Knotsは、島根県邑智郡美郷町から委託を受け、有害鳥獣として駆除されたイノシシ(おおち山くじら)を有効活用するために主に骨を活用して犬のおやつを開発することになりました。 |
島根県美郷町は、豊かな自然に恵まれた大変美しい場所ではありますが、日本国中の中山間地域にみられる過疎や高齢化の問題を抱えています。
そして、イノシシによる農業被害は深刻で、2004年には町内で439頭のイノシシが捕獲及び駆除されています。冬のイノシシ肉は牡丹鍋として有名で、関西では人気の高いお肉ですが、主に駆除が行われる夏のイノシシ肉は臭い、硬いなどのイメージがあって有効利用されることなく、今までは大半が埋設処理をされていました。
ところが、地道な研究の結果、夏のイノシシ肉も捕獲から精肉までを迅速に処理すれば夏場でも肉に臭みはなく硬くならず、むしろ低脂肪・高たんぱくでヘルシーな肉であることが分かりました。そこで美郷町では、有害鳥獣のイノシシ達を特産品に変えようと捕獲から精肉までの処理を迅速に行うシステムを構築し、「おおち山くじら」としてブランドを立ち上げました。捕獲されたイノシシは、性別、部位、捕獲場所、捕獲者、捕獲日、解体日、重量が明記されており、産地証明がなされています。
肉の大部分は、人間用となりますが、骨やアキレスなどの不可食部分は、産業廃棄物として廃棄されることになります。出来る限りそういった部分を利用して、資源の有効利用による持続可能な自然との共生を目指すことと、「おおち山くじら」というブランド戦略によりイノシシを特産化することで地域の活性化を図ることが、このプロジェクトの大きなテーマとなっております。このプロジェクトにより今までは害獣として扱われていたイノシシも貴重な資源として位置づけられ、イノシシや他の動植物の生息環境づくりについても町全体の取り組みが始まっています。
かねてよりKnotsは兵庫県立人と自然の博物館との連係事業により兵庫県内で頭数調整によって捕獲されるニホンジカを有効活用するために、犬用おやつの鹿肉ジャーキー(商品名ひょうごニホンジカミート)を開発・販売しております。そのような実績を踏まえた上でのご依頼でした。そこで、2005年8月より委託契約を取り交わし、イノシシの骨、アキレス、肉などの開発にKnotsクッキー、ケーキ、ジャーキーの製造を担当して頂いている障害者小規模作業所Patchと共に取り掛かりました。
大きい骨は、小型犬でも食べやすい大きさにカットし、折れた時に破片がとがらないよう圧力処理をした上で加熱しています。アキレスや肉はジャーキータイプに加工を試みました。勿論、加工段階で調味料や保存料などの添加物は一切加えておりませんし、何よりも魅力なのは、野生のイノシシの為原料自体が汚染しておらず、前述したようにトレーサビリティも行われており、安心して愛犬・愛猫に与えられる素材であるということです。
ワンちゃん達の試食結果も好評で、目の輝きが違う、ワンちゃんの集中力がすごいなど飼主さんより感想を頂いています。
、捕獲場所、捕獲者、捕獲日、解体日、重量が明記されており、産地証明がなされています。
この研修会では、イノシシ資源化の付加価値化と流通をテーマとした講演会やイノシシを材料とした「おおち山くじら特産品(人用)」新作発表会と共にKnotsも試作品の発表を行いました。 会場には、試作品が展示され、理事長の冨永がKnotsやPatchの紹介、最近のペット事情を説明した上で、おおち山くじらの犬用おやつの試作品について特徴や製法などを発表しました。
実際の犬達の反応については、まずビデオにて試食風景を観ていただきました。市販の豚骨の犬用おやつとおおち山くじらの骨を2枚のお皿にそれぞれ並べワンちゃんに選んでもらったところ、迷わずおおち山くじらの骨を選ぶワンちゃんに会場よりどよめきが起こりました。
また、美郷町の職員の方のワンちゃん2匹も実際に試食に参加して下さいました。1匹は、大変シャイな子で多勢の人の前で食べ物が食べられるか飼主さんが心配されていましたが、2匹とも喜んで食べてくれました。
会場には、おおち山くじらが犬用おやつに有効利用されることに関心を持った方達が、遠方からもお越しになられていて、様々な質問がありました。
今後は美郷町と協議の上、販売に向けて準備を進めていく予定です。