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2015.02.04

第4回 神戸全ての生き物のケアを考える国際会議 —ICAC KOBE 2015 分科シンポジウム「シンポジウム 4」報告

日時:7月20日(月)14:00〜17:00
会場:コンベンションホール
支援企業:ロイヤルカナンジャポン
主催:公益社団法人日本動物病院協会/公益社団法人Knots
趣旨:「伴侶動物との暮らし」を地域に積極的に取り入れる「高齢者、子ども達、伴侶動物が楽しく一緒に暮らせる心豊かで温かな地域社会」が、大きな課題となっている高齢・単身社会に向けて、幸せな社会形態構築に繋がるひとつの解となる可能性が見えて来た。そこには、新たな事業・雇用創出の可能性もある。それを支える伴侶動物飼育支援社会システムモデルを考察する。

 

座長メッセージ

座長:細井戸 大成氏(公益社団法人日本動物病院協会 会長)

 

 

 

 

モデレーター:冨永 佳与子氏(公益社団法人Knots 理事長)

 

 

 

 

 ICAC KOBE 2014 シンポジウム4では、40%が高齢者に、37%が単身者になる未来に「伴侶動物とずっと一緒に居られる社会」をテーマに議論した。そこから見えて来たのは、伴侶動物と暮らす高齢者が、自身の健康促進や地域とコミュニケーションの向上に他の世代より効果を感じているにも拘らず、神戸市では管理センターに持ち込まれる動物の36.4%が飼い主の死亡・入院(1:3)で、その75%の飼い主は、元気になっても伴侶動物の居なくなった家に戻らねばならないという現実であり、多くの高齢者(或は予備軍)が老後の不安から飼育を諦めつつあるというデータも出て来た。飼育を諦めなくて良い社会は、老後の不安をひとつ減らせる社会であり、老後にひとつ前向きな要素を増やせる。高齢者の地域包括ケアシステムの中にこの要素を盛り込めないかという提案に熱い議論は集約された。

 そこで今回は、別図の通り「伴侶動物との暮らし」を地域に取り入れる伴侶動物飼育支援社会システムモデルをテーマに考察する。「高齢者、子ども、伴侶動物が一緒に楽しく暮らせる心豊かで温かな地域社会」を形成することで、高齢者の自立を高め、同時に高齢者・子どもの見守り機能も構築するものである。神戸では、猫を可愛いと思った少女が犠牲になる事件が起こった。モデルのような地域なら、温かで緩やかな安心・安全を構築できるのではないだろうか。思えば、犬は1万5千年、猫は5千年前から、ヒトが傍に暮らす動物として取捨選択して来たもので、ヒトの生命や財産を守る仕事をしてきてくれた。共生関係の歴史で考えれば、彼等が新たな形でヒトを守ってくれる形態ともなるのかもしれない。学習指導要領でいのちの大切さを他の動物から学ぶことも求められており、教育の取組みも支援されるであろう。

 更には、新たな事業や産業、就労の機会も提供される可能性もあり、温かく活き活きとした地域が見えてくる。

 

スライド3

 

「我が国の高齢化の状況と介護保険制度の基本的方向」

懸上 忠寿氏(厚生労働省関東信越厚生局 健康福祉部健康福祉課長)

 

1.急速に進む我が国の高齢化と介護サービスの急増 現在、我が国の総人口は、2004年をピークに減少傾向が続いているが、65才以上の高齢者人口は増加の一途を辿っている。今後も人口構造は高齢化していくものと考えられており、特に75才以上の高齢者の増加が顕著となる。 このため、2000年に介護保険制度を創設し、介護サービスを一体的に提供する体制を整備してきたところであるが、その後も利用者の増大、介護サービス事業所の増加も続いている。介護保険制度発足時約214万人であった要介護者数は、2014年で500万人超となり、通所介護事業者数は約3倍に、特養の利用者は20万人超増加している。

