TOP > 啓蒙普及事業 > りぶ・らぶ・あにまるず国際シンポジウム |
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●実施日 |
2003年11月1日(土)13:00−16:00 |
●実施場所 |
神戸ポートピアホテル 本館2F「コスモポリタンルーム」
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●主 催 |
神戸市/NPO法人 Knots |
●特別協賛 |
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●協 賛 |
アサヒビール株式会社/近畿タクシー株式会社 |
●助 成 |
(財)中内力コンベンション振興財団/(株)損保ジャパンちきゅうくらぶ |
●後 援 |
環境省/厚生労働省/兵庫県/
兵庫県教育委員会/神戸市教育委員会/
(社)兵庫県獣医師会/(社)神戸市獣医師会/(財)日本動物愛護協会/
(社)日本動物保護管理協会/(社)日本動物福祉協会/
(社)日本愛玩動物協会/(社)日本動物病院福祉協会/
在大阪連合王国総領事館 |
●座 長 |
山崎恵子氏/ペット研究家 |
●スピーカー |
「話題提供」
『高齢者と伴侶動物の暮らし/英国での現状と課題』
Dr. Elizabeth Ormerod BVMS MRCVS, Chair of SCAS
(Society for Companion Animal Studies/ 英国)
「パネラースピーチ」
館石宗隆氏 /厚生労働省老健局計画課 課長補佐
備酒伸彦氏 /兵庫県但馬県民局但馬長寿の郷
企画調整部 地域ケア課 主査
松田早苗氏 /(社)日本動物福祉協会 阪神支部 副支部長
「パネルディスカッション」
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シンポジウムの記録集が無料でダウンロードできるようになりました。
2003年国際シンポジウム記録集ダウンロード (PDF6.0MB)
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今回は、元気な高齢者と伴侶動物が安心して暮らせる社会システムをテーマにシンポジウムを開催致しました。
本シンポジウムの座長をお勤め下さいましたペット研究家 山ア恵子氏のご紹介により、話題提供をSCAS(コンパニオンアニマル研究会)代表のエリザベス・オームロッド氏より頂きました。
オームロッド氏は、高齢者と伴侶動物が暮らす上での健康的な効果や老人ホーム等の施設に伴侶動物が入ることで得られるメリット等(コミュニケーションの改善や入居者とスタッフのストレスが減る等)をご説明されました。但し、衛生問題他の理由から、動物を入れたくないと考える施設も多く、今後それらの問題を如何に解決していくかが課題のようです。また、高齢者が伴侶動物と暮らす際のサポートとして、一時預かりを行ったり動物を病院へ連れて行ったり、万が一の場合は新しい飼い主を捜してくれるといった活動を行っている団体についての紹介やSCASとBlue
Crossという団体が共同で行っている伴侶動物と死別した際の飼い主へのサポートサービスについてもご紹介下さいました。その他アメリカ、フランス、イタリア等の事例も紹介されました。何れにせよ、高齢者と伴侶動物のよりよい共生を支援していくためには、関わる専門家達の連携による協力や研究が不可欠であるとのことです。
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次に、休憩を挟んでまずパネラーのお一人である兵庫県但馬長寿の郷 備酒伸彦氏より、ケアマネージャーとして実際高齢者をケアされているお立場からお話を頂きました。介護保険等の整備が進み、現在では、高齢者のケアは体のケアでなく、一人一人の多様な価値観に対応して高齢者が楽しく自立して生活していく為のケアが求められているとのことでした。今まではあまり重く扱われなかった伴侶動物との暮らしも、今後重要な位置を占める可能性があることを猫と暮らしておられるご自身のお母様の事例などの紹介も交えてお話されました。
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次に日本動物福祉協会阪神支部の松田早苗氏より阪神・淡路大震災以後、兵庫県及び神戸市が設けた日本初の動物共生集合住宅についてご紹介頂いたり、動物救護活動をされている中で実際に直面された、高齢者と伴侶動物の暮らしの中で生じた問題点等を実例を踏まえて、ご説明されました。実際に問題解決には、動物関係者だけではなく行政、ケースワーカー、福祉関係者等高齢者と伴侶動物を取り巻く専門家達の協力が不可欠であることを強調されておられました。
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最後に厚生労働省の館石宗隆氏より、戦後のベビーブーム世代が65歳以上となる2015年を想定して今後の高齢者介護のあり方が検討されていることをお話頂きました。そして、ご担当である痴呆性高齢者ケアについての現在の取り組み等をご紹介頂く中で、グループホーム(家庭的な雰囲気を特徴とする小規模ホーム)等での高齢者の心身の安定や充実感のある暮らしを維持する為に動物と暮らすということは、場合によっては効果的であるのではないか、とのことでした。お話しの最後に、あるグループホームで暮らす方々の沢山の笑顔のお写真が音楽に乗せたビデオテープによって放映されました。それをご覧になった来場者の方々が涙される一場面もありました。
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その後、座長の山ア恵子氏による司会の下、パネルディスカッションと質疑応答が行われました。
最後にまとめとして山ア氏は、スピーカーの方々からもお話がありましたように、高齢者と伴侶動物を取り巻く様々な専門家が分をわきまえ、知識を提供し、共有し合うことで相乗効果が生まれ、今後の支援体制を大きく前進させることが出来るのではないかとお話され、但し、そこで動物の福祉がなおざりにされてはならないことも強調されました。
今回は、定員を上回る多くの来場者の方々の熱気の中、時間を延長してのシンポジウムとなりました。高齢化社会を迎えて多くの関係者は勿論の事、誰もが自分のこととして今回のシンポジウムのテーマを捉えて下さり、今後あらゆる機会に高齢者と伴侶動物達について、考えて頂けるきっかけとなればと考えます。
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