アドバイザーメッセージ 玉井 公宏氏 (社団法人 和歌山県獣医師会会長)
会議開催に向けてのメッセージ
家庭で飼育される伴侶動物はもちろん、動物園で展示される動物、小学校やなどで飼育される動物、人の糧ともなる産業動物、人の生存環境を取り巻く野生動物・・・。避けては通れないこれら動物と人との様々な関係について、総合的に、真正面にとらえて問題提起し議論していこうとするこの会議の意義は大きい。 それぞれの分野でhuman-animal-bond を基にした業務・研究・活動をされ、素晴らしい成果を上げている皆様が一堂に会すこの会議では、他の分野での取り組みにも触れ合うことで相互に良い影響を得ることができ、そのエネルギーもアピール度も相乗的に増すことができる。 人と動物との共生という言葉そのものに人の驕りなど違和感を覚える方も居られるかも知れない。しかし、人にしか果たすことができない責任を考えるときに、それが驕りではなく、むしろ謙虚さに裏付けられた勇気を持った優しさであることに気付いて欲しいと願っている。 多くの人に、素晴らしい共生のパートナーである動物達に対してより良い責任の果たし方について考えていただけるよう、また、人の視点だけで捉えがちな様々な問題に動物を介在した切り口から入り込むことによって、優しさや思いやりの気持ちを伴った視野の広い解決策が引き出せるきっかけになるように、この会議の果たす役割に期待している。