ポスターセッション《発表要旨》
・Nadeeka Harshini De Silva (Department of Advanced Pathobiology, Osaka Prefecture University)
「樹状細胞の免疫活性に対する卵巣ホルモンの影響」
子宮蓄膿症は、犬においてしばしば死に至る感染症です。黄体期の前半においてその発症率が非常に高まりますが、その期間は血液中のプロゲステロンが最も高くなり、エストロゲンが最も低くなる時期です。また、本疾患は、避妊の目的でプロゲステロンの投与を行った後でもしばしば見られます。これらのことから、上記卵巣ホルモンが感染抵抗性に影響を与えていると考え、免疫反応を引き起こす細胞である樹状細胞(dendritic cell、略してDC)に対する影響を調べました。その結果、プロゲステロンは、DCの成熟を抑制し、感染抵抗性を低下させること、それに対してエストロゲンはDCの成熟を促進し、免疫力を強化することが明らかになりました。これらのことから、免疫機能はこれらの卵巣ホルモンによって影響されることがわかり、本研究結果は、子宮蓄膿症の予防に応用できるものと思われます。