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2014.10.01

シンポジウム Ⅲ「暴力の連鎖:人間に対する暴力と動物虐待の関連性」

 

日時:7月19日(土)13:30~16:30
会場:生田主催:公益社団法人日本動物福祉協会/動物との共生を考える連絡会

趣旨:人間社会の暴力の構図の中に動物虐待を入れるべきであるという考え方が世界的に最近は注目されるようになってきているようである。児童虐待、家庭内暴力、老人虐待、そして暴力的犯罪等の陰に見え隠れする動物に対する虐待行為の意味を専門家の意見を交えて論じる場を提供する。

座長メッセージ
山﨑 恵子氏

ペット研究会「互」 主宰

プロフィール

この何年かの間に人間に対する暴力と動物に対するそれには深い関係性があるという点がかなり注目を浴びるようになってきました。人間の福祉を守る責任を担う者と動物の福祉を守る責任を担う者同士が互いに情報交換などを実施することができればどちらの側の被害者にとっても救済措置がより迅速に届けられるようになるのではないでしょうか。とはいうものの残念なことに人間の福祉関係者や法の執行官の間では十分なエビデンスがあるにもかかわらずこの関係性に対する認識が今だ定着していません。同分科会では日米双方の専門家に人と動物の負の関係は人間同士の負の関係につながる要素を含んでいることを実例を踏まえて提示していただきこの分野により多くの関係者の関心が集まるような素地作りをしたいと考えています。
種の垣根を越えた暴力の対策:
動物虐待と人間に対する暴力の関連性を探ることによって
社会資本整備及び人と動物の苦痛の軽減を達成する
フィル・アーコー氏

ナショナル・リンク・コアリッション コーディネーター

プロフィール

動物虐待を防止し動物の命の尊重を社会に促す努力に対する障壁となっているのは人間の幸せよりも動物の利益は軽んじてもよいものであることを主張する四つの要素である。その一つは社会学や社会福祉の分野における種偏見にもとずく抵抗である。
また実践者と学術関係者の間の隔たり、学際的なコミュニケーションの障壁となる象牙の塔的構造、そして地域社会の保健と社会資本に対するコンパニオン・アニマルの影響の過小評価などが上げられる。最近の米国及びその他の国における研究、立法、及び各種プログラムは動物虐待行為は弱い者(人間)に対する暴力の予兆であるという古くからある概念を近代化するいことによって動物福祉の改善を促している。動物虐待をDV、児童虐待、老人虐待等とつなげる「リンク」に関する世界的な関心の高まりは犯罪学、法執行機関、獣医学、人間医学、児童福祉、DVや動物福祉、人間福祉担当機関等々の間に知識の交流を生み出している。動物虐待が個人や地域社会全体の健康や安全に負の影響を与えるものであることを認識した立法者たちは動物福祉の様々な課題により興味を示すようになっている。獣医師や人間の医師たちは人と動物の健康を結び付ける「ワン・ヘルス」の概念にもとずいた協力体制を作りつつある。人間と動物両者に対する暴力を全体論的に見る「種の垣根を越えた」アプローチとは家庭内暴力の源を断つことであり、我々と生活を共にする動物たちに対する責任を強化することであり、家族の中で最も脆弱な構成員の苦しみを取り除くことである。
反社会的行動と動物虐待の関連性
~何故、動物虐待を反社会的行動のリスク要因として捉えるべきか~
山﨑 佐季子氏

ペット研究会「互」/社会福祉学博士

プロフィール

動物虐待と、対人暴力等の様々な反社会的行動の関連性が、実証研究により示されている。そこで、本報告は、動物虐待という概念を整理し、動物虐待が起こる背景や、動物虐待と対人暴力がどのように関連しているかに関する先行研究を概観し、何故、動物虐待を反社会的行動のリスク要因として捉えるべきかを論じる。動物虐待は、様々な反社会的行動と関連していることが示されており、その予防や早期発見に役立てることができる。また、動物虐待は、社会の弱者を対象とした暴力に対する許容範囲を広げる危険性が示されている。さらに、動物虐待の目撃は、その目撃者の反社会的行動を助長させる傾向も示唆されている。このようなことから、動物虐待を許容することは、社会全体の暴力や、それに対する許容範囲を広げ、社会全体の秩序・モラルの低下につながりかねないと考える。