2.高齢化への新たな対応 こうした状況を踏まえ、今後は、高齢者一人ひとりがより元気で、より長く、住み慣れた地域で暮らし続けることが出来るような地域作りを目指す地域包括ケア体制の整備が求められる。 このため、平成26年度に介護保険法の改正が行われ、地域支援事業の中に総合事業が新たに創設された。総合事業は、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの。今後、全国できめ細かく展開されることが重要であり、その実施に向けて、国・自治体・事業者が一丸となって推進していくことが望まれている。

3.高齢者のニーズ対応したサービスの展開 こうしたサービスの提供に当たって、事業者には様々な工夫が求められ、現在、多くの事業所においても観葉植物や野菜の栽培、ペットの飼育等それぞれ工夫を凝らした取組が見られている。ユニット型の特別養護老人ホームでは入所以前に一緒に生活していたペット同伴で入所されている例も見られている。 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて事業者にも一層の利用者のニーズ対応したサービスの展開が求められるのではないか。

 

 

「地域の活性化と動物病院の役割」

細井戸大成先生細井戸 大成氏(公益社団法人 日本動物病院協会)

 

 

 

 

 

動物病院関係者は、ペットが「家族の一員」から「社会の一員」へと認識されるように変化する中、来院動物の病気治療、予防・定期健診の推奨といった本来の業務だけでは
なく、今後確実に進む「高齢化社会並びに独居家庭増加問題」に対して動物病院が果たすべき役割を認識し、地域にねざした、その地域の暮らしの一部としての役割を果たしていくことが期待されます。

 少子高齢化社会下で価値観の転換が求められている今日、少子高齢化社会、独居家庭増加問題解決策の一つである「地域住民が安心して暮らせるコミュニティーの再構築」「認知症対策への地域包括医療という概念」の推進には、家庭動物(特に犬や猫)の存在は一つのキーになると考えます。

 JAHAでは1986年以来、人と動物のふれあい活動(CAPP活動)を会員を中心に各地で実施し、人と動物双方の福祉、医療、教育への効果があることを社会に浸透させてきました。この実績を基に、各地の動物病院は、CAPP活動マニュアルを参考に、地域の特性に応じたCAPP活動と同様の活動を実施することも可能です。

「独居高齢者と若者・子どもたちとの交流に、家庭動物を活用するようなイベントの企画・運営」「動物病院の一隅を開放しての定期的な子どもたちと動物とのふれあい活動の実施」等は、「地域コミュニティーの再構築」への参考になると考えられます。

また、高齢者の「社会参画」と「心身の健康維持」を推進し、認知症患者増加問題への対応策を「地域包括医療という概念」で取り組んでいくことは、医療・介護分野では重要な課題の一つであります。高齢者が抱えている3K(健康、経済、孤独)を乗り越えることは、高齢者の生きがいの創造や生活の質の向上に寄与します。高齢者と家庭動物の関わりが、この問題の全てを解決するとは思えませんが、その一翼を担えるのではないかと強く感じています。動物病院は一丸となって「ペットとの共生社会の意義」をさらに普及啓発し、取り組む必要があると考えます。

 

 

 

「高齢ペット飼育者の意識調査」

西澤亮治先生西澤 亮治氏(特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会 事務局長/株式会社ペピイ 代表取締役)

 

 

 

 

私たちは世界に例をみない超高齢化社会を迎え、多くの課題を解決していかねばなりません。より加速する高齢化と少子化、65歳以上人口の増加と生産者人口の減少、単身世帯の増加、健康寿命の延伸と社会とのつながりや関係をどのように継続するか、社会保障や医療費、介護といった老後への不安…。また同時に犬や猫の高齢化・長寿化、看取りやペットロスのケア、高度化・専門化する動物医療、ペット飼育者の減少(特に犬の飼育頭数の大幅な減少)、若い世代でのペットの飼育意向や関心の低下、といったペットに関する環境の変化にも注目する必要があります。

