奈良県が取り組む
動物のいのちを通した子どもへの「いのちの教育」
主催: | 奈良県うだ・アニマルパーク振興室/公益社団法人 日本動物福祉協会/公益社団法人 Knots(ノッツ)
*三者は「いのちの教育展開事業」に関する連携協定を締結しています。 |
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後援: | 奈良県教育委員会/宇陀市教育委員会/公益社団法人日本獣医師会/ 公益社団法人日本動物病院福祉協会/社団法人奈良県獣医師会 |
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HCJ事業 支援企業: |
マース ジャパン リミテッド(HCJ事業支援企業) *HCJ(ヒューメインセンタージャパン)事業は、公益社団法人 日本動物福祉協会、公益社団法人 Knots(ノッツ)の共同事業です。 |
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開催日時: | ①平成25年10月18日(金)/②平成25年10月25日(金) | |
開催場所: | うだ・アニマルパーク動物学習館 | |
奈良県では、3年前から動物愛護教育を1歩進めた取り組みとして、県内の小学校・特別支援学校やうだ・アニマルパークの学習館に於いて、「いのちの教育プログラム」の実施を始めました。昨年は動物愛護教育を行う専任スタッフとして獣医師の他に、学校教育のプロである教職員1名を加え、29校・のべ人数約4000名の子どもたちにこのプログラムを実施しました。そして更に、本年度は教職員を2名に増員して3名体制でこのプログラムを行うこととなり、現段階ですでにモデル校は39校を越えています。多くの学校が昨年に引き続き今年度も実施を希望しているリピーター校となっています。また、小学校だけでなく、子供会や各種団体などでの実施も希望されるようになり、少しずつ奈良県の「いのちの教育プログラム」が認知されるようになってきました。
このプログラムを奈良県だけでなく、広く日本各地で取り組んでもらいたいという思いから、全国の動物行政の職員や教育現場の専門家への研修会を昨年、2度に渡って行いました。参加者との意見交換の場で「現場で使えるツールが欲しい!」という多数のご要望がありました。そこで、奈良県と共に「いのちの教育プログラム」の普及支援について3者協定を結んでいる、公益社団法人日本動物福祉協会と公益社団法人Knotsとの共同プロジェクトとして、「奈良県いのちの教育普及支援事業」を立ち上げ、その一環として、去る7月に希望する8つの自治体にプログラムの簡易ツールを配布しました。
また、このプログラムをより効果的なものとするために、奈良県は、奈良女子大学の准教授を会長にお迎えした「いのちの教育」研究協議会を設置し、プログラムの効果を数値化して分析、評価しています。そして今後は、中高生向けのプログラムの開発にも取り組むことになっています。
こうした取り組みを、行政の施設の中で専任の部署を設置して取り組んでいる自治体は非常に珍しく、奈良県独自の展開と言えるでしょう。しかし、いのちの大切さを実感し、豊かな人間性を持った子どもを育成するための取り組みは、自治体の枠を越えて求められている課題です。豊かな人間性を持った子どもは、優良な市民となります。これは動物愛護センターでの大きな課題である処分数の減少に関しても、優良な市民は、適切な飼育を行う市民でもあり、ひいては動物愛護センターでの動物の引き取り数(=殺処分数)の減少に繋がっていくものと考えています。このプログラムを今後どのようにして普及させていくのかが課題となりますが、既に「いのちの教育」普及支援事業に参加して下さった自治体でもプログラムの実施が始まっているところもありますので、今後の展開が楽しみです。