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2013.12.06

【報告】ヒューメインエデュケーション・寄り添う心を創る(4)

ヒューメインセンタージャパン(HCJ)事業 講演とワークショップ

ヒューメインエデュケーション・寄り添う心を創る

2011年11月14日

     東京で開催されたHCJのセミナー「ヒューメインエデュケーション・寄り添う心を創る」の翌日、公益社団法人 日本動物福祉協会の山口千津子先生のご案内で、ディーパシェリー・バララム氏とジョイ・レネイ氏が、横浜市の動物愛護センターを訪問しました。この訪問は、日本最後の日に、日本で最も新しい動物愛護センターをご訪問頂こうと実現しました。

 まずは会議室で、職員の方から建物についての説明をしていただきました。この愛護センターには年間2000頭の猫と300頭の犬が運ばれて来ること、そしてその9割は子猫・子犬であることを聞いたバララム氏は、彼女の予想よりも遥かに少ない頭数に驚いていました。この愛護センターはドイツの施設をモデルにしており、会議室などは一般の方々がコミュニティーの場として、動物に関係なく利用できるようにされており、来訪して、動物に関心を持って頂く仕組みになっています。

     次に施設の中を見学しました。まずは譲渡の犬と猫のエリア、そして、その中でも元気の良い猫が運動できるお部屋を見せていただきました。個々のお部屋には、職員の方の手作りのキャットハウスが置かれていました。収容スペースに限りはあるけれど、この愛護センターでは殺処分は行わない方針というお話に、バララム氏とレネイ氏から安堵の表情が伺えました。また、この愛護センターには11人の獣医師がいるという事実には大変驚き、感心されていました。

   建物や仕組みは,勿論、素晴らしいけれど、社会にこのような建物が存在する必要性があるということは、人と伴侶動物との関係には、まだまだ課題があるとバララム氏は終始考え事をしておられる様子でした。一方レネイ氏は、誰にも事情はあり、引越しなどでどうしても動物が飼えなくなってしまう人もいるかもしれない。だからこそ、どんな時代になってもこのような施設は必要になるとおっしゃっていました。今回の施設見学は、お二人が改めてご自身に向き合う良い機会にもなられたようでした。

大阪・東京の講演を終えたお二人から、日本の皆さまにこのようなメッセージを頂きました。

講師からのメッセージ

ディパシェリー・バララン「この度ACTAsiaを招待いただき、日本におけるヒューメイン教育に微力ながらも貢献させていただけましたこと、そして温かく感激してくださったことに対し、HCJの皆様に御礼申し上げます。今回のワークショップでは、出席者の反応も非常に良く、ほとんどの方々が、ヒューメイン教育のプログラム開発や新しいアイデアに深い関心を持ってくださっていたように感じました。日本は、ヒューメイン教育の大切さ、そして今回の出席者が、獣医、行政、心理学者、大学や専門学校の先生、学生、学校や幼稚園、保育園の先生、動物愛護団体など多岐に渡っていたことからもわかるように、ヒューメイン教育には様々な分野の人たちや専門家の力が必要であるということを認識しています。
特に、獣医さんを中心に、ヒューメイン教育を取り入れておられる自治体の動物愛護センターの功績は、他の国々が人と動物の関係の改善について学ぶのための見本となることでしょう。 ディパシェリー・バララン」

ディパシェリー・バララン「私は、今回日本を訪問し、直接自分の眼でこの国のヒューメイン教育の進展について、素晴らしい努力がなされていることを知り、大変勇気づけられました。たくさんの獣医さん、学校の先生、動物愛護団体の方々が協力しあって、「動物愛護センター」と呼ばれる素晴らしい行政の施設で、日本の国を、動物福祉およびヒューメイン教育の「世界的リーダー」にしようと頑張っておられます。この度、HCJおよび関係者のみなさまにより開催されました大阪と東京での会議も、積極的な参加者の方々を迎え、大変盛況でありました。
お招きいただきましたことに感謝申し上げるとともに、みなさまのご尽力に対し、心からの敬意を表します。  ジョイ・レネイ」