「第3回神戸アニマルケア国際会議」が盛大に開催されます。心からお喜びしますとともに、国内各地及び各国からお越しいただいた皆様を歓迎します。
来年には、阪神・淡路大震災から20年を迎えます。私たちの復旧・復興は新たな挑戦の連続でした。動物救護活動もその一つです。獣医師会や動物愛護団体が中心となり動物救援本部を立ち上げ、多くの支援を得て、被災動物の救護活動が展開されたほか、次なる災害に備え、関係団体や政令市等と「災害時における動物救護に関する協定」を締結しました。
こうした経験を踏まえ、東日本大震災でも動物愛護専門職員を派遣し、警戒区域内での動物救護活動を積極的に支援しました。
都市化の進展や核家族化、少子高齢化などを背景に、家族の一員として、また、盲導犬や介助犬、聴導犬など、自立や社会参加を補助してくれる大切なパートナーとして、動物はかけがえのない存在となっています。その一方で、動物虐待や飼育放棄などが後を絶たず、また農村部では、野生動物による農作物の被害が問題となっています。
兵庫県は、今年開所予定の但馬支所を含め、動物愛護センターと県内4カ所の支所を拠点に、しつけ方教室の開催や新たな飼い主探し、動物とのふれあい事業などの啓発事業を展開しています。また、命の大切さを学ぶ環境体験授業、コウノトリの野生復帰の取り組み、野生動物と人を棲み分ける緩衝地帯づくりなどにも力を注いでいます。
それだけに、獣医師を中心とした専門家が集い、動物のよりよいケアや生息環境の保全をめざして議論が行われることは、本当に心強いことです。人と動物、そして自然が共生する社会をめざし、ともに取り組んでいこうではありませんか。
大会のご成功と、ご参集の皆様のご健勝での今後ますますのご活躍を心からお祈りします。
この度、第3回神戸アニマルケア国際会議2014が、ここ神戸の地で盛大に開催されますことを心よりお慶び申しあげますとともに、世界各地からお越
しいただきました皆様を心から歓迎いたします。
さて、未曽有の被害をもたらした阪神・淡路大震災が発生したあの日から今日まで、神戸の街は国内外からの大きなご支援をいただきながら、復興への道を歩み続けてきました。獣医師会や動物愛護関係団体の皆々様におかれましては、自らの被災も省みず、ペットや飼い主を救援すべく「兵庫県南部地震動物救援本部」を立ち上げ、その並々ならぬご尽力と献身的な活動によって、多くの動物たちが救われ、多くの被災者が励まされました。
これらの震災の経験、教訓を風化させることがないよう、広く国内外に発信し、後世に語り継いでいくことが、神戸の街づくりに携わる者としての使命であると考えています。
また、そのような神戸の地で、「人と動物の未来の為に」議論を深められ、我々人間が出来る努力を明らかにし、人と動物が共に幸せに暮らす社会を展望していくことは、未来に向けた都市の創造において、大変意義深いことであると思います。
最後に、本会議の開催にご尽力されました関係者の方々に深く敬意を表しますとともに、本会議のご成功と皆様方のご健勝と今後ますますのご活躍を心よりお祈りいたします。
第3回神戸アニマルケア国際会議(ICAC KOBE)2014が7月19日、20日の両日、神戸ポートピアホテルにおいて開催されます。本会議の開催に対し、多数の関係団体、企業、行政、そして市民の方々のご支援をいただいたことに、心から感謝申し上げます。
この会議は、われわれが阪神・淡路大震災の経験から学んだ「命に対する責任」をテーマとして開催してまいりましたが、あの大災害からすでに20年近くが過ぎ去り、そしてさらに多数の人と動物が犠牲になった東日本大震災からも3年を経過しました。
日本獣医師会では、会のロゴマークに「いのちみつめる、いのち育む。」を標語として取り込み、獣医師が動物ばかりでなく、人も含むすべての「いのち」に係る職業であることを社会に示すとともに、自らにもその意義を問いかけてきました。
一方、近年人の健康,動物の健康,環境の健康(保全)に関与する人々が連携,共同しようという思想が「ワンヘルス」という言葉とともに世界的に広まってきています。日本獣医師会は2010 年6 月の通常総会で「ワンヘルス」をテーマにした「活動方針」を採択し、諸事業を推進してきました。
