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2015.06.01

第4回 神戸 全ての生き物のケアを考える国際会議 2015 —ICAC KOBE 2015 オーラルセッション 10

オーラルセッション《発表要旨》

 

中塚圭子中塚 圭子氏(環境人間学博士人とペットの共生環境研究所)/牧田 明美氏(ペットマッサージインストラクター)/大畑 奈緒美氏(JAHA認定家庭犬しつけインストラクター)/石田 美樹氏(人とペットの共生環境研究所)/吉田 美保氏(人とペットの共生環境研究所)/湯木 麻里氏(獣医師)

「日本流の人と犬との暮らし方」

 

 

ここ数年来ペットブームも定着し、熱心に犬と関わる人も増えてきている。その一方で、取り立ててしつけ教室に通うわけでもないのに、普段の暮らしの中で飼い犬といい関係を築いている人がいることも事実である。なぜそのような関係が築けるのであろうか。現在普及している犬のしつけは欧米から導入されたものが主であり、日本では犬文化が醸成されていないというのが定説であった。また、人間と動物との関係が欧米的な管理するものとされるものという画一的なものに留まっている。しかし、犬に関わる問題を解決しようとすると、これまでは獣医学や動物行動学(科学的なしつけ)が中心であった。

本発表では、犬に関わる問題を解決するために行われた、1)フレンチブルという犬種に焦点を当てた「フレブルユルユルしつけ方教室」、2)姫路市動物管理センターで行われた、「怖がり犬と無駄吠え犬との暮らし方教室」、3)しつけ方教室では築けない、人と犬との関係性を示す、「但馬地方の犬の風景」を調査対象とした。これら3つの調査結果を、飼い主と犬を取り巻く環境や地域社会の在り方を研究するといった環境人間学的立場から考察することにより、日本の暮らしや日本人の動物観に合った共生環境を導き出す。