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2011.02.13

【報告】啓示人と動物の絆 ”ヒューマン・アニマル・ボンド” の多様な可能性



主   催: 兵庫県動物愛護センター/NPO法人Knots
特別協賛: ネスレピュリナペットケア株式会社
実施日時: 2003年10月31日(金)13:00~15:30
実施場所: 兵庫県動物愛護センター 多目的ホール

りぶ・らぶ・あにまるず国際シンポジウム『高齢者と伴侶動物の楽しい暮らし』(神戸市/特定非営利活動法人Knots 共催)にメインスピーカーとして来日されました英国SCAS現代表 エリザベス・オームロッド氏、及び前代表 メアリー・ワイアム氏を講師にお招きし、ヒューマンアニマルボンドをテーマに、両氏のイギリスでの活動をお話頂きました。

 


 

エリザベス・オームロッド氏より、まず英国SCAS(The Society for Companion Animal Studies)について説明を受けました。そしてSCASの事業の中から、今回は主に刑務所内でのペット飼育を可能にしたことによる収容者の精神的変化と効果について、事例を用いてお話をして下さいました。閉ざされた刑務所の中には環境を豊かにしてくれるものは無く、収容者の心身に有害な影響を与えていましたが、ペットの世話をすることで、暴力が減り、他者との関係や思いやる気持ちも育まれ、何よりとても顔つきが良くなるそうです。 例えば、少年院でのリハビリテーションにドッグトレーニングを導入したプロジェクトプーチでは、6年間再犯率は0であったそうです。
また、SCASとBLUE CROSS(※1)による開発(ペット死別問題支援センター)で、ペットを失った方に対するケアもなされており、多くはボランティアの方々がその仕事に就かれ、電話やFAXで相談に応じているそうです。このボランティアの方は、SCASの通信教育を受講し、資格を得て、活動をされているそうです。

 


 

次に、メアリー・ワイアム氏による『子ども・ペット・動物が果たす教育的役割について』をお話頂きました。SCASはBLUE CROSSとのパートナーシップにより『子どもとペット』という冊子を発行されておられます。また、1995年IAHAIOジュネーブ宣言で出された決議(※2)についても触れられ、詳しい説明を受けました。またワイアム氏は英国ランカシャーアシスタントチーフ保護観察官に従事されておられ(03年9月退官)、地域の法律違反者や犯罪者及び刑務所における動物を介在とした更正と、動物の出来る役割についての研究に努められていました。そのご経験を、お写真を交えてお話下さいました。

※ 1 BLUE CROSS・・英国にて主に里親活動・獣医療・迷い犬の世話等をされている団体です。
※ 2 IAHAIOジュネーブ宣言・・1995年9月5日にIAHAIO(人と動物の相互作用国際学会)のジュネーブ大会で行われた5項目の基本的決議。


IAHIO ジュネーブ宣言(1995)

1. 「コンパニオンアニマルの飼い主が、他の住民の権利を侵さない適切な飼い方をする限り、人はあらゆる場所でコンパニオンアニマルを飼うことが出来る」という世界共通の権利を認める。
2. 「人間の生活環境を、コンパニオンアニマルとその飼い主の特性とニーズに合うようデザイン・設計する」ことを保障する。
3. 動物との正しいふれあいが、子どもたちの心の成長に欠かすことのできない大切なものであることを認識し、学校の授業にコンパニオンアニマルに関する児童教育を取り入れる。
4. 病院、老人ホーム、養護施設などの、動物とのふれあいが必要な人々のために、訪問動物として認定されたコンパニオンアニマルが出入りできるように保障する。
5. 心身の障害や病気を克服しようとする人々のために、動物による有益な「介助」や「動物介在療法」を公的に認める。また医療や社会福祉に携わる専門家の養成プログラムに、このような動物による介助や動物介在療法に関する教育を取り入れる。

JAHA © Gen Kato 2002


りぶ・らぶ・あにまるず国際シンポジウム2003
高齢者と伴侶動物の楽しい暮らし
(エリザベス・オームロッド氏関連シンポジウム) 


 神戸動植物環境専門学校主催
「子供たちにペットが果たす役割の重要性」
(メアリー・ワイアム氏関連シンポジウム)