このような社会環境が大きく変化する中、当協会では本年も「飼い主の意識調査」を継続して実施しました。また、昨年秋には大阪で、そして、今年の5月30日には東京で「高齢者とペット/高齢飼い主の飼育支援を考える」をテーマにしたシンポジウムを開催し、高齢者とペットに関わる問題や高齢飼育者への飼育支援方法について継続して調査・研究を行っています。高齢者がペットと関わることで健康寿命延伸にどれだけの効果が得られるかは研究や検証も必要ですし、ペットに関係する動物医療従事者、ペット関連企業だけでなく、「地域包括医療ケアシステム」「地域支援センター」「地域での見守り」といった地域社会でのサポートを如何に構築するかが重要なポイントと考えています。

「いつまでも動物たちと幸せに楽しく暮らしたい」犬や猫を家族に迎え暮らしておられる方、またその経験をお持ちの方でしたら、多くの方がそう望まれていることと思います。今や4人に1人以上が65歳以上という「超高齢社会」を迎えた日本の社会環境の「現実」を踏まえ、意識調査やシンポジウムでの意見交換等を通して見えてくる高齢飼育者の抱えている不安、社会に対して求められているもの、必要な支援方法、そして私たちは何をすべきなのかについて考察し発表させていただきます。

 

 

 

「超保険」を通じた人とペットの幸せな未来の実現に向けてuesugi

上杉 克氏(東京海上日動火災保険株式会社)

 

 

 

超保険は、お客様に必要な補償を1つの保険にまとめることができる生損保一体型保険として2002年6月に発売を開始しました。お客様とご家族を取り巻く様々なリスクからしっかりお守りすることをコンセプトに、自動車に関する補償や住まいに関する補償、からだに関する補償など充実したラインナップをご用意しています。また、世帯(家族)を引受の単位とし、コンサルティングを通じてお客様のライフプランや家族構成等に合わせて自由に補償を設計することができます。

さらに超保険では、事故に備えるだけでなく、日常生活でもお客様をしっかりサポートするサービスとして、超保険アシストをご用意しています。超保険アシストでは、ご契約いただく補償に応じて、お車の故障時などに役立つ「ロードアシスト」やお住まいの水回りや鍵のトラブルなどでお困りのときに役立つ「水漏れ・鍵開けアシスト」、各種医療に関するご相談に応じる「メディカルアシスト」などがご利用いただけます。

この超保険アシストの新たなラインナップとして2012年1月から「ペットの医療相談サービス」をご提供しています。本サービスは、超保険の損害保険契約をご契約いただいた場合に対象となり、具体的には①ペットの医療相談、②ペットとのくらしに関する相談、③セカンドオピニオン提供・高度医療機関のご案内、④近隣動物病院のご案内といった内容を獣医師が24時間365日お電話で対応しております。

従来より、「ペットを家族の一員としてケアしたい」というお声をいただいており、ご家族全員をお守りするという超保険のコンセプトとも親和性が高く、本サービスの提供開始以降、多くのお客様にご利用いただいいております。

おかげさまで、超保険は現在約180万世帯のお客様にご加入いただいており、今後とも超保険を通じて、人とペットの幸せな未来の実現に向けてサポートをさせていただきたいと存じます。

 

 

「人とペットが共生するまちづくりを目指して」

森川 功一森川 功一氏(神戸市保健福祉局 生活衛生担当部長)

 

 

 

 

 

私ども神戸市では、人とペットが共生できるまちづくりを目指して、狂犬病予防の推進、犬猫の正しい飼い方の指導啓発や健康相談・しつけ方相談、飼い猫の不妊手術の普及啓発や地域猫活動の推進、やむを得ず引取った犬猫の譲渡の促進、ふれあい教室の開催等の動物愛護に関する普及啓発等に取り組んでいます。

 

ペットを飼育するには、日々の食事の世話や散歩、病気の対処等、様々な負担が生じます。しかし、高齢化が進む今日、特に高齢者には、ペットと一緒に散歩に行くことで健康を維持増進する、ペットを通じて他者とコミュニケーションが取れるなど、様々な効果があると言われています。

