日本総合的セラピー研究会様(JaTTS)主催
「イスラエル視察から学ぶアニマルセラピー」
日時: | 2013年1月19日(土)10:30~15:00 |
場所: | かつしかシンフォニーヒルズ |
主催: | 日本総合セラピー研究会(JaTTS) |
内容: | ① イスラエル学会報告 横山章光(帝京科学大学准教授 精神科医) 津田望 (社会福祉法人のゆり会理事長 臨床言語士) 任真弓加(帝京科学大学 学生) ② アニマルセラピー報告事例 「アニマルセラピーにおける、カメが自閉症児に人気の理由を探る」 のぞみサポートセンター木更津 アニマルセラピー担当 永岡由香 ③ のぞみ牧場学園における乗馬活動の紹介 「のぞみ牧場学園での乗馬セラピーのケース報告とケースからの考察」 のぞみ牧場学園 乗馬セラピーインストラクター 中津川慎也 ④ ディスカッション |
2013年1月19日、日本総合的セラピー研究会様(JaTTS)主催の「イスラエル視察から学ぶアニマルセラピー」に参加させていただきました。
「イスラエルとアニマルセラピー?」なんだかあまり聞き慣れない組み合わせですね。
一体どんな話が聞けるのか、楽しみにしながら参加しました。
欧米とは違った文化や宗教をもつ中東のアニマルセラピーとはどのようなものなのか、様々な人種が混合したイスラエルの動物観とはどのようなものなのかを、現地での滞在記録を中心に横山章光先生がお話しされました。
はじめに、イスラエルとはどのような国かを歴史的背景を交えて教えていただきました。イスラエルと聞くと、パレスチナ自治区などの危険な地域を思い浮かべますが、とても清潔感があり美しく、歴史深い街でもあるのですね。ユダヤ教圏ではありますが、キリスト教を含む多くの信仰が集まった聖地とされています。教育水準が非常に高く、働いている人のほとんどが大学を出ており、ユダヤ人が数々のノーベル賞を受賞しているという話には驚きました。 つづいて、現地の様子をたくさんの写真とともにお話ししていただきました。イヌを飼わないイスラム教圏とは違い、街中にはイヌ(ほとんどが雑種)を連れた人が多くいたようです。乾季のイスラエルでは、日中40度近くまで気温が上がるため、街中には動物たちの水飲み場が設置されていました。動物を飼育している依存症のセンター、小学校、小児がんセンター、リハビリセンター、キブツ(イスラエルで発達した世界的に有名な共同体社会)などを訪問した際のお話では、施設内に動物たちが当然のように暮らし、人々の支えとなっているという点が印象的でした。施設によってはたくさんの動物たちが飼育されていましたが、中でもトリとチンチラは大体どの施設でも飼育されていたそうです。 横山先生が現地の人たちと動物たちとの暮らしぶりから感じたことは「まるでノアの箱舟のよう」、さまざまな人種や文化の混ざったイスラエルという国の動物観は旧約聖書からきているのではないか。戦争や虐殺の歴史から心理療法が発展したイスラエルでは、動物の効果を認めた上で医療や教育現場に合理的に取り入れているという印象がしたとお話しされていました。同行した津田先生は、酷暑の地ということもあり動物福祉に関して気になる部分はあるけれど、人々の気質と島国的な要素という点では、どこか日本と共通したものを感じたため、そこから学べる点も多くあるとおっしゃっていました。
会の後半では、のぞみサポートセンターの事例報告とのぞみ牧場学園の活動報告があり、今後のアニマルセラピーに関する20分程度のディスカッションが行われました。今回の報告会は、新しい視点がたくさん含まれておりとても勉強になりました。
Knots会員 田沼