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2013.08.13

【報告】第3回 公益社団法人Knots アドバイザリーボードミーティング

第3回 公益社団法人Knotsアドバイザリーボードミーティング

■日時:平成25年8月6日(火)13:30~15:00
■場所:ネスレ日本株式会社 神戸本社
■参加者:
【Knotsアドバイザリーボードメンバー】
・ 福地茂雄様:前NHK会長/アサヒグループホールディングス相談役
・ 柴内裕子様:公益社団法人 日本動物病院福祉協会 顧問/赤坂動物病院 院長
・ 阿部文彦様:ネスレ日本株式会社・ネスレピュリナペットケアカンパニープレジデント
・ 奥野敦史様:株式会社毎日新聞社デジタル・ソリューション・ラボ ディレクター兼科学環境部医療情報室記者

 【ネスレピュリナペットケアの皆様】
・ 前田浩様:ネスレ日本株式会社 ネスレピュリナペットケア お客様相談室 室長

【Knots協力事業者の皆様】
・ 小椋聡様:Design Office COZY
・ 金子一平様:特定非営利活動法人おーけすとら・ぴっと 就労継続支援(B型)事業所Patch
・ 迫田昭雄様:特定非営利活動法人おーけすとら・ぴっと 就労継続支援(B型)事業所Patch

【Knot事務局】
・ 冨永佳与子:Knots代表理事/理事長
・ 八木卓也:Knots代表理事/副理事
・ 白川尚範:Knots代表理事/副理事長/事務局長
・ 川崎良輝:Knots監事
・ 岡本浩一:Knots新監事予定

今回で3度目となる公益社団法人Knotsのアドバイザリーボードミーティングですが、第1回から快く会議室を使用させて下さっているネスレ日本株式会社様の神戸本社にて、開催させて頂くことができました。この会議は、Knotsの活動に対して様々な分野の専門家からアドバイスをご教示頂く場として、年に1度の活動報告と意見交換をさせて頂く貴重な場となっております。
年々、会議やシンポジウムの内容が充実してきているとの有り難い評価を頂いておりますが、そうした情報をどのように蓄積して発信していくべきなのか、また今後の展開など、公益社団法人として常にその責務を感じつつ、活動を続けていかなければいけないと思っております

始めに、Knots理事長の冨永から、去る7月20日にアメリカ・シカゴで開催されたAVMA(全米獣医師会)150周年記念大会及び同時開催のIAHAIO 2013の会議の様子を報告させて頂きました。IAHAIOは、人と動物との正しい相互理解の上での関係をテーマに活動している学会や協会などの国際的な連合体で、1990年にアメリカ、フランス、イギリスが中心になって発足した会議です。
現在のIAHAIOの会長は、昨年の神戸アニマルケア国際会議2012(ICAC KOBE 2012)でタイガープレイスという、人と動物との新しい関わり方を報告して下さったレベッカ・ジョンソン氏が務めておられます。
そして現在Knots事務局では、来年の7月に開催予定のICAC KOBE 2014の準備を鋭意進めておりますが、その英語版のパンフレット1,000部を上記会議の会場でも配布させて頂くことができ、関係者の皆様から高い関心を示して頂くことができました。
シカゴという都市は、ネイティブインディアンの先住地でもあり、「共生」という意識が人々の間に浸透している都市という印象が強かったそうです。そうした都市で開催されたIAHAIOの会場で、人と動物との「共生」をテーマにした日本での国際会議の開催を知って頂けたのは、とても大きな意義があったのではないかと感じています。
また、以前のりぶ・らぶ・あにまるずシンポジウムでもご報告を頂いた、ニューヨークのグリーン・チムニーズも訪問させて頂き、その施設での取り組みを改めてアドバイザーの皆様にご紹介させて頂きました。

