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   第6回 お散歩解禁



● 平成12年6月26日(生後90日目)
  飼い主の心配をよそに、すっかり元気なねねである。
仕事が忙しいこともあって、とても疲れていたので、今日は実家に置いて帰ることにする。快く引き受けてくれる両親に感謝である。
        

 

● 平成12年6月27日(生後91日目)
 今日も仕事で遅くなる。そんな私でもねねはしっぽをぶんぶん振って喜んで迎えてくれる。1日のうちで一番ほっとする瞬間でもある。相変わらずイタズラは激しさを増すばかりであるが、ひとしきり遊んだ後は、台所で料理をする私の足下でおとなしくしている。
そんな時にたまらなく愛おしさを感じる。
 そろそろ「ふせ」を本格的に教えることにする。フードで「ふせ」の姿勢へ誘導し、クリッカーと号令の後付けで「ふせ」の姿勢と
「ふせ」という言葉を結びつけるようにしているが、やはり「座れ」より時間がかかりそうである。まあ、あせらず、楽しくやるとしよう

 

● 平成12年6月28日(生後92日目)
 もう少しで寝坊するところであった。犬なんだから、飼い主を起こしてくれてもいいんじゃないの?
相変わらず、私のそばから離れようとしない。私が動くとねねがついてくる。お風呂に入っている時さえ、戸の前で待っている。私が一緒じゃないと一頭では寝ようとしない。私の足下で仮眠体制に入るだけ。と言っても、仕事にいく時は結構サバサバした様子で見送ってくれるので、分離不安の兆候でもなさそうだし、これはねねの個性かキャバリアの性格か。
嬉しい反面、ちょっと心配でもある。

 

● 平成12年6月29日(生後93日目)
仕事が早く終わったので、犬グッズを物色しに行く。ねねが喜んで遊んでくれて、かつ安全なおもちゃをと思うと、ついつい時間がかかってしまう。一昔前に比べればずいぶんとペット用品は充実してきたが、まだまだ外国に比べて値段も高くて種類も少ないように思う。今日は特に目新しいものがなかったので、最初からの目的であったつめをとぐヤスリだけ買って帰る。

 

● 平成12年6月30日(金)(生後94日目)
 仕事が一段落したこともあり、飲み会があったため、かなり酔っ払いながら迎えにいく。いつものごとく激しく遊びに誘うねねの相手をしながら、いつのまにか寝てしまっていた。気づいたときには、床に置いてあった雑誌がびりびりに破かれて、紙くずが床に散乱していた。
 帰宅した旦那に「ちゃんと面倒みれないのなら、連れて帰ってくるな!」と怒られる。確かにその通りである。
紙だったからよかったものの、危険なものだったら大変な事故につながりかねない。反省しよう。

 

● 平成12年7月1日(生後95日目)
 さて、今日から本格的な散歩をスタートすることにする。獣医さんからは、2回目のワクチンを打って2週間たったらお散歩解禁です!と言われたのだけど、3ヶ月に入り、社会化を考えるとこれ以上待つのはよくないだろうと判断し、ワクチンを打ってから1週間という今日を解禁日に決めた。といっても、犬のあまりいない公園には毎日連れていっていたので、飼い主の緊張とは裏腹に全く怖がる様子もなく、いつも通り大はしゃぎのねねである。
  ねねを見てて思うのだけど、この仔は新しい物事に対してかなり寛容である。怖がるとかちゅうちょするということが全くない。
とてもいい仔をチョイスしてもらったと今さらながらブリーダーさんに感謝する。
 さて、散歩であるが、近くの河川敷に行くことにする。歩き出して気が付いたのだが、父が右側について歩く習慣をつけていたことが判明する。これは気長にでも確実に左につくことを覚えさせなければいけない、ということでごほうびを左手にもって、ねねを左脚側に誘導し、そのままごほうびを鼻先につけながら歩くという方法をとることにする。ただ、この方法は私がかがみながら歩かないといけないので、疲れるという難点があるけれど。まあ、じっくり除々にやっていくことにしよう。
 散歩から戻ってきて、一休みしてから、パピークラスに行く。今日は電車で出かけることにする。電車は2回目だけど、もう慣れたもので、キャリーバックの中でグーグー寝ている。
 今日のクラスは4頭出席で、ラブラドールとプードルとシュナウザーであった。いつもならみんなと取っ組みあって遊ぶのだけど、ラブラドールの激しさにかなりとまどっている様子で、いっしょに遊ぼうとしない。今までこんなことはなかったのだけど。
 さて、クラスは宿題ができているかどうかの確認から始まった。アイコンタクトはあまり自信がなかったのだけど、何とかできた!ねねは外面がいいのかなあ?
 次に「すわれ」のおさらいといして、イス取りゲームをした。音楽が鳴っている間、イスの周りを歩き、音楽が止まったら「すわれ」をさせて、ちゃんと座ったら飼い主がイスに座るというものであるが、結構エキサイティングしてしまった!
 パピークラスは、ねねの社会化にと思って参加したのだけど、気が付けば、飼い主である私が結構楽しんでいる。
犬と一緒に楽しむことをまた一つ見つけたような気がする。

 

● 平成12年7月2日(生後96日目)
 今日も昨日に引き続き河川敷にお散歩に出かける。信号で座る、左脚側につけて歩かせることに注意を払う。といっても、あまり神経質になると、せっかくの散歩が楽しくなくなるので、河川敷に行くまでがレッスンタイムで、河川敷に着いたら自由に遊ばせることにした。成犬にも出会ったけど、あまり構ってもらえない。まだ小さすぎて興味をもってもらえないのかなー。
でも、ねねを見ていると基本的な犬同士のごあいさつはできているようなので、とりあえず安心する。
 さて、今日は初めてのお風呂に入れる。これまでも足を洗うときに十分にほめて、怖がらないように気をつけていたけど、今回もほめながら、尻尾から除々にぬるま湯をかけていく。そんな飼い主の気遣いなど全く関係ないかのように、ねねは実に気持ちよさそうにじっとしている。またもやねねの寛容さに驚くばかりである。
 お散歩とお風呂で疲れたのか、それからぐっすり眠る。なかなか充実した一日だった。