2007年7月8日(日)13:00〜16:30
まず冒頭に、Knots理事長冨永より、このシンポジウムについてご紹介させて頂き、シンポジウム開催にあたりご支援、ご協力下さった皆様へ御礼申し上げました。改めて厚く御礼申し上げます。本当に有難うございました。 また、株式会社神戸ポートピアホテル様が共催の一環としてご用意下さった丹波鹿を使ったランチコースをご案内致しました。 → 神戸ポートピアホテル期間限定「丹波鹿」ランチコース
次に、主催者を代表して井戸兵庫県知事よりご挨拶がありました。 動物被害対策や奥山(森林)管理の適正化を進め、動物と人との生息空間管理の整備手法を確立する研究機関として今年の4月に兵庫県森林動物研究センターがオープンし、今後は調査・研究のみならず指導者育成にも務め、ワイルドライフマネージメントの拠点として活動を展開して頂きたいとビジョンを述べられました。県のトップ自らが来場され、力強く兵庫県における野生動物との共生へ向けての施策の方向性を示され、この問題が兵庫県においていかに重要な問題であるかを再認識し、参加者は大変心強く感じておられました。 また、会場に入られる前に、井戸知事も美味しく丹波鹿のランチコースを召し上がられ、会場の皆様にもお勧め下さいました。
横山氏(兵庫県森林動物研究センター)は「シカ肉の利用に必要な衛生対策について」発表して下さいました。 2003年に兵庫県でシカ肉の生食が原因でE型肝炎が発症した時、県が行った調査として、ニホンジカ140頭において、E型肝炎ウイルスの保有調査を行った結果をご報告頂きました。結果、全ての検体において陰性(E型肝炎に感染していない)であったこと。さらにシカが感染しても、非常に低い感染率であり、感染歴があるシカについても、頭数的に兵庫県が特に発生頻度が高いという訳でなく、他県との差異は認められなかったこと。むしろブタにおいて高い感染率が認められており、一般的にブタ肉は加熱して食するという意識が浸透しているのと同じように、シカ肉についても十分な加熱調理することにより、熱に弱いE型肝炎ウイルスは死滅するので、安心して食べることができるとシカ肉の安全性について話されました。かつてシカ肉は危険だという風評被害もありましたが、研究者である横山氏のこの発表は、シカ肉の安全宣言と受け取ってよいものと思われました。また処理を行う上での衛生管理の徹底といった、むしろ食肉衛生の重要性を強調されました。家庭で肉を調理する場合でも、シカに限らずウシブタなど全ての食肉において、肉を切った後の包丁やまな板はしっかり洗うことや、食中毒を避ける為には、加熱処理が必要という基本的なことが大切なことを、改めて感じました。 → 日本に生息するシカのE型肝炎ウイルス抗体保有調査
・丹波ニホンジカ(冷凍シカ肉) ・ひょうご二ホンジカ(シカのおやつ) ・播州宍粟ジカ(シカのおやつ) ・おおち山くじら(イノシシのおやつ)