引き続き、冨永と共にIAHAIO 2013に出席された柴内様からも会議の報告がなされました。日本でも、少しずつアシスタントドッグの存在が認知されて来てはいますが、その人にとっての不可欠な存在であるという、本当の意味での「アシスタント」という人と動物との関わり方(心の支え)という認識は、まだまだ欧米との間には大きな隔たりがあるというお話をお聞かせ頂きました。ホテルや会議の会場でも犬を見掛け、飛行場などでも、今やキャビンに犬と一緒に乗れる等、海外に行くとそういったことを感じる場面に多々遭遇することがあるとのことです。

 

次に、Knotsが奈良県様、公益社団法人日本動物福祉協会様と共に三者協定を結んで事業を展開しているHCJ事業についての報告をさせて頂きました。この事業では、現在、奈良県で展開されている「いのちの教育プログラム」の普及支援事業を、2年前から実施をしています。今年度は、奈良県が独自に開発したプログラムが県内の学校などの教育現場で大きな反響を呼び、そのツールを他府県の動物関係の自治体の皆様から是非使用したいとのご要望が多数あったため、そのご要望にお応えするためにツールを企画開発し、それを配布して日本全国でプログラムを実施して頂くというチャレンジを行っています。

6月23日に開催された、りぶ・らぶ・あにまるずシンポジウム2013「PTSDとアニマルセラピー〜その可能性を探る」では、イスラエルからPTSDの治療と研究を行なっている心理療法士のアローン・ワッサーマン氏を神戸にお招きしてシンポジウムを開催させて頂いた報告をさせて頂きました。アドバイザーの皆様からも、PTSDとアニマルセラピーに特化したこのようなシンポジウムはこれまでに日本国内ではほとんど例がなく、これからの人と動物との関わりを考える上での大きな一歩となる内容だったのではないかというご意見を頂きました。

そして代表理事の八木から、動物と共に参加するイベント関係の報告をさせて頂きました。イベントそのものは飼い主と犬との楽しい遊びが中心となりますが、その中には、鑑札(登録)・狂犬病予防接種の普及啓発や飼い主として学ばなければいけないマナーや知識などを盛り込み、優良な飼い主としてのレベルをアップさせて行こうという目的があります。
春の大運動会では過去最高のエントリー数があり、年々その規模が拡大されていますので、今後の運営に関し、工夫をしなければならない課題もあります。

次に役員に関する報告ですが、これまで監事を努めていた川崎が新理事に、そして新たな監事に岡本が就任する予定であることをご報告させて頂きました。

これまでの事務局からの報告を元に、アドバイザーの皆様からの貴重なご意見を頂きました。ペットが室内化・小型化し、豊かさの象徴であったペットという存在が、心の癒しのパートナーとしての存在へと変化している。文明によって人間が生み出したペットという関係を今一度見直し、相互の心の痛みを分かち合える存在として認識する必要がある。そして、家族の一員として家族を看取るという社会の在り方が求められているという、我々の活動の原点となるような印象的なお話を頂きました。
また、Knotsの取り組みに関しては、ICAC KOBE 記録集は日英両文で、その他の取り組みに関しては日本語で、全て結果が掲載されているので、その内容を今後、如何に裾野を広げて見せていけるのかという工夫について、具体的なアドバイスも頂きました。

 

来年は、ICAC KOBE 2014 の開催が予定されておりますが、今回は獣医療に関わる全ての大学を中心に17大学に特別協力を賜り、大学院生向けのポスターセッションも設置することになりました。これから、沢山の皆さまのご支援もお願いしなければなりませんが、これを沢山の方に関わって頂けるチャンスにしていけるという、第3回を迎え、ICAC KOBE が新たな歩みを始める段階に来たこともご示唆頂けました。

それぞれの分野の第一線で活躍しておられる皆様が、こうして一同に会する機会はとても貴重な時間であり、活動を続けて行くための大きな原動力でもあります。少しずつではありますが、これからもKnotsの活動を支えて下さる多くの皆様の思いを実現できるように尽力して参りたいと思っております。
ご出席して下さった皆様、お忙しい中本当にありがとうございました。そして、今後とも何卒よろしくお願いいたします。