平成24年度 「いのちの教育」報告会
「いのちの教育」について考える
奈良県が取り組む
動物のいのちを通した子どもへの「いのちの教育」
この日は、C小学校の1年生がプログラムⅡ「動物と私たちのいのちは同じ」の授業を受けるのを見学します。C小学校は、すでに学校への出張授業でプログラムⅠを学習済みですので、そこからさらに発展させた内容を学習します。
私たちが「生きている」ということはどういうことでしょう?「息をする」「食べる」「寝る」「歩く」「ウンチをする」「心臓が動いている」「血が流れている」など、いろいろな生きている証拠が出て来ます。心臓の鼓動を、聴診器の音を増幅させて聞いてみて、生きていることを確かめます。でもその音は、ひとりひとり大きさも早さも違います。顔も違うし性格も違いますが、皆、同じようにたったひとつの「いのち」を生きていることを学びます。それは人間だけではなく、動物たちも同じです。
そして、子供たちにホワイトボードを渡し、それぞれのパネルの動物がどんな気持ちなのかを書いてもらいます。犬が飼い主と一緒に散歩に出かけようとしている場面のイラストですが、多くの子供たちは「嬉しい」「楽しい」「早く散歩に行きたい」などの感想を書いていました。しかし、中には「初めての散歩なので、ちょっと怖い」という気持ちを想像して書いてくれた子供がいました。このプログラムも正解を求めることを目的としていませんので、こうした「ちょっと怖い」という気持ちを想像してくれたことも立派な答えであり、むしろ、多様な意見を引き出すことが出来るのが、このツールの魅力のひとつでもあります。
こうして、動物にも人間と同じように生きている証拠があり、人間と同じように「嬉しい」や「悲しい」などの感情があって、心があることを学びます。
午後からは、D小学校1年生の子供たちが「つながる命」という内容の学習シートを実施する授業を見学しました。
ここでは、「あなた」が今、生きているという事の意味を考えます。あなたは、あなたのお父さんとお母さんから生まれ、あなたの両親にも、それそれに両親がいます。そして、あなたが生きていくためには、動物の肉や卵などの「いのち」を食べて生きています。また、木を切って使ったり、水を飲んだり、地球の環境にも関係しています。それだけではなく、あなたの兄妹や友達、ペットとも関係しているかもしれません。いろんな命の関わりがあって、あなたが「生きている」ということを勉強します。
この授業では、あなたの命は自分自身の中で、過去から未来へ、そしてまわりの世界で繋がっている…だから、あなたが生きているのと同じように、周りのたくさんの命を大切にしなければならないということを学びます。
この日も、子供たちはパークの中の動物たちのことを観察します。