イヌ iPS 細胞由来血小板の獣医療および人医療への応用
西村 俊哉氏
大阪府立大学 生命環境科学研究科 先端病態解析学講座
血小板減少症は血小板の減少により血液凝固異常を引き起こす病気であり、人とイヌで共通の病気です。血小板減少症の治療法として輸血がありますが、ドナーからの輸血には限度があり、新たな治療法が求められています。この問題を解決するために、私たちはイヌ iPS 細胞を作製し、このイヌ iPS 細胞から機能的な血小板を作製しました。この技術を用いれば、ドナーからの輸血に代えて、持続的に血小板を血小板減少症患者に提供できます。私たちは、この技術が人とイヌの病気への新たな治療法につながると信じています。