また、私が日本獣医師会会長として特に力を尽くしたい課題の一つに、日本獣医師会と日本医師会との連携の強化があります。「ワンヘルス」の理念の下、獣医学と医学が一つになり、獣医師と医師とが協力して人と動物の共通感染症等への対応を推進していきたいと考え、2013年11月には日本医師会と協定書を締結したところです。
この会議では、人と動物に関連する幅広い分野の専門家が集い、海外の関係者にも加わっていただいて、さまざまな「いのち」に関する意見の交換が行われ、その意味で「ワンヘルス」のイメージを具現化した会合であるといえます。このような専門家の集いに市民の方々にも加わっていただき、情報を共有することがわれわれの目的を達成するうえで重要であることは申すまでもありません。
日本獣医師会としては、今後とも、関係者との連携を緊密にして、国民の理解も得ながら、「いのち」をテーマとして幅広い活動を展開していきたいと考えています。
何卒、皆様のご理解・ご支援を賜りますようお願いいたします。
公益社団法人日本獣医師会並びに公益社団法人Knotsを始め多くの関係者のご尽力のもと、第3回神戸アニマルケア国際会議2014が盛大に開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。
本会議は、阪神・淡路大震災の経験から神戸が学んだ「命に対する責任」を、世界に向けて発信するため、2009年に第1回目が開催されました。第3回目の開催となる今回の会議では、「人と動物の未来の為に」をテーマに二日間にわたる濃密なご議論が行われると聞いております。グローバル化が進み、世界各地での考え方や取り組みが、直接的又は間接的に地球規模で大きな影響を及ぼす現代社会において、世界で問題意識を共有すべく、このような国際会議が開催される意義は誠に大きいものと存じます。本会議での真摯な議論を通じて、人を含む世界中の動物の福祉を向上させ、幸福な人と動物との共生をさらに前進させることが実現されるよう、大きな期待を寄せているところでございます。
かのマハトマ・ガンジーは、“The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated.”(国の偉大さと道徳的発展はその国における動物の扱い方で判る)という名言を残されました。我が国が道徳的に発展した偉大な国であるとの世界的評価を確立するためにも、本会議が将来にわたり発展的に開催されますことをお祈り申し上げます。
日本医師会といたしましては、「人間の尊厳が大切にされる社会の実現を目指すこと」を綱領に掲げ、多角的に取り組みを進めておりますが、この理念は、すべての生あるものに通ずるものでありますので、さらなる努力を傾注してまいる所存です。
結びに、本会議が実り多きものとなるよう祈念いたしますとともに、ご参集の皆様方のご健勝と今後ますますのご発展を衷心よりお祈り申し上げます。
第3回頭アニマルケア国際会議2014の開催を心からお祝い申し上げます。
2013年11月8日にフィリピンを襲った台風の被害状況が、日々の報道で明らかになるにつれて、自然に対する人類の非力さを改めて思わざるをえません。
災害を想定し予防対策を講じることは大切な要素であり、我々はその努力を怠ってはならないことは申すまでもありません。
こうした人智を越えた自然災害では、国内・外の人々から届けられる支援と励ましが、被災された方々をどれほど勇気づけ、復興の原動力となることや、同時にいかに数多くの動物達を救済することができるかを、そして人と動物を守り、手を差し延べることについては国境がないことを、私たちは阪神淡路大震災で経験し、学びました。
2011年3月の東北地方太平洋沖地震では、地震・津波および2次的に発生した原発事故という3つの災害に曝されました。福島原発周辺で保護された動物達については放射能という特殊な背景の下、震災後3年以上を経た今も先行きが見えないままシェルタで暮らしている状況にあります。
地球環境の変化がもたらしていると指摘されている自然災害に対して、人と動物はどのように向き合い、どのように救済していくのでしょうか。
