第39回動物臨床医学会年次大会~2018市民公開シンポジウム 報告

日時:2018年11月18日13:00~15:00
場所:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
主催:動物臨床医学会・(公財)動物臨床医学研究所

第39回動物臨床医学会年次大会が2018年11月16日~18日の三日間にわたり開催されました。最終日の11月18日13:00~15:00に「あなたとペット動物の災害対策―特にペットとの同行避難の為に―」というテーマで2018市民公開シンポジウムが行われ、当法人の理事長冨永佳与子が発表者として参加いたしました。本シンポジウムはJSPS科研費JP18HP0026の助成を受けたものです。

 

国立科学博物館の林良博さまが司会をご担当され、次のテーマについて、飼い主の視点から、獣医師の視点から、研究者の視点から、実体験をもとに講演が行われました。そして最後に行政としてのご意見を聞くことができました。

1.阪神・淡路大震災(平成7年(1995年)1月17日)時における動物たちへの対応
  -具体例と問題点-
       冨永佳与子(公益社団法人Knots)

2.東日本大震災とそれに伴う津波等における動物たちへの対応
  -従来よりの改善点と新たな問題点-
       河又淳先生(千葉小動物クリニック)

3.熊本地震(平成27年(2016年)4月14日)時における動物たちへの対応
  -過去の大震災で参考になった点と新たな問題点-
       船津敏弘先生(動物環境科学研究所)

4.「人とペットの災害対策ガイドライン」の策定について
     長田啓さま(環境省自然環境局)

     

同行避難にあたっては、所有者を明示するためのマイクロチップの必要性や、基本的なしつけの重要性だけでなく、日々の獣医師との信頼関係構築が重要となります。

一般的には災害時の対応は「自助」「共助」「公助」のうち、「自助」が基本と言われており、ペットの飼い主においても同様です。

現在のような情報化社会においてもペットとの同行避難については周知度が低く、何をどう備えておけばよいか困惑している人が多くいらっしゃいます。

獣医師の方々は、災害時には被災された獣医師の方々が率先して診察に従事してくださいました。近年では福岡VMATのように過去の災害経験をもとに、備えの強化にご尽力してくださっています。

しかし、災害当時は未経験・想定外の事態が発生したことで法整備が追いついておらず、現場が混乱する事態が多発しました。

平成30年3月に、環境省は「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(平成25年6月策定)を改訂し、名称も新たに「人とペットの災害ガイドライン」を公表しました。

環境省:動物の愛護と適切な管理 パンフレット、報告書等
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph.html

環境省:人とペットの災害ガイドライン
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html

当法人としては、今後も飼い主の皆さんの助けになれるように啓発活動を行ってまいりたいと思っています。

動物臨床医学会年次大会においては、市民公開シンポジウムの他にも、獣医総合臨床認定医を対象としたプログラムや、写真展、企業展示が行われていました。