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 今回でノッツからカウアイヒューメインソサイエティに訪れるのは3回目になりますが、私は今回初めて訪問させて頂く事が出来てとても感動致しました。その事をレポートさせて頂きますが英語能力に問題有りのため詳しく知りたい方は事務局までお問い合わせ下さい。
 
まず、私達を迎えて下さったのはDrベッキーとその足下には2頭の可愛いワンちゃんでした。1頭は前回も紹介したステラちゃん、もう1頭はカトリーナハリケーンの災害地に入ったときに助け出されたサリーちゃんでいつもDrベッキーと一緒に行動していました。


 まず、施設見学をさせて頂いたのは鳥類を扱うエリアで9月に来たばかりのメアリーさん(SOS−Save Our Shearwaters− Coordinator)が説明をして下さいました。
Shearwater−海を切り裂くように切り立った崖のことで、そこに生息する海鳥達の保護に取り組んでおられます。カウアイ島は、海鳥の重要な営巣地でもあり、保護区もあります。今年から、カウアイヒューメインソサイエティが、責任を持って、保護プログラムを展開することになりました。9月半ば頃から飛来してくるNewell's Shearwaterは、月の光を頼りに行動するのですが、照明や車のヘッドライトの影響で月を見失い、地面に落ちてしまう鳥が後を絶ちません。
 そのままにしておくと、車にはねられたり、犬や猫に襲われるので、その鳥を保護し、収容します。過去には、年間2000羽ほどが保護され、91%が野生復帰しています。住民達にも収容の協力を呼びかけており、保護したNewell's Shearwaterは、各地の消防署に持ち込まれ、そこから、カウアイヒューメインソサイエティに届けられるようになっています。野生動物ですので、保護ケージも床材に工夫し、滑らない様にゴムのネットが張ってあったり、餌も、生の魚を大きな水桶(馬の水飲み用のもの)に放し、自然の状態と同じように食べて貰います。弱って、それが出来ない鳥には、フラミンゴの強制給仕と同様に、注射器の先に管が繋がっているものを利用し、その餌にはビタミンを入れたりと細心の注意を払っている様子が分かりました。
また、崖を好む海鳥達は、着陸するのがあまり得意ではなく、飛び立つ為に向きを変えるスペースも少ないので、真っ直ぐに入って上部の開口部から出ると鳥の向きが変わっているという箱の設置にも尽力されているそうです。 この保護プログラムの費用は、地元の電力会社が負担されています。


   

 ドッグトレーニングの教室が丁度始まっていましたので見学させて頂きました。
 初心者のアジリティークラスの様で飼い主もワンちゃんも楽しそうに進められていました。勿論、ワン達はカウアイヒューメインソサエティーからのアダプションされた犬達も居てドッグランやしつけ教室に参加したり、関わりがずっと繋がっているところが素晴らしいです。

 この施設で使われているフード倉庫ですがトレーラーハウスの様な大きな建物にフードが山積みされていましたが販売用・アダプション用・シェルター用としっかり区別されていました。虫やねずみ被害対策もしっかりしてあり品質も保たれていました。

 

 

 施設の中庭には真ん中に大きな木が1本有って芝生が綺麗に手入れされていてその木の周りには寄付で作られたタイルがはめ込んであってとっても和む雰囲気があります。
 その周りに、真っ白い塀がありますが良く見るとその塀の高さが違っていました。低い塀は、ダプションエリアやマッチングルームになっていますが 高い塀は、来たばっかりの犬達の気が散らないように配慮されていました。 また、各部屋は前回のレポートでも詳しくあるので割愛しますが印象は綺麗で臭いも無くどこも清潔感が有ることでした。
 朝6時からスタッフが楽しそうにせっせと掃除をしているのが印象的でした。基本的に2回の大掃除とその都度の排便排尿の処理をするそうです。廊下のあちこちに手を消毒する装置が配置されていて常にスタッフやボランティアの手を清潔に保たれる様になっていました。朝10時に施設がオープン、来客がある迄にきれいに掃除するのだそうです。

分類方法(収容されて来たワン達の性格を分類する方法)
MYM(Meet Your match)

 色別に分類されていることであなたに合った犬は何色のワンかがすぐ分かるものでした。見た目では分からないワンの性格が良く分かる様になっていてbusy beeの札がかかっているワンを見ると思わずそんなんだ〜って笑いが出てきました。

緑チーム
 life of the party → 何でも楽しめちゃう型
 free spirit → 自由独立型
 go-getter → 人生行け行け型

オレンジチーム
 wallflower→ シャイで控えめ型
 goofball → お気軽能天気型
 busy bee → いつもガサゴソ多忙型

紫チーム
 constant companion → いつもそばにいるよ型
 couch potato → ちょっと怠慢型
 teacher's pet → 先生のお気に入り型

