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2014.12.26

【報告】第3回 ペットとの共生推進協議会シンポジウム

『第3回ペットとの共生推進協議会シンポジウム』

第3回ペットとの共生推進協議会シンポジウム

ペットとの“真の共生”を目指して―人と動物の福祉を推進する―

テーマ:「笑顔あふれるペットとの幸せな暮らし」

主催:ペットとの共生推進協議会シンポジウム

後援:環境省

日時:大阪会場12月13日(土)國民會館 武藤記念ホール

東京会場12月14日(日)発明会館ホール

講 演

「ティーチングシェルターはじめました」

於保 実佐子氏(一般社団法人ふくしまプロジェクト 代表理事/株式会社チアーズ

代表取締役/動物との共生を考える連絡会 監事)

「猫の森の猫たち」

南里 秀子氏(猫の森株式会社 代表取締役)

「観賞魚が子どもに与える効果」

合掌 顕氏(岐阜大学 地域科学部 准教授・工学博士/日本心理学会認定心理士)

パネルディスカッション「これからの日本における共生のあり方を考える」

パネリスト:

於保 実佐子氏/南里 秀子氏/合掌 顕氏

山﨑 恵子氏(アニマル・セラピー・コーディネーター ペット研究会「互」主宰)

山口 千津子氏(公益社団法人日本動物福祉協会獣医史調査員)

進行:

越村 義雄シンポジウム実行委員長(一般社団法人ペットフード協会会長)

 

ペットとの共生推進協議会主催、環境省後援の『第3回ペットとの共生推進協議会』に公益社団法人Knotsも協賛団体として参加して参りました。「ペットとの“真の共生”を目指して」をテーマに、3名の講師による講演があり、最後にパネルディスカッションがありました。

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 一人目の講師である於保 実佐子氏(一般社団法人ふくしまプロジェクト 代表理事/株式会社チアーズ 代表取締役/動物との共生を考える連絡会 監事)は、御自身が立ち上げた動物愛護団体・一般社団法人ふくしまプロジェクトについてお話されました。於保氏の本業はジャーナリストで、2005年にペット関係のフリーマガジンの編集長になったことがペット業界に入るきっかけとなったそうです。ドイツのティアハイム(動物保護施設)や日本全国の愛護センターなどを取材された際の情報も提供してくださいました。動物保護団体を立ち上げるきっかけとなったのは、あの東日本大震災。同行避難やシェルターの問題などが浮き彫りになったことから今までにない保護活動システムづくり(行政や企業との連携)や、さらに柔軟な譲渡活動を目指して、ティーチングシェルターをもつ「ふくしまプロジェクト」を立ち上げました。ティーチングシェルターとは、動物に対してケアやトレーニングなどを行い、人に対して研修や見学などを行うことのできる施設です。動物と人がより幸せに生きることができるように、そしてそんな社会がずっと続くように、私たちが今できることについてお話してくださいました。

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写真:於保 実佐子氏

 つづいて二人目の講師は猫の森株式会社 代表取締役の南里 秀子氏。南里氏の講演は、御自身が17年前に作った「バイバイあかねちゃん」という紙芝居の読み聞かせから始まりました。主人公の猫、ハナとトラジは突然の事故で飼い主を失ってしまいます。そんな2匹は、もしものために残されていた飼い主の遺言によって新しい飼い主に引き取られ・・・といったストーリーでした。南里氏の気持ちのこもった読みきかせにとても引き込まれました。もしこのお話のように飼い主が突然死んでしまったら、ペットたちはどうなってしまうのでしょう。日本初のキャットシッティングサービス「猫の森」はこのようなニーズから始まったそうです。残された猫たち一匹一匹に違ったストーリーがあり、その一部を紹介してくださいました。しかし、最近はビジネス目的にこのような経営を始める人もでてきており、今後はどのようなかたちで続けていくべきかといった懸念もあるようです。南里氏のお話を聞き、もしものとき愛犬や愛猫を誰に託せるのか私自身も考える良い機会となりました。

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写真:南里 秀子氏

 最後は「観賞魚が子どもに与える効果」について合掌 顕氏(岐阜大学 地域科学部 准教授・工学博士/日本心理学会認定心理士)がお話されました。合掌氏は、環境が人の心理に与える影響について研究しており、今回の研究では観賞魚はペットとして子どもにどのような影響を与えるのかを目的に研究されました。幼稚園の廊下に水槽を設置し、園児の行動を観察した結果、子どもが魚に名前を付ける、水槽を叩く友達を注意するなどの行動が見られたようです。また、事前に子どもたちに正しい知識を教育することで、より愛着を増すといったデータを示し、子どもの好奇心・探求心は愛着につながるとまとめられていました。

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写真:合掌 顕氏

 パネルディスカッションでは、「ペットが減少しているなか、今必要なアクションは?」という問いかけに対して、子どもへの教育という意見が多く出ていました。ここではKnotsと奈良県が連携して行う「奈良県いのちの教育展開事業」についても話題が出ました。また、山﨑氏からは子どもだけでなく、これから親になるヤングアダルトへの教育やメディアからの正しい情報提供が必要だといった意見が出ました。

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写真:(左から)於保氏、南里氏、合掌氏、山﨑氏、山口氏

 今回のシンポジウムは、犬、猫、魚といったバランスの良いテーマで非常に充実していました。最後に越村実行委員長が、これを機に参加者一人ひとりがそれぞれの分野で何ができるか考え行動することで、より良い環境を作っていって欲しいとお話されたように、今後も多くの人の力で支え合って笑顔あふれる社会にしていけたらと感じました。

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写真:越村実行委員長

 

報告:Knots教育部 教育・啓発係 田沼