第10回ペットとふれあいシンポジウム 参加報告

第10回ペットとふれあいシンポジウム 参加報告

 

日時:2013年12月7日(土) 13:00~17:00
会場:赤坂ツインタワーカンファレンスセンターホール
主催:アメリカペットフード協会(PFI)様    
内容:第10回ペットとふれあいシンポジウム
テーマ:人と動物のふれあいがもたらす効用を考える

●基調講演
 『子どもと動物のかかわり-子どもの発達と社会化を促す家庭や学校での体験-』
 ブリンダ・ジェガセサン先生(ワシントン大学教育心理学部 准教授)
 子どもと動物のかかわり、幼児特殊教育、動物介在介入(AAI)、動物介在教育(AAE)を専門とする心理学者。家庭や学校での動物とのかかわりが子どもの発達と社会化(社会の文化や価値観、規範などを身につけること)へ及ぼす影響について研究。特に自閉症を含む障害児の発達への効果に焦点を絞り、幼児・学童期における人格教育の育成に動物が果たす役割の重要性を探っている。
(「第10回ペットとふれあいシンポジウム」資料より)

●パネルディスカッション
 座長:左向敏紀先生(日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医保健看護学科臨床部門 教授)
 パネリスト:
   ①安藤孝敏先生(横浜国立大学教育人間科学部 大学院環境情報研究員 教授)
 ②太田光明先生(麻布大学獣医学部 教授)
 ③柴内裕子先生(赤坂動物病院 院長)
 ④濱野佐代子先生(帝京科学大学こども学部 児童教育学科 准教授)
 
―参加報告―

 アメリカペットフード協会様主催の「第10回ペットとふれあいシンポジウム」に参加させていただきました。今回のテーマは「人と動物のふれあいがもたらす効用を考える」ということで、ワシントン大学の教育心理学部で准教授を務めるブリンダ・ジェガセサン先生の基調講演から始まりました。ブリンダ先生はインド人でありながらシンガポールで生まれ、5か国語以上の言語が飛び交う環境でヒンズー教と仏教に触れながら育ったそうです。このような背景から「多文化環境で動物が子どもの発達と社会化に果たす役割」についてお話してくださいました。

IAHAIOのバッジもいただきました!

IAHAIOのバッジもいただきました!

   ブリンダ先生が力を入れていることのひとつに、子ども達の人格教育があります。例えば、動物園の檻の中にいる動物たちからは自然にくつろぐ姿や楽しそうに遊ぶ姿はみられません。サーカスでは人間が動物をコントロールし、不自然な芸をさせて人を楽しませています。イスラム教では「犬がいる家に天使はやってこない、天使が来なければ人の善行が記録されない」という教えから、子ども達の多くがイヌに触ることができません。このような環境で育った子ども達の多くは、これが当たり前のことだと思ってしまいます。
子ども達の道徳的思考には、教師、保護者、ふれあった動物達が影響を与えています。また、情緒的発達、身体的発達、知的発達、社会的発達にも動物は影響します。動物の状態は子どもの状態を表すため、①動物も楽しんで活動すること、②ポジティブな効果で子どもを動かすこと、③環境に配慮して良い状態をつくることがヒューマンアニマルボンドにとって重要であり、これからの未来を背負っていく子ども達を、周りの大人がどのように教育していくかが大切になってくるとお話されました。

熱く語られるブリンダ先生

熱く語られるブリンダ先生

   後半のパネルディスカッションでは、「高齢者はペットを飼うべきかどうか」「学校飼育動物のガイドラインについて」など、参加者も交えて議論が行われました。

(左から)柴内先生、太田先生、安藤先生

(左から)柴内先生、太田先生、安藤先生

  ブリンダ先生は現在、「人と動物の関係に関する国際組織(IAHAIO)」において世界で統一した動物介在のガイドラインを作成中だそうです。柴内先生のお言葉にもあったように、今後はIAHAIOから日本の政府や自治体へとこのガイドラインを推進していただき、人と動物がより良いかたちで共存できる社会へと繋がっていくことが期待されます。

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