新潟県動物愛護センター見学記

新潟県動物愛護センターは、2012年4月に新潟県長岡市にオープンしたばかりの施設です。8月の暑い夏の日に施設を見学させていただきました。

新潟県動物愛護センター入口

 建物外観

敷地面積7,346㎡、延床面積1,415㎡、収容可能動物数は、犬52頭、猫126匹です。施設は、引取り、収容された犬猫を観察する「観察室」、新しい飼い主を待つ犬猫たちがいる「動物飼育室」、しつけ方教室を行う「しつけ体験室」、譲渡犬猫のマッチングやふれあい体験を行う「ふれあい体験室」、この他、研修室、啓発展示室などが一つの建物の中にあり、必要なものが過不足なくコンパクトに設置されているという印象を受けました。

施設案内図(新潟県動物愛護センターホームーページより抜粋)

この新潟県動物愛護センターが、他の自治体の施設と大きく異なる点は、民間企業のノウハウを活用したPFI方式※1という方式によって、施設の設計、建設から施工後20年間にわたるセンターの維持管理を、SPC※2の株式会社と契約しているところです。公共施設の有り様も変化しつつあることを学ぶことができました。
※1 PFI(Private Finance Initiative)
公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。
※2 SPC(特別目的会社)
PFI事業ではサービスの安定的かつ継続的な提供が求められるため、共同企業体に参加する企業の経営状態がPFI事業に悪影響を与えないように、構成企業等が出資してPFI事業を実施するための特別目的会社(SPC)を設立し、親会社から独立性を確保したうえで、SPCがPFI事業を実施するのが一般的です。
【参考】http://www.city.narita.chiba.jp/sisei/sosiki/kyodo/std0023.html(成田市ホームページより)

このセンターの業務概要は三本の柱からなり、一つ目が教育活動の充実「命を大切にする心を育てる」、二つ目が愛護精神の普及「命を大切にする取組をすすめる」、三つ目が適正飼育の推進「命を大切にする社会をつくる」、というもので、これらを新潟県動物愛護センターがコーディネート役となって、民間の公益団体や地域の動物愛護団体と連携し、動物愛護のネットワークを作り実現しようとしています。まさに動物愛護管理行政が将来に向けやるべきことを、拠点となる施設を作り実施しようとしており、これからの新しい愛護センターのあるべき姿がしっかりと見てとれる施設です。
具体的な業務は、他の自治体と同様、狂犬病予防法、動物愛護法及び関係法令に基づく

犬猫の引取り・収容、負傷動物収容、動物取扱業の監視指導、その他適正飼育の普及啓発
業務を担っています。これらの業務のうち、上述のSPCに、施設・設備の維持管理を委託しています。また、愛護センターでは殺処分は行わず、やむを得ず殺処分しなければならない犬猫については、新潟県の別の管理センターで実施しています。

観察室(猫) 

観察室(犬):飼い主不明犬は20日程度保管される

 

動物飼育室(犬)

動物飼育室(猫)

しつけ体験室  

ふれあい体験室

啓発展示室 

ふれあいデッキと芝生広場

新潟県動物愛護センターは、他の自治体では普通に見られる収容犬猫と譲渡犬猫の飼養施設の構造の区別がありません。もちろん、飼養保管される場所は異なるものの、同じ構造の犬猫舎で飼養されています。これだけでも行政の施設のイメージは大きく変わります。さらに譲渡を待つ動物たちが清潔な施設で多数飼育され、スタッフが動物たちのお世話にいそしむ姿が見られます。さらに、適正飼養、動物愛護教育といった目的に応じた施設が備わっているといったところに、他の日本の愛護(管理)センターには少ない欧米の保護施設の雰囲気を感じました。
折しも、この9月5日に改正動物愛護法が公布されました。衆議院の環境委員会では、殺処分頭数をゼロに近づけることを目指して最大限尽力することが決議されています。自治体の愛護(管理)センターは、殺処分施設から保護施設への転換を求められる時代になってきました。今回の訪問により、これからの愛護(管理)センターはこんな風になっていくのだろうな、という将来への期待を持つことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。新潟県動物愛護センターは、新しい時代の先駆けの施設として、日本の動物愛護管理行政をリードしていく役割を担っていかれることと思います。

新潟県動物愛護センター
所在地:新潟県長岡市関原町1−2663−6
TEL 0258-21-5501
URL http://www.pref.niigata.lg.jp/seikatueisei/1332190815987.html
開館時間 午前9時から午後5時まで
休館日  毎週月曜日、12月29日から1月3日
入館料  無料
その他  自宅で飼育している犬猫の同伴可(但し、リードをつけて管理する必要あり)