このたび、『人と動物の未来の為に』のテーマのもと、各専門の分野から意見を交わし、情報発信をされることはとても有用なことであり、人と動物が共存できる環境を大切にし、人々がうるおいのある豊かな生活を楽しむことができる社会づくりに貢献されることを切に願うところであります。
今回で3回目になるICAC KOBEの開催おめでとうございます。また神戸での開催に対しましてお礼申し上げます。
さて、人と動物との関係が時代の変化とともに大きく変容してきた近年、人獣共通感染症に対する正しい知識の啓蒙や感染防止・予防活動が我々獣医師会に課せられた大きな責務であると考えています。WHOでの医師会と獣医師会との学術的合流の流れを受け、昨年には日本医師会と日本獣医師会が同様な協定を結びました。この流れは全国各地の地方会においてもさらに発展していくものと思われます。
現在神戸市獣医師会では、狂犬病予防事業に代表される人畜共通感染症対策、野生鳥獣保護活動や学校飼育動物支援事業等に取り組んでいます。今年野生動物保護の本質は何か、また学校での動物飼育の本来の目的は何かについて関係機関を巻き込んだ形で論議を深めていきたいと考えています。
特に狂犬病対策については、一昨年まで狂犬病正常国と思われていた台湾において、イタチアナグマから狂犬病が発生したことは、その発生の経緯がかねてより国内にあった狂犬病が野生鳥獣に潜伏し何らかのきっかけで表面化するといったもので、我が国にも潜在的危険性を示したものとなりました。狂犬病に対する国民の関心が薄れている今日、より一層の予防対策に努めなければならないと考えています。そのためには、獣医師会はもとより関係する獣医師すべての協力体制を築いていく努力をしなければならないと考えています。
ICAC KOBEにご参集されました皆様、そして主催者であるKnotsの皆様のご発展を記念しましてご挨拶に代えさせていただきます。
ネスレ日本株式会社 ネスレピュリナペットケア カンパニープレジデン
阿部 文彦氏
「人の心を癒し、限りない喜びと安らぎを与えてくれるペットとの生活」。今後少子高齢化、人口減少が進む日本の社会において、私たちの生活におけるペットの重要性は益々高まって行くことが予想されます。私たちネスレ ピュリナ ペットケアは、“Your Pet, Our Passion” を企業ビジョンに掲げ、この様な社会のニーズに応え、さらにペットとペットオーナーの皆様の幸せへの貢献を通じ、より豊かなペットライフを実現するため、微力ながら努力して参りました。また、今後もペットオーナーの皆様をはじめ、あらゆるステークホルダーの方々から最も信頼され、尊敬される企業であるために全力を尽くしてまいります。
阪神・淡路大震災を機に、人と動物の絆の強さと、その絆の持つ影響力の大きさ、人間と動物の共生の大切さを広く社会に広める活動を開始されたNPO法人Knots様。私たちは、この主旨に共鳴し、2000年、Knots様創設以来ご支援をさせて頂いて居ります。また、2010年よりKnots様は公益社団法人とし新たなスタートを切られ、その活動の場を、あらゆる社会貢献活動に広げて居られます。東日本大震災に際してもプロジェクトを立ち上げられ、ペットオーナーの皆様への力強い支援活動を展開されました。
ペットの健康をケアし、あたたかいコミュニケーションを持つことがオーナー自身の心のケアにもつながります。人がペットから与えられる大きな心のケア。人とペットが共生できて初めて生まれる豊かな暮らし。私どもはこれからも、そんなペットの健康と人との幸せな暮らしを応援してまいります。今回の第3回神戸アニマルケア国際会議が、人と動物の明るい未来への懸け橋となりますよう願っております。
第3回神戸アニマルケア国際会議2014 ―人と動物の未来の為に―のご開催、誠におめでとうございます。主催者である公益社団法人日本獣医師会様並びに公益社団法人Knots様には、本国際会議のご成功を心より祈念申し上げます。
