-基調講演-

市田 成勝氏(大震災動物救護メモリアル協議会 会長)
  

 
阪神・淡路大震災における動物救護について

   早いものであの日から15年を迎えようとしています。死者約6,500名、重傷者10,683名、全壊家屋104,906棟、半壊144,274棟、全焼家屋7,036棟、に及んだ大震災、人間だけでなく動物たちも被災しました。犬4,300頭、猫5,000頭と推定されています。1月20日総理府の要請により「兵庫県南部地震動物救援東京本部」が設立され、1月21日には(社)兵庫県獣医師会、(社)神戸市獣医師会、(社)日本動物福祉協会・阪神支部の3団体及び兵庫県、神戸市の指導、協力のもと「兵庫県南部地震動物救援本部」が設立されました。後にこの5団体が集まって、大震災動物救護メモリアル協議会を立ち上げて今日に至っています。震災当時わたくしは、神戸動物救護センターのセンター長として活動しておりました。まったく思いもしなかった出来事に遭い、茫然自失のなかから動物救護が始まったと思います。動物救護が始まると聞いて、第一に駆けつけてくれた獣医師の馬場先生の御指導には感謝しております。当時の獣医師会のメンバーの半数が半壊以上の損害を被っていました。従いまして神戸市動物管理センター内に救護センターを設立・運営するのは、半数の30名程度で行わなければなりませんでした。突然のことで準備も資金もありませんので、あるものを使うしかありませんでした。西区農協の方からビニールハウスを貸してもらって来て、その方の指導のもとにシェルターを作りました。1月27日から救護センターがオープンすることがマスコミに流れますと、パニックに陥るほど今まで経験したことがないほどの状況になりました。応援に駆けつけてくれたボランティアの方々、他府県の獣医師会のメンバーの方々、愛護団体の方々等と協力してセンターの運営に携わったから、何とか切り抜けられたと思っています。届いた救援物資をテントに運び込んだり、避難所にフードを運んだり、寒い冬の最中廊下でダンボールの上で寝たり、シェルターの綻びを治したり、動物たちの生活を少しでも良くするため、人間だってこれだけ驚いているのだから動物たちはもっと驚き戸惑っているに違いないと、必死にがんばってくれたと思います。動物たちの世話をするのはボランティアの人達、治療するのは獣医師達、それらを支援するのが地元の獣医師会や動物愛護団体で構成されている救援本部であると思っています。

 我々の活動が支援されたのか義援金もたくさん集まり、時期も4月になり気温も上昇し、とても此のままでは居られなくなりました。そこで動物管理センターの上の方に空き地があったので、そこにプレハブ2階建3棟を建設し、新しいシェルターとしました。5月も半ばになって居ましたが、環境は劇的に良くなり、治療件数も激減しました。何か動物たちも生き生きして来た様に見えました。成犬、成猫譲渡にある程度の不安を持っていましたが、1,045頭の動物たちが、新しい飼い主に引き取られて行きました。これがもとになって、動物管理センターでは成犬譲渡も行われるようになりました。被災動物を救護するため(社)兵庫県獣医師会、(杜)神戸市獣医師会、(杜)日本動物福祉協会阪神支部が中心となって、延べ2万人以上のボランティアの支援を得て1年4ケ月に及ぶ動物救護活動を行い、1,556頭の犬猫等を保護し、延べ8,000頭の動物に治療を施すなどの救護事業が行われました。これも皆様方の協力があればこそ出来たことだと深く感謝しております。

 

アドバイザーが語るこの会議の方向性


アドバイザーの皆様からそれぞれ、この会議の在り方及び
今後に向けての豊富が語られます。

植村 興氏(四條畷学園大学教授)

柴内 裕子氏(公益社団法人 日本動物病院福祉協会 顧問 / 赤坂動物病院 院長)

玉井 公宏氏(社団法人 和歌山県獣医師会会長)


山口 千津子氏
(社団法人 日本動物福祉協会・獣医師調査員)

山崎 恵子氏(ペット研究会「互」主宰)