 

一方、「動物の愛護及び管理に関する法律」では、「飼育する動物がその命を終えるまで飼養すること」という飼い主の責務が定められています。しかしながら、飼い主が一人暮らしの高齢者である場合には、本人の入院等の事情により、大切にしているペットの世話が困難となるケースもあります。このため、自分に代わってペットの世話をしてもらえる身内の方等を探したり、困った時の相談先を知っておく必要があります。本市でも、このような相談があれば、ネット上の飼育者募集掲示板の活用等の助言を行っているところです。

 

これから、ますます高齢化が進めば、退院後もペットを飼い続けたい等のニーズが高まっていくと考えられます。このような時に、新しい飼い主に頼ることなく、ペットを一時保護する民間団体等の行政では手が届かないサポート体制が充実されれば、高齢者が安心してペットを飼い続けられる環境が整います。

 

現在でも、高齢者の方から直接の、あるいは民生委員の方を通じて、ペットに関する相談に応じていますが、このようなサポート体制があれば、早期から民間団体等と情報交換を進め、コーディネーターとしての役割を果たすことができます。

今後、官民協力のもと、高齢者とペットが共生できるまちづくりが更に進めばと思います。

 

 

 

松原一郎先生「ケアする社会へ —見守りから始まるコミュニティづくり—」

松原 一郎氏(関西大学 社会学部 教授)

 

 

1.神戸市においては、阪神・淡路大震災からの復興施策の一環として高齢者のための地域見守りが実施されていたが、これは高齢者のひきこもり防止だけでなく、新しいコミュニティ形成にも効果があり、いまや一般地域での展開とその発展をみるにいたった。

震災後の見守り事業を5つの<拡がり>でとらえることができる:空間的拡がり、機能的拡がり、対象者の拡がり、個人から地域社会への拡がり、ネットワークの拡がり

 

2.見守りと復興とのつながりは、次のように考えられる。
 私たちは震災により多くの喪失をドラスチックに経験させられた。住宅を失い、その再生がままならない人たちには復興住宅が供給された。それは個人の財の喪失と復興プロセスにおける再獲得とみなすことができる。しかしながら、喪失されたのは住宅だけではなく、実は社会生活における関係性でもあった。その喪失のすきまを埋めようとする働きの一つが、この見守り制度であった。復興住宅は単なる大規模な集合住宅ではなく、見守り制度のような社会サービスとコミュニティ形成支援とが相まって初めて「協働型集住」という地域社会でのすまいになりうる。今や見守りの必要性は、披災地にとどまることなく、各地の孤独死問題への対応策としていや増した。

 

3.神戸市では概ね中学校区に一ヶ所設置している「あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)」75ヶ所に市独自の「見守り推進員」を77名配置していることをはじめに、民生委員やボランティアも含め、全市的に「地域見守り活動推進事業」を進めるに至った。

 

4.通常,「見守り」から連想されることは、訪問型で対面的なものであり、かつ保護やともすれば監視・管理的なニュアンスも伴うが、「ゆるやかな見守り」からスタートすることで、社会的な孤独の解消し、さらには制度の谷間や複合的な問題を抱えた人を放置しないこと(社会的包摂)につなげ、ケアする社会づくりを目指したい。


 

開催報告タイトル

【分科シンポジウム4】
7月20日 14:00〜17:00/会場:コンベンションホール
「地域を幸せにする伴侶動物飼育支援システム
伴侶(家庭)動物との暮らしを地域活性へ」

 

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左 座長・細井戸 大成氏/右 モデレーター・冨永 佳与子氏

 神戸市動物管理センターでは、高齢者を中心とする飼い主からの死亡・入院による引き取り割合が増加しており、その内の75%は入院であることから、この高齢者・単身者への支援があれば、「持ち込まれる命ゼロ」に繋がるという課題に対し、人間の医療面で進められている地域包括ケアシステムに動物に関わる人々や組織を組み込むというICAC KOBE 2014 での提案を引き継ぎ、開催されたシンポジウムです。