私事ですがペット関連業界に約35年近く身を置かせて、いろいろ学ばせていただいた中で、「ペットとの真の共生に向けて、私たちができること」はまだまだ多くあるように実感しております。ペットが生を受けてから、亡くなるまで適切なケアができる社会を実現できればと思います。ペットと共に暮らす子供達から、高齢者まで、特に高齢者が亡くなるまで、ケアしてもらえる社会システムを構築したいと考えています。また、学校で獣医師の先生方や専門家の皆様のご協力により、子供たちが可愛いペットの心音や体温を肌で感じ、異なるペットの違いや人間との比較、広くいのちの大切さを理解し、ペットや動物、他人に対して思いやりのある、優しい社会が実現できたら、なんと素晴らしいことでしょう。
当協会もペットとの共生の素晴らしさを伝達するために「笑顔あふれるペットとの幸せな暮らし」という小冊子で犬や猫だけでなく小鳥、小動物、観賞魚まで幅広く「ペットが運ぶ心と体の健康」を広く国民に発信する内容で当協会が主催するペットの国際見本市「インターペット」や数多くのイベント等で配布する普及啓発活動を行っております。また、1昨年よりスタートした「ペットフード/ペットマナー検定」では公式テキスト本を発刊し、「ペットフードの基礎知識」だけでなく動物と暮らす際の責任として、「動物との付き合い方」や「動物が人の心身の健康に与える効用」をご紹介しております。
私はペット産業は単なる「ペット産業」ではなく、医療費の削減効果があり、「ペットは心の薬」となる心と体の健康に寄与する「健康産業」と考えています。リーディングプログラム(子供がおとなしい犬に対して、本を読み聞かせることで、子供たちの読む力が向上する)のように動物介在教育という面で、「教育産業」でもあります。一方、ペットと共に暮らす子供たちが増えれば、他人にも優しく出来る社会を創造できることにつながります。その意味で、「ペット産業」は世界に平和をもたらす「平和産業」でもあり、究極的には「幸せ産業」と言っても過言ではありません。こう考えますと、ペット関連業界内の横の連携を強化することはもとより、ペット業界の枠を超えた他業界とも連携して、より魅力的かつ新しい発想の様々な普及啓発活動の可能性が見えてきます。
例えば、住宅産業、自動車産業、電気産業、医療機関、学校を含む教育機関、特別養護高齢者施設などと連携を図りながら、人とペットのQOLを高めていくべきではないでしょうか。また、行政のお力も大いにお借りして、総合的な取り組みが必要だと痛感しています。
当協会としては「人と動物の未来のために」開催される、この国際会議の目的にそった活動を今後も継続すると共に、協力させて頂く所存でございます。今回の第3回神戸アニマルケア国際会議を通じて、幸せな人と動物の共生がさらに前進して皆様に広くご理解いただけることを心より祈念しております。
本会議のご成功並びに、貴両法人ますますのご発展を祈念申し上げます。
謝辞 — One World, One Life—
ICAC KOBE 2014の開催に際し、斯くも多くの皆様のご支援・ご協力を賜りましたこと、改めて心より御礼申し上げます。
来年は、阪神・淡路大震災から20年を迎えます。震災から15年を契機に、様々ないのちに対する責任に向き合おうと設置されたこの会議は、回を重ねるごとに、その関わる範囲の幅広さと共に、「ヒトもまた生き物であり、あらゆる生き物の存在があり、私たちの住む地球がある。それは分断されるものではなく、つながったものである」という当たり前の事実に、改めて私達の目を向けさせてくれました。
ICAC KOBE のキーワードは、『お互いの存在に感謝し、生きている限りは幸せであることが、いのちに対する責任である』というものです。この会議を通じ辿り着きましたのは、「ひとつの豊かな地球は、ひとつひとつのいのちの幸せをつないでいくことで構築されていく」のではないかということです。
この概念を、『One World, One Life』と標題に表現させて頂きました。世界はグローバル化し、私達は、お互いに影響し合うこと無しに、生活することは出来なくなっています。ひとつの豊かな地球へとつながるように、ここ神戸から、全ての生き物達のたくさんの喜びと幸せを創出していけるよう、議論を深めて頂ければと願っております。