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2006.02.05

第17回 兵庫のまつり ふれあいの祭典 冬季子どもセミナー「クマごろうセミナー」

平成18年2月5日日曜日、兵庫県動物愛護センター龍野支所、西播磨県民局龍野農林振興事務所森林林業課、NPO法人Knotsの共催で、第17回兵庫のまつり ふれあいの祭典 『クマごろうセミナー』を開催いたしました。
3歳から小学校5年生までの元気なお友達と保護者の方々36名が参加され、限られた時間ではございましたがクマについて勉強しました。人形劇をつかった説明や本物の毛皮に触れ、子ども達は目をきらきらさせながら、夢中になって参加してくれました。

共催:兵庫県動物愛護センター龍野支所/西播磨県民局龍野農林振興事務所森林林業課/NPO法人Knots
講師協力: 里山鳥獣研究所
開催日時:2006年2月5日(日)13:00~15:30
開催場所:兵庫県動物愛護センター龍野支所 多目的ホール

まずNPO法人Knots理事長・冨永より、このセミナーが「兵庫のまつり ふれあいの祭典」の助成を頂いて開催されている事、そして色々な動物が地球上に住んでいる中で今日はクマについて、そしてクマと私達の関係について考えていきましょうと挨拶がありプログラムが始まりました。

オリエンテーション

いつもクマなどの調査や研究を行っている里山鳥獣研究所の3名の先生(お兄さん、お姉さん)を講師にお招きし、まず兵庫県に生息する動物達にはどの様な動物がいるのか考えてみる事にしました。
子ども達は、クマ、うさぎ、ニホンザル、そして中には外国から日本に連れてこられて棲みついているヌートリアやアライグマなどの名前を積極的に答えてくれ、40種類以上もの動物が兵庫県の山々に棲んでいることが分かりました。
今日はその動物の中から「クマ」という動物に焦点をおき、彼らの生活や体の大きさ・食べ物など先生から教えていただく事になりました。

クマってどんな動物?

まずクマが四季を通じてどんな生活をしているのか、クマごろうに登場してもらい人形劇がはじまりました。
その劇の中では、親子グマの関係や、冬ごもり中の様子、巣穴から出たときに最初にやる事、普段どんなものを食べているのか、クマは木に登れるのか、クマ棚はどうして出来るのか?などなど人形のクマごろうが教えてくれました。
クマごろうを見ながら、子ども達は質問を投げかけたり、分かった事をメモしたりと興味しんしんでした。

次に、先生方がなぜクマたちを調査しているのか、クマの体を調べたり発信機を付けるときはどのような方法をとっているのか写真を交えながら説明がありました。
クマに発信機を付ける理由には、山の中に棲んでいるクマ達が普段どのような生活圏で生活をしているのか、その辺りの山の様子はどうなのかなどを調査するために付けているそうです。
先生方は今回、クマの発信機からでる電波をキャッチする受信機という機械を持ってきて下さっていたので、みんなでそれを使ってクマの発信電波を探してみる事にしました。
『ピ、ピ、ピ…』音が大きくなる方角を見てみると…なんとホールの外からクマごろうが遊びに来てくれました…。子ども達はうまく電波の方角を探す事が出来ました。

最後にクマの両足の実寸大の大きさと自分の手や足の大きさを比べてみたり、実際の毛皮をさわってみて、人間とクマの体の違いについて考えてもらいました。
また、山に食べ物がなくなったクマが人間の住む街まで食べ物を探しに来ていること、その事によって人間が危険な事故に合うかもしれないので場合によっては殺されている事も現実問題として教えてもらいました。

なぜクマは今

私達の街に出てくるのだろう?
クマは山に実ったドングリや特にブナの実をたくさん食べて冬眠の準備をします。しかし、山に木の実がならない年は畑の農作物、人家付近のカキ・クリ、キャンプ場の残飯などを求めて人里に下りてきます。一度人間の食べ物の味を覚えたクマは、人間に恐怖感を持ちながらでも、人里に下りてこようとします。

西播磨県民局龍野農林振興事務所
森林林業課・谷さんのお話

「森林を管理する仕事をしているので、山に行く時はいつも鈴を身につけています。クマの耳は非常に良いので、人間がクマを見つけるよりも先に鈴の音で人間の存在を察知してクマのほうから逃げていきます」と実際に山に行く時の格好を子ども達に見せて、説明して下さいました。
「山に木の実が少ないと、クマは人間が怖くても、生きるためには命がけで農作物などを食べに人家付近に出没するようになってきます。そうすると、人間と遭遇する機会が増え、クマも人間に慣れて怖がらないようになってきます。
クマと人間が突然に出会い、思わぬ事故が発生することがあります。人間が危険な事故に合わないようにドラム缶の檻を仕掛けてクマを捕獲し、発信器をつけ、クマに人間は怖いものだと学習させて再び山に放します。発信器をつけたクマが再びドラム缶の檻に入った
時は、かわいそうですが殺されてしまうこともあります。」 と現場のお話をして下さいました。
最後には、「生き物はすべてに命があり、それぞれ大切にしなくてはいけません。皆さんも、お友だちも自分自身も大切にして下さい。」と子ども達に伝えて下さいました。

『クマ博士認定証』授与式

兵庫県動物愛護センター 龍野支所岸本所長より、今日勉強した事をお友達にも教えてあげて下さいね」とお言葉を頂いた後、参加してくれた子ども達一人一人に、認定書と記念品が手渡されました。

このセミナーが人間と野生動物とがどうかかわっていったら良いのか考えていくときの手引きの一つになれば嬉しく思います。

セミナーの後には…

クマごろうセミナーが終了してから、同センターにて子犬とのふれ合い教室が行われていました。
センターでは、毎木曜と日曜日に、譲渡犬候補の子犬とのふれ合い教室も行われ、子犬のしつけの一環として、子ども達や様々な人と触れ合う事で、トレーニングや、お披露目にもなっているようです。

月刊地球環境2006年5月号で紹介されました