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主催:
協力:
実施日時:
実施場所:
講演者:
神戸動植物環境専門学校
NPO法人Knots
2003年11月2日(日)11:00〜12:30
アートカレッジ神戸内 9階ジュリアホール
メアリー・ワイアム氏/ SCAS(英国コンパニオンアニマル研究会)前代表
英国ランカシャーアシスタントチーフ保護監察官(9月退官)
 

 今回、SCAS(※1)代表エリザベス・オームロッド氏と共に来日されたメアリー・ワイアム氏による講演会が開催されました。
英国では学校に動物を置く場合、教室内で飼育をします。その際ガイドラインとなるのは、2001年IAHAIO(人と動物との相互作用国際協会)のリオ宣言です。(※2)ワイアム氏は、動物を教室に置くことが教育学的効果だけでなく、生きる技術を子ども達に教えることになることをお話されました。具体的には、子どものやる気、他の命に対する責任感や大切にする気持ち、思いやりを育む等の効果があるとのことです。また、その他に教室に動物がいるクラスの方が学校の出席率が良いというデータが出ていたり、動物が子ども達の精神状態を落ち着かせ、クラスの連帯感が生まれる等の報告もあるとのことでした。但し学校に動物を置くにあたっては、まず、保護者、先生、セラピスト、獣医師他の連携、協力が不可欠です。そして、優良なブリーダーや獣医師の協力の下、その教室に適した動物を選ぶ事が大切であり、置いた後も適性を観察したり、獣医師による定期的な動物の健康チェックや休日の管理等が必要となるとのことです。
ワイアム氏は興味ある一つの例として、アメリカの学校で犬に向かって子ども達に本を読ませるといったプログラムがあることを紹介されました。内気な子ややる気のおきない子が犬に向かって本を読んでいる内に、限界や恐怖心を克服でき、子ども達に自信がついて笑顔が増えてくるとのことです。
日本でも、少しずつ様々な取り組みが始まってはいるようですが、ワイアム氏も述べておられるように子どもを取り巻く様々な専門家の方々の理解、協力、連携は不可欠のようです。イギリスの現状や取り組みをお伺いできた大変貴重な機会となりました。

 

 

 

※ 1 コンパニオンアニマル研究会(SCAS) WEB SITE: http://www.scas.org.uk/
コンパニオンアニマル研究会(SCAS)は1979年、英国と米国の複数の医師、ソーシャルワーカー、獣医によって、人間とコンパニオンアニマルとの関係の関心を高めるために設立された。設立当初より、SCASはヒューマン アニマル ボンドについての研究を推進し、意識の向上に大きく貢献し、情報提供や最新の発見などを出版してきた。SCASには現在、あらゆる分野の健康やソーシャルケアの専門家400名以上のメンバーがいる。
  SCASは現在もたくさんのプロジェクトを進めている。






会議  2003年10月 「子どもと動物と市民社会」
働く動物(警察犬、軍用犬など)についての会議  2004年春
第10回IAHAIOヒューマン アニマル インターアクション会議
「人間と動物:永遠の関係」2004年10月
老人とコンパニオンアニマルに関する様々な研究プロジェクト
子どもとコンパニオンアニマルに関する両親、教師向け出版物
健康やソーシャルケア施設における教育やセラピープログラムで働く動物の福祉についての調査 − コンパニオンアニマル福祉カウンシルとの共同プロジェクト
※ 2 IAHAIOリオ宣言・・2001年9月にIAHAIO(人と動物の相互作用国際学会)のリオデジャネイロで開催された総会で、学校における動物介在教育に関する基本的ガイドラインを決議、採択しました。
IAHIO リオ宣言(2001)
1. 動物介在教育に関するプログラムでは、教室で動物に触れ合えることが認めなられなければなりません。また、学校の規則や施設によってこれらの動物は下記のいずれかの条件を満たしている必要があります。
 
a) 構内において適切な環境のもとで飼育されている。
b) 教師によって学校へつれて来られる。
c) 訪問プログラムという形態のもと、飼い主同伴で訪問する。
d) 障害をもつ子どもの介助犬として同行する。
2. 子どもとコンパニオンアニマルに関するいかなるプログラムも下記の条件を満たす必要があります。
 
a) プログラムにかかわる動物が、
 
1) 安全であること(適正があり、正しく訓練されている)
2) 健康であること(獣医師による健康診断を受けている)
3) 学校環境に適応する準備ができていること(子どもに馴れている、移動に馴れているなど)
4) 適切に飼育されていること(学校でも、家庭でも)
5) 動物飼育に対して知識ある成人の管理下にあること(教師または飼い主)
b) 学校内の子どもの安全・健康・感情が、尊重されている。
3. 上の基準を満たす動物による介在教育の実施者は、教室で動物を飼育する前または訪問プログラムを実施する前に、学校当局と保護者の双方に対して、動物介在教育の重要性について理解を得ておく必要があります。
4. 明確な学習目標を設定する必要があります。それには、以下の事項に留意することが必要です。
 
a) 学校カリキュラムの様々な面で子どもたちの知識や学習意欲を向上させること。
b) 人間以外の生き物を尊重する心と責任感を育てること。
c) 子どもの一人一人がそのプログラムに関わっているかどうか。しかし、感情の表し方は子どもによって違うことを考慮すること。
5. プログラムに関わる動物の安全と福祉は、つねに保障されなければなりません。
 
 JAHA © Gen Kato 2002
 

りぶ・らぶ・あにまるず国際シンポジウム2003
高齢者と伴侶動物の楽しい暮らし
(エリザベス・オームロッド氏関連シンポジウム)



第1回兵庫県動物愛護センタースペシャルレクチャー
『人と動物の絆 “ヒューマンアニマルボンド”
の多様な可能性』

(オームロッド氏 ワイアム氏関連シンポジウム)


 
 
      
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