「義犬華丸」365回忌顕彰記念行事 報告

「義犬華丸」とは?

「華丸」は大村藩(現在の長崎県大村市)三代藩主 大村純信公の傅役(もりやく) 兼 家老であった小佐々前親(こざさ あきちか)が飼っていた愛犬で、犬種は狆と伝えられています。
純信公急逝の悲報に接し、その死を悼み追腹して殉死した前親の荼毘(火葬)の際、華丸は主人の死を嘆き悲しみ、炎の中に飛び込んで後を追ったとされています。(1650年)。
家人は華丸の心を哀れみ、事の次第を刻した墓碑を、萬歳山本経寺にある前親の墓石の右側に建て、「義犬」とたたえ弔いました。動物愛護史の研究者によれば日本最古の史実の犬の墓とのことで、墓碑も国の史跡に指定されています。

 

365回忌を記念して、顕彰記念行事が開催されました

 「義犬華丸」の365回忌に合わせ、お墓のある本経寺に記念碑が建立され、記念行事として講演会と記念碑落成記念式典が2日間に渡って行われました。

  • 6月20日(土)13:30 – 17:00  【顕彰記念講演会】
  • 6月20日(土)18:30 – 21:00  【顕彰式典前夜祭】
  • 6月21日(日)10:30 – 11:00  【365回忌顕彰記念碑落成記念式典】
  • 6月21日(日)12:00 – 14:00  【記念碑落成記念パーティー】

【顕彰記念講演会】 大村市シーハット「さくらホール」にて

  • 「大村藩の社寺再興と本経寺の役割」    久田松和則氏(富松神社宮司)
  • 「日本愛犬史—義犬華丸墓と動物愛護史」  小佐々学氏(日本獣医史学会理事長)
  • 「21世紀こそ伴侶動物が必要—動物介在活動・動物介在療法・動物介在教育について—」 
     柴内裕子氏(赤坂動物病院総院長・日本動物病院協会顧問)
  • 司会 : 冨永佳与子氏(公益社団法人Knots 理事長・長崎市観光大使)

 大村市で動物病院を開院しておられる渡邊方親(わたなべまさちか)「義犬華丸」顕彰実行委員会会長のご挨拶のあと、講演会に先立ち、大村市主催の「愛犬絵画・フォトコンテスト」の受賞者表彰式が行われました。お母さんとお子さんもご一緒に登壇され、和気藹々の雰囲気で、講演会は始まりました。

 大村市にある富松神社宮司で大村市史談会副会長の久田松和則氏のご講演では、日本最初のキリシタン大名であった大村藩が、キリスト教の禁教を受け、日蓮宗へと改宗した際に菩提寺となった本経寺の歴史的役割に付いてお話がありました。一族からは、天正遣欧少年使節の4人の少年のひとり中浦ジュリアンを輩出している小佐々氏とその愛犬のお墓が本経寺にあることは、大村の多様な歴史を今日に伝えています。

 その子孫である、日本獣医史学会理事長で動物愛護史の専門家、小佐々氏会会長の小佐々学先生からは、全国各地の犬の墓を紹介して、小佐々前親の愛犬「義犬華丸」の墓は、江戸時代初期(1650年)に建立された日本最古の史実の犬の墓であることや、将軍 徳川綱吉の「生類憐みの令」の35年前で、忠犬ハチ公より285年も前であることを解説されました。

 また、前親と華丸の墓は並んで建てられており、漢文の碑文に「いつも親しみ愛し合っていた」と記述されていることから、動物愛護やヒューマン・アニマル・ボンド(人と動物の絆)の貴重な史跡であることなど、その歴史的意義が語られました。

 柴内裕子先生は、日本動物病院協会でライフワークとして続けておられるCAPP活動に付いてご報告をされました。小児がんで入院している子ども達や高齢者施設をご訪問しての成果に会場は熱心に聞き入っておられました。柴内先生が地道に続けて来られた最先端の成果を、大村市にも是非還元されたいと意欲的に来場された大村市の介護施設職員の方々もおられました。

松本崇大村市長

松本崇 大村市長

  史実に基づいた日本最古の愛犬の墓を建立した小佐々氏から、獣医師がお二人も出ておられ、そのお一人は、日本初の女性開業獣医師であられることは、不思議な歴史の巡り合わせであり、この女性の活躍が期待される時代、地元大村市としても大変誇らしいことでもあります。

