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ピックアップ 2023.09.23

【報告】奈良県 うだ・アニマルパーク振興室「2023 サマースクール in うだ・アニマルパーク」 チャレンジC『張り子作り教室』

奈良県・うだ・アニマルパークで毎年夏休みに開催されている、「サマースクール in うだ・アニマルパーク」が、今年も8月22、23日の2日間にわたって開催されました。動物との関わりをテーマにしたサマースクールのプログラムはチャレンジA~Cの4種類がありますが、チャレンジCの「張り子作り教室」は、当法人の理事兼企画教育部長の小椋が講師になって実施しています。

当法人は、2012年から奈良県「いのちの教育」プログラムの普及展開のために奈良県と連携協定を締結していますが、「うだ・アニマルパーク」では奈良県「いのちの教育」プログラムの他にも、公園内に飼育されているウシやヒツジ、ヤギ、ポニーなどのお世話体験などを通じて、「いのち」を実感することができるプログラムが多数実施されています。そのひとつが、「張り子作り教室」です。

教育委員会から派遣された現役の教員3名が講師となり、奈良県下の主に小学校を対象に奈良県「いのちの教育」プログラムを12年にわたって実施されていますが、その教材の主役になるのが、新聞紙を使って作られた20種類の張り子の動物たちです。

奈良県「いのちの教育」プログラムで使用される張り子は、新聞紙を使って一体一体すべて手作業で作られており、同じ動物でもそれぞれに表情や形が違います。また、表面がボコボコした手触りで子どもたちが抱きかかえやすい大きさに作られており、修繕が必要になっても、何度でも新聞紙を貼り直して着色をすれば使用し続けることができます。

こうした唯一無二の造形が、「たったひとつのいのち」を象徴するものとして高い評価を得ており、実施者のみならず、多くの受け入れ校の教員の皆さまにも共感を呼ぶツールとして認知されています。

「張り子作り教室」は午前10時から始まりますが、午前中に形作りを行って、着色前に一旦乾燥させなければいけません。その間、子どもたちはヤギの餌やり体験と橋渡りの見学を行います。昼食を挟んだ後にポニーのブラッシングを体験し、その後に着色作業を行います。その頃には、参加者同士ですっかり打ち解けて仲良くなっていて、初対面同士だった子どもたちも、話し合いながら模様や色を考えてくれます。

「張り子作り教室」の中で大切なのは、単に工作をするだけでなく、その生き物(動物や昆虫、魚など)を作っている間に、名前や性格、そして自分だったらその子にどんなお世話をしてあげるのかなどを考えながら作ってもらうところです。完成後には、お迎えに来てくれた保護者の方も含めて、自分が作った生き物についての発表をしてもらうことにしています。

張り子は新聞紙で作った「モノ」ですが、いろいろな動物のお世話をとおして感じたことや、自分が作った生き物のお世話を想像することで、サマースクール全体をとおして「いのち」を実感し、私たち人間が守るべき責任ということを考えてもらえるような内容になっています。

張り子作り教室の材料は、新聞紙、セロハンテープ、洗濯のり、絵の具だけですのでそれほど材料費はかかりませんが、完成した作品は子どもたちならではの想像力で、とても個性豊かな表情の「いのち」が吹き込まれたものになっています。完成した作品を見て、保護者の皆さまもとても驚いておられます。

これらのプログラムの実施に関心をお持ちの自治体や教育関係、子育て関係の皆さまは、気軽に当法人事務局までお問い合わせください。