シンポジウム2024『ペットとの暮らしを活用する豊かな社会-それを可能にする環境整備-』の詳細につきましては、以下のリンクをご参照ください。
https://knots.or.jp/2024/01/symposiun2024_241027/

また、平成24年度に奈良県と締結した『奈良県いのちの教育展開事業』に於ける連携協定に基づき、奈良県「いのちの教育」プログラムの普及展開を奈良県と共に推進している事業の中で、冨永代表理事が奈良県「いのちの教育」研究協議会の委員を務めさせていただいており、令和4年度から開催されている奈良県「いのちの作文コンクール」(主催:奈良県教育委員会)においても、冨永代表理事が審査委員を務めさせていただいております。
このコンクールは、子どもたちが考えた「いのち」の大切さについて表現する機会を設けることで、子どもたちの「いのち」を尊重しようとする態度と「いのち」に共感する心を育むことを目的とされており、第2回目を迎えた令和5年度には4,200通を超える応募がありました。2月に開催された表彰式では冨永が講評を述べさせていただいたことも、皆様にご報告申し上げ、昨年度実施された第1回のコンクールの作品集を皆様に回覧していただきました。第2回目の作品集につきましては、現在、製本の段取りを進めておられます。

これまでの事業実績を活かした各種コンサルティング、相談業務を実施している中で、これまでペット業界に参入されていなかった企業の方々から新規のコンサルティング依頼をいただいておりますが、コンサルティング契約における契約方法や、人材紹介のタイミング等についての具体的なアドバイスを賜りました。

 

さらに、当法人が神戸市より管理運営業務を受託している「こうべ動物共生センター」では、当法人の監事である獣医師・獣医学博士の堀尾政博先生に監修をしていただき、小・中学生対象の「獣医師体験プログラム」を実施してまいりました。プログラムのさらなるブラッシュアップのため、堀尾先生と共に、中山先生にも来年度の同事業についてご相談させていただき、より効果的な実施を行うためのアドバイスを賜りました。
日頃、直接お会いする機会の少ない皆様にもKnotsの事業に大きく関わっていただき、引き続きご指導を賜りたいと願っております。

Knotsのように公益事業だけを行っている法人は、法人を運営するにあたり資金面で厳しい現状があります。
以前は企業からCSR(企業の社会的責任)の一環としてのご寄附によりご支援を賜り、法人運営をサポートしていただいていましたが、近年はCSV(共通価値の創造)がより重要視され、寄附ではなく、企業の事業で社会貢献をされる状況に変わってきていますので、行政からの委託事業等の事業収入を安定的に得るだけでなく、事業内容に共感してくださる一般へのご寄附のお願いが課題となっています。安定した運営が継続できれば、今以上に外部の施設へ赴き人材交流を図る等して、スタッフ研修をさらに充実させること等も可能となります。

当法人では、デザイナー・イラストレーターでもある理事兼企画教育部長の小椋が、奈良県「いのちの教育」プログラムで使用する張り子やパネル類等の教材をはじめ、教育プログラムに必要なツールの制作を行っておりますが、今後も全国の動物愛護(管理)センター等の制作物に関するニーズを把握し、これまでの実績とノウハウを活かし、それぞれの施設に適した教材の提案、制作・提供をさせていただければと考えております。
当法人には、その他、経済、福祉、教育等の様々な分野の経験を持つ人材が集まっており、こうした人材を活かしつつ、事業内容の充実とステップアップを目指していきたいと思っております。