 ペットと暮らすことは、高齢者の生活に良い影響を及ぼすことが報告される一方で、ペットを飼いたいけれど自身の年齢や体力を考慮し、ペットを飼わないという選択をする高齢者が多いことも明らかになりました。超高齢化社会を迎えた我が国で、心身共に豊かで安心して生活ができる社会にするためにはどうすれば良いのでしょうか。こうした背景を踏まえ、いのちが共生する優しく温かな社会の構築について、行政、獣医師、民間企業、そして社会福祉制度についての専門家にご発表を頂き、活発な意見交換が行なわれました。

 ペットは愛玩動物から家族の一員へ、さらに社会の一員としてその位置づ
けが変化してきました。そしてそれに伴い、行政や動物病院を中心とする動物に関わる人達には、社会の中で高齢者や子どもとの関わりをコーディネートし、豊かな地域コミュニティの再構築に貢献するという、重要な役割が求められるようになって来ました。それを表現したものが、上の図です。地域包括ケアシステムとは、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保する為に、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが、日常生活の場で適切に提供できる様な地域での体制」のことです。

IMGP2027 高齢者施設でも少しずつですが、飼育していたペットと入居できる事例も出て来ており、地域包括ケアシステムの中で、高齢者の飼育継続に具体的にどのように支援の仕組みを整えていくかが、課題となります。良いモデルが出来れば、普及も進むことでしょう。家族の一員としてペットを考える保険会社では、付帯サービスにペットの24時間電話医療相談サービスが設定されていますが、今後は、飼い主の危機に際してのペットの保護への備えも飼い主の責任として考えておく必要があるのかもしれません。

 高齢飼い主の意識調査の中で、高齢の飼い主は、ペット飼育が自分の健康に役立つと他の世代より強く感じており、ペットを飼っている高齢の飼い主は、一般的な高齢者に比べ、日常生活に満足している人が35.4%(一般12.0%)、まあ満足を入れると92.5%が満足しており、ほとんど不満のある人がいません。普段の生活で楽しいことは、ペットと過ごすこと87.4%(一般では、テレビ・ラジオが83.2%/複数回答)とペットとの日常生活の満足度が大変高いという調査結果が報告されました。ペットと見つめ合うと飼い主のオキシトシンが上がるという論文も発表されており、生き物としてのヒトに、ペットとの暮らしは、その生活の質を高めるためにも必要なのではないでしょうか。大阪市獣医師会では、高齢者に子猫のミルクボランティア(授乳の必要な子犬・猫を飼育し、飼育可能な人へ譲渡していく取組み)をお願いして、高齢者が、少しでも動物や社会と接点を持つことのできる試みを始めようとされています。

 神戸市は、地域包括支援センター(概ね中学校区一カ所)に独自の「見守り推進員」を置いています。阪神・淡路大震災の復興住宅の高齢者支援から孤独死対策と繋がっているもので、その先にある社会からの無縁化する人々を放置しない(社会的包摂)も求められています。これからは、所謂監視的なものではなく、緩やかな見守りというのが理想です。その実施に置いて、動物が関わることは、豊かなコミュニティの構築に、一定の役割を果たせるように思いますし、動物管理センターの課題ともリンクします。高齢者の状況も個々人で違っており、基調シンポジウムにあった祖母脳の話も考え合わせれば、支援されるばかりではなく、子ども達の見守りや孤立する保護者への子育て支援等、多くの役割を期待されることでしょう。中学校区という顔の見える範囲のコミュニティの再構築は、まさに阪神・淡路大震災の経験を未来に繋げる大きな可能性を感じさせる取組みであり、市民ひとりひとりの幸せな在り方に付いて社会が恊働出来る場が提供される可能性を感じました。

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懸上 忠寿氏

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西澤 亮治氏

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森川 功一氏

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上杉 克氏

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松原 一郎氏