アドバイザーメッセージ 植村 興氏(四條畷学園大学教授)
Bo、覚えやすい名前ですね。ワシントンのオバマ家の家族の一員に加わったポルトガル・ウオター・ドッグに娘さんがつけられた名前です。4月17日のお披露目までの経過は、少し大げさかもしれませんが、世界最大の関心事のひとつでした。大役を担うファースト・ドッグ選定の紆余曲折ぶりは、一般家庭に犬、猫やヘビなどの動物を家族の一員に加える際に生じる諸問題と共通するものでした。 1)多くの子供は家で動物を飼いたいとねだります。その際、家族、特に両親は、飼育管理の負担と得られるメリットとを比較検討して諾否の判断をするのに大変苦労します。2)動物による危害防止の問題です、Boの場合、毛が抜けにくい犬種としてアレルギー防止上有利である理由で選定されました。3)入手時の迷いです。報道によりますとオバマ家ではシェルターからもらい受ける意向でしたが、結局、知り合いのエドワード・ケネディー上院議員から譲り受けたそうです。選考には3か月以上かかりましたが、初めて犬を飼う家庭でもこれぐらいの時間は要するでしょう。 米国大統領といえば、時に国家や人々の命運を決めるような決断をされます。その挙動や一声に対して、人々は極度に張り詰めた気持で注目します。ファースト・ドッグはその緊張感をほぐしてくれるのに大変役立っています。重要発表の前に、大統領が愛犬と戯れられている映像を見せられると、血圧が何十も下がるものです。チェンジのオバマ大統領も、米国大統領が犬を友とする伝統を変更されなかったのも、もっともなことです。 (NPO)Knotsの仲間は、動物達がいろいろな分野で現代人の福祉の向上に貢献していることに感謝し、動物の福祉の向上に役立つことを願っています。そして動物の能力を開発し利用している数多くの先駆者に国内外から集まっていただき、ともに学び、その結果を世界に向けて発信してきました。その場が、りぶ・らぶ・あにまるず国際シンポジウムであり、9回目を迎える今年、国際会議として開催されることになりました。 今回も、多くの方々のご支援を得て盛りだくさんのプログラムを用意していただきました。参加者の皆様が一体となってこの伝統あるシンポジウムから一歩進んだ会議を盛り上げていただき、人と動物とのきずなが一層深まることをお祈りいたします。