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2004年10月6〜9日まで英国のグラスゴーという都市で第10回IAHAIOの会議が開かれました。
IAHAIOレポートについては、こちら→ IAHAIO Glasgow 2004 レポート
Knotsは、その会議に参加した後、英国のSCAS(The Society for Companion Animals Studies)代表のエリザベス・オームロッド氏のご招待により、南スコットランドのGatehouse
of Fleet にあるオームロッド家のコテージを訪れることになりました。
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【スコットランドについて】
イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド4カ国からなる連合王国です。スコットランドは、5世紀末にアイルランドから渡って来たスコット族が先住のケルト系ピクト人の国を併合し、10世紀頃に打ち立てた王国で、その後イングランドの侵攻を受けた後、18世紀にイングランドに統合されました。スコットランドの伝統文化の根底にはクラン(氏族、ゲール語で同じ祖先を持つ人々のことを意味する。)制度があり、有名なタータンのキルトもクラン独自の柄があるそうです。
これら伝統文化の弾圧は、イングランドの侵攻後19世紀半ばまで続いたそうです。現在、スコットランドは独自の紙幣を持ち、司法や教育制度もイングランドとは異なります。国民の中には、スコットランド独立を叫ぶ声が依然として根強く残されているとのことです。
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【オームロッド家のコテージ】
Gatehouse of Fleet 【上記地図参照】は、小さな美しい村で英国でも別荘地として大変人気の高いところです。
グラスゴーからは、車で高速道路を使って約1時間30分ほどかかります。
オームロッド家のコテージはこの村にある古城Cardoness Castle の近くにあります。
周辺にはナショナルトラストのピクニックエリアやPublic Footpath と呼ばれる公共の散策エリアもあり、素晴らしい風景が楽しめます。
コテージでは、オームロッド氏のご主人、エドワードさんとボーダーテリアの愛犬RONAが出迎えて下さいました。
コテージの周りではウサギや様々な野鳥、そして時には鹿を見ることも出来ます。
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オームロッド家のコテージ
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【周辺散策】
Gatehouseの町は、かつて18世紀の終わり頃には、「南のグラスゴー」と呼ばれるほど、紡績工場、真鍮の鋳造所、醸造所、石鹸工場などが立ち並ぶ産業都市でした。現在では、これらの工場はなくなっており、歴史はビジターセンターで見ることが出来ます。
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Gatehouseの町
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町の周辺には見渡す限り美しい丘陵地が広がっています。
公共の散策エリアをオームロッド家の皆さんにご案内して頂きました。
丘陵地をどんどん登っていくととても見晴らしの良い場所に出ました。遠くには海も見えます。
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この丘陵地には私有地に沢山の羊や牛が放牧されています。
私達が歩いているとこのように興味津々の顔で見つめられます。また、遠くに見える白い点々は羊達です。
羊も幾つか種類があります。顔が前面真っ黒のタイプは、Suffolk punch sheep と呼ばれる羊です。一部が黒いものはScottish Sheep と呼ばれています。
放牧されている羊達も丘陵地の上の比較的傾斜がきつい場所には安価で丈夫な羊が放牧され、なだらかな場所には高価な羊が放牧されているそうです。羊の体には蛍光のスプレーでマークがされている場合があります。何の印か尋ねたところ、ラムにする場合の時期がそのマークで分かるとのことでした。 |
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遠くに見える羊達
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何時間かの楽しい散策でしたが、RONAは殆どノーリードでつかず離れず私達の案内を務めてくれました。
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夜は町のレストランでスコットランドを代表するお料理の一つHaggis(羊の内臓や舌、脳みそなどのミンチに、玉ねぎやオートミール、スパイスを加えて、羊の胃袋に詰めて蒸したもの。)を頂きました。癖がある味なので、好き嫌いが分かれるようですが、美味しく頂きました。 |
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【スタンドストーンと海】
近くには、Cairnholy とよばれるスタンドストーンがあります。
これらは、今から6,000年〜4,000年程前の新石器時代に立てられたお墓だそうです。石はジェダイという大変美しい緑の石で、アルプス地方に見られるものとのことです。どのようにしてここまで運ばれたのでしょうか。これらの石群は、持ち主の力や富を現した象徴だそうです。
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スタンドストーン(Cairnholy)
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この時期のGatehouseは夜は10℃以下に冷え込み、この日もお天気は良かったですが、気温はさほど高くありませんでした。
そんな中海岸の散策にでかけた折、なんとRONAは、投げられた棒切れを拾いに寒い海の中に飛び込んでしまいました。
見ているこちらはびっくりしましたが、彼女は一向にひるむことなく楽しそうに何度も棒切れを拾いに飛び込んでいました。 |
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Gatehouseの海岸
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【Cardoness Castle】
コテージ近くの古城です。McCullochs 家が15世紀に建てたものです。このお城にも領主達の数々の栄光や悲劇の歴史があります。それ故、お城を訪れた人々の中には幽霊に遭遇してしまう人もいるそうです。スコットランドにはこのような古城が至る所にあります。
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【Kirkcudbright】
近くの比較的大きな街に買い物に出かけました。発音が大変難しい名前の街です。
魚や野菜などを売っているお店ですが、お店の壁には可愛い猫の写真が貼ってありました。この猫はこの界隈でとても可愛がられていたマスコット的な存在の地域猫だったそうです。
エリザベスさんがSCASのニュースレターで紹介するとおっしゃっていました。
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Kirkcudbrightの街
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【Scotland’s Dog Friendly Holiday Destination】
スコットランドと言えば、スコッチテリアやウエストハイランドホワイトテリア、ボーダーコリーなどの犬達の生まれ故郷です。
そして、Scottish Borders と呼ばれる地方では、犬連れの観光客を歓迎するこのようなパンフレットが作られています。パンフレットの中には、観光地の紹介や犬と泊まれる宿泊先、動物病院、ペットショップ、美容室、犬舎のリストなどが載っています。
詳しくは、こちら → http://www.visitscottishborders.com
3泊4日という短い滞在でしたが、スコットランドの美しい風景を楽しみ、そして少しだけですが伝統文化に触れることの出来た貴重な体験となりました。 |
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【London Harrods Italian Fair】
最後に飛行機の乗り換えの為、ロンドンに少しだけ滞在しました。
おなじみのハロッズでは、既にクリスマスグッズコーナーが設けられていました。
また、全館でイタリアンフェアが行われており、イルミネーションはイタリアの国旗の色に、ペットショップでもイタリアの犬達(ボロネーゼ、ベルガマスコ)が紹介されていました。大変愛想の良い子達でした。 |
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ハロッズのイルミネーション
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今回、お邪魔したオームロッド家でイギリス人の人と犬との付き合い方を学んだように思います。犬は勿論家族の一員ですが、決して擬人化されることなく、犬として大切にされています。彼女には、暖炉のそばのテーブルの下にとても居心地の良い専用のベッドが置かれ、そこが彼女の定位置です。幾つかのコマンドをしっかり聞き分け、飼い主には大変忠実です。そして、スコットランドの美しい広大な丘陵地をわが庭のように駆け回るのです。伸び伸びと走るRONAの姿を見て、都会の小さな家の小さな庭で暮らしている愛犬のことを考えていました。 |
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