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ピックアップ 2024.06.21

【報告】第278回神戸ベンチャー研究会例会 講演報告

2024年5月25日(土)、日本経済大学 神戸三宮キャンパスで開催された、第278回神戸ベンチャー研究会例会において、当法人代表理事 冨永佳与子が講演をさせていただきました。
この回の研究会テーマは「ペットと過ごす世界を広げるビジネスにチェレンジ」でした。

また、冨永とともに、伊豆長岡で大正二年創業 100年以上の歴史を持つ「伊豆長岡温泉 えふでの宿 八の坊」を、「お料理」と「おもてなし」と「ワンちゃんにも優しい」上質なお宿に生まれ変わらせた、五代目当主 望月敬太様が講演をされました。

先に登壇された望月様の講演テーマは「更に愛犬が愛おしくなれる上質なお宿を目指して」です。

これまで団体客が7割を占め、薄利多売であった旅館を転換していきたいとの気持ちを持っておられました。
コロナ禍で売上が落ち込んで行く中、綿密な経営分析を行い、従業員の方々と話し合いをされました。
団体への接客では「ロボットのように給仕」「楽しそうに仕事をしていない」といった現状があり、何の仕事をしている時が楽しい?という問いかけに対しての、2000年頃から受け入れている「愛犬連れのお客様の接客の時」という結果を受けて、スタッフのモチベーションUPとスタッフが自慢できる宿になりたいと訴え、銀行交渉を乗り切り、従業員の方々と一緒になって、上質で愛犬ファーストなお宿に転換を実現されました。
現在では、コロナ禍で落ち込んだ売上も毎年増収へ、30%だった個人客比率が95%に、30%だった直接予約が70%と、利益率のUPも実現されています。
年間愛犬宿泊数もリニューアル前の1,500頭から7,000頭へと増加しています。
次のステップとして、愛犬が益々愛おしくなれるお宿を提供されたいとのことでした。

伊豆長岡温泉 えふでの宿 八の坊 ウェブサイト https://hachinobo.com/

当法人、代表理事 冨永佳与子は「ペットとの暮らしを活用した豊かな社会」-その環境整備に見るビジネスチャンス-、をテーマとして講演いたしました。

まず「ベンチャーとしてのKnotsの歩み」として、人とペットの共生の流れの中で、直面する課題にあたって、「人もヒト以外の動物も幸せな社会の構築」を使命とした、様々な関係者と連携して課題解決の場を作る、Knots(結び目という意味)の成り立ちを話させていただきました。
日本で初めて組織的な動物救援が行われた、阪神・淡路大震災。
その1年後、譲渡された動物達の調査が行われた際の、ボランティアで参加した愛玩動物飼養管理士のメンバーが「人と動物の共生へ向けて」の小さな啓発活動を始めたことから、飼い主の立場から「だったらいいな」への挑戦が始まりました。

Knotsアドバイザリーボード福地茂雄氏(アサヒビール元社長)よりいただいた、
「解決できない問題はない」
「ひとりでは解決できない」
「これまでのやり方では解決できない」
とのお言葉を大切に、小さな結び目が社会を変える「場」であるKnots・プラットフォームでの連携を構築していきます。

「ペットとの暮らしを活用した豊かな社会」の話では、高齢者とペットの関係で、東京都健康⻑寿医療センター研究所より2023年に発表された、「ペット飼育は介護給付費を半分に」「⽝の飼育者は認知症の発症が4割低い」との研究データが、来場者の方には驚きと大きな関心を持っていただけました。
Knotsプラットフォームからもたらされる、「共生プラットフォーム」によるサポートの実現により、市民ひとりひとりに寄り添う課題解決ができる社会を築きながら、ペットとの世界を拡げるビジネスを発展させていくことが可能となっていきます。

大好きなペットと一緒に明るい老後を過ごせることで、老後の不安が減り、将来に希望の持てる持続可能な社会の構築へとつながっていきます。

Knotsでは、2024年10月27日に東京都健康⻑寿医療センターで研究されている神戸出身の谷口優先生を講師にお招きし、人と動物の共生およびSDGs推進シンポジウム 2024 『ペットとの暮らしを活用する豊かな社会 -それを可能にする環境整備-』を開催し、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会のひとつのモデルとして、「人もペットもずっと一緒に幸せに暮らせる街」を実現する方策を皆さんと考えたいと思います。

神戸ベンチャー研究会の皆様、この度は大変貴重な発表の機会と出会いの場をいただき、ありがとうございました。

神戸ベンチャー研究会ウェブサイト
http://kobeventure.jp/20240525.html