 最後に大村市の松本市長より、「華丸を活かしたこれからの取組み」として、江戸時代初期には、既に犬を大切にする文化があったことの史実を受け、広く市民に生命の尊さやぬくもり、人と動物の絆の大切さを認識して頂き、動物愛護の精神と自然保護を周知し、平成18年に策定した「歴史を活かした観光振興計画」により、「人・まち・歴史・自然が輝く観光交流都市『おおむら』の将来像へと繋げていかれるよう、『「義犬華丸」を活かした動物愛護による歴史観光宣言』がなされ、幕を閉じました。

 

「義犬華丸」を活かした動物愛護による歴史観光宣言

一、「義犬華丸」の遺志を受け継ぎ、動物愛護思想の普及啓発の推進に取り組んで参ります。

一、新たなマスコットキャラクター「義犬華丸くん」と「美犬華子ちゃん」を活用し、観光PRに努めて参ります。 

一、「動物愛護の聖地」として、人と動物が共生する癒しの街づくりを、市民とともに目指して参ります。

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平成二十七年六月二十日
大村市長  松本 崇

 


【365回忌顕彰記念碑落成記念式典】 萬歳山 本経寺 本堂前 にて

 少し前までは、雨模様の続いた長崎でしたが、当日は晴れ、関係者による除幕式と法要、焼香が行われ、白くまるっとした可愛らしい華丸の像が公開されました。これは、訪れる皆さんに沢山撫でて貰えるようにとの寄贈者のお気持ちとのことです。

 本経寺の義犬華丸の顕彰墓碑と石像は、365回忌法要を記念して、前親の子孫の小佐々氏会の寄付で建立されました。華丸石像の製作者は、延暦寺・高野山・三井寺・永平寺など国内の名刹ばかりではなく、大英博物館やルーブル美術館が石仏などの作品を収蔵している有名な石像彫刻家で大仏師(だいぶっし)の長岡和慶師です。

 当日は、地元の主要なテレビ局のみならず、愛犬と一緒に「義犬・華丸」を始めとした史跡探訪の後、しつけ教室を行う「義犬・華丸さるく」をお世話された堤動物病院の皆さんや、『博多華丸』さんの所属される「よしもと」からも華丸繋がりで担当者が来場される等、大村市のキャラクターとして活躍する「義犬・華丸、美犬・華子」にも、素晴らしい門出となりました。

 

堤先生とよしもと

堤動物病院の皆さん、「よしもと」ご担当者、神近市会議員

ご挨拶される副市長

ご挨拶される大村市副市長

関係者による除幕式

関係者による除幕式

小佐々氏会の皆様

小佐々氏会の皆様

 

【堤動物病院 ドッグラン】

 「義犬・華丸」さるくの最終目的地で、しつけ教室の会場になった大村市の堤動物病院のドッグラン。堤清蔵院長が、雑草を自らの手で抜きながら、大きな愛で維持されているドッグランです。設置に当たり、Knotsもアドバイスをさせて頂きました。

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【記念碑落成記念パーティー】 長崎インターナショナルホテル「典麗の間」にて

 一連の行事の最後を飾り、昼食会が開催されました。

小佐々氏会会長 小佐々学先生の主催者挨拶に続いて、本経寺院首 佐古亮尊師、九州大学名誉教授 丸山雍成(やすなり)先生、ご講演を頂いた久田松和則宮司、小佐々氏会名誉幹事 真﨑やす子様のご挨拶を賜り、寛いだ雰囲気の中、『義犬・華丸365回忌顕彰記念碑』関連の一連の行事が無事終了致しました。

なお、翌22日朝6時55分から、NHK長崎放送局のニュースで、除幕式など『義犬華丸365回忌顕彰記念碑落成式典』の模様が放送され、義犬華丸の歴史的意義と共に、「多くの皆様に石像を撫でて可愛がっていただきたい」という小佐々氏会会長のコメントが紹介されました。

本経寺前ご住職

本経寺院首 佐古亮尊師

九州大学名誉教授

九州大学名誉教授 丸山雍成先生

久田松和則宮司

久田松和則宮司

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小佐々氏会 会長 小佐々学 先生