ホースセラピー(子供向け)
 Drベッキーさんの御厚意でブランニュープログラムのホースセラピーに参加させて頂くことが出来ました。
ホースセラピー専門の団体(Therapeutic Horsmanship of Hawaii)代表のカレンさんは、(ソーシャルワーカー&カウンセラー)でとても明るい印象の方でした。
 その他に、スタッフは9名(私が数えただけで)ほどいて馬は4頭そのうち2頭はポニーでした。 何故か、人なつっこいジャックラッセルも1頭参加です。 まず、始めにスタッフの自己紹介があり全て女性でした。 次に、馬についてタッチの仕方や馬のすぐ後ろを歩かないなど注意事項の説明がありその間には、屋外で暑いためストローハットのサービスも忘れません。
 次に、グルーミングの仕方ですがブラシのかけ方、蹄の掃除など実際にスタッフがやってから参加したお子さん達にも優しく手ほどきをしていました。 この時、お子さん達は初めて馬に接する事になりますがそれまで勝手に話していた子が集中する様子がうかがわれました。
 そんな時、今回初めてホースセラピーが行われたというのでスタッフの方がカップケーキを焼いて来て下さり参加者に配られました。私達も戴きとっても美味しかったです。その他、ドリンクサービスもあり終始和気藹々といった雰囲気作りはさすがだなと思いました。
 その頃になるとお母さんがいなくなるとママママと叫んでいたお子さんも興味は馬に引きつけられているようでお母さんから離れてスタッフだけでも馬に乗ってご機嫌な様子が見られました。馬に乗るコースも柵の外へ行ったりと変化に富んでいましたし、最後には、簡単なゲームもあり更に集中力が増していました。また、お子さんだけではなくお母さんも馬に乗らせてもらって楽しそうでした。私達にも乗って見ませんかとお声をかけて下さり、何だか癒やされムードが充満したプログラムでした。


ボランティアプログラム
 今回は、もう一つ参加させて戴いたのがボランティアをしたいと思っている人たちが受ける講座です。(9名の参加者が有りました)
 担当は、シェリーさん。始めに自己紹介がありましたが年齢、性別も様々で犬好きの方から実際に仕事として関わっている方まで幅が広いと思いました。
 中には、軽犯罪を犯した人がこの施設でボランティアをするように、コミュニティーサービスで来られている方もいました。参加された方には、所定の用紙に名前を記入しボランティア・マニュアルというテキストが配られます。

ボランティアマニュアル
 この施設は、非営利団体で虐待防止の為に1952年に設立され24名のスタッフとそれを支える数百人のボランティアがいます。
 毎年1,000頭以上のペットに新しい飼い主を捜し2,800件以上の避妊去勢手術しマイクロチップの挿入を施しています。

  実際にどんな仕事をしているのかの説明。
  ・譲渡と飼い主さんのサポートプログラム
  ・動物虐待とネグレクトの調査
  ・検疫サービス
  ・24時間体制の動物レスキュー
  ・咬傷事件の防止
  ・居住者の為の避妊去勢手術クーポン
  ・無料避妊去勢手術(低所得者対応)
  ・野良猫の避妊去勢手術
  ・道路上での死体の移動
   等々。

 安全な動物の扱い方が犬、猫、ウサギと動物別に図解で丁寧に載っていました。
 また、ボランティアは仕事内容別に分かれています。
  ・Dog Buddy
  ・Cat Cuddler
  ・Front Desk Assistant
  ・Foster Care Volunteer  など10項目も有りました。


VIDEO
何故、このような活動をすべきかを理解するためにVIDEO放映がありました。
チラシも、配られていました。

 Overpopulation (数の増加は大きな問題)
  猫の場合
   2匹の猫が7年後には420,000匹。
  犬の場合
   2匹の犬は6年後に69,000頭に。

  「ひと1人に対して15頭の犬 45匹の猫が生まれている。」
  (For Every Person That is Born 15 Dogs And 45 Cats Are Also Born)
  里親を捜すだけでは、問題解決になりません。 避妊去勢手術をするべきです。

このビデオは、注射による安楽死の場面も出てきます。見た後には色々考えさせられますがあなたが協力をするもしないもあなた次第です。と言う説明がありました。それは、やるしかないでしょうって感じになります。
ビデオはシカゴの動物虐待防止協会が‘90年代に作成したものですがいまだに、一番分かりやすいという理由で使われています。
その後に、施設内の見学が有りました。

 

HAWAIIAN HUMANE SOCIETY 訪問
 今回は、オアフ島にある施設も訪問させていただきました。カウアイ島と違って大都会のオアフでは広大な敷地にと言うわけには行かず、 敷地面積などからすれば日本と何だ変わりないかも知れません。
 
出迎えてくださったのは社長のパメラさん 、初めてにも関わらず、笑顔で施設の中を案内して下さいました。
 まず、目に付いたのが大きなポリバケツに入った亀さんでした。
この亀さんもアダプションされるそうです。

 建物のほぼ中央に手入れが行き届いたグリーンが一杯のガーデン。そこは、 一般の方々が愛犬を連れて遊びに来られるドッグランで中には大きな滝&プールが有りました。この滝は、寄付で出来ているそうです。丁度、ニューファンが気持ち良さそうにプールに浸かっていました。

犬舎と猫舎
 施設は、歴史があるため古い感じがしましたが床は綺麗に掃除が行き届いていましたし、どこでもボランティアの方が沢山いて目が行き届いている感じでした。猫舎の塗装は、舟に使う塗装を使用しているそうです。
 沢山の、マッチングの家族が猫舎に入り猫と戯れていました。 大型犬は、殆どジェントルリーダーを付けていました。 中には、弁護士のボランティアさんがまだ来たばかりのワンちゃんにクリッカーでトレーニングを一生懸命されていました。

 別棟には、1日中各地からレスキューなどの電話に対応しているところや獣医さんやAHTさんが避妊去勢をするところがあって廊下には、手術の順番を待つケージが並んでいました。
 毎日、これだけの手術をこなしていればオーバーポピューレーションの問題もドンドン解決していきそうだと思いました。

 最後に、図書館でお話をお伺いしたときに、設立110周年だった2007年のアニュアルレポートを
紹介していただきました。
そこには、設立に関わるお話や問い合わせの内容や実際にケアーした頭数などが!
◎2007年電話相談実績
 レスキューと緊急。 1,519件
 虐待調査。 1,287件
 放し飼いと危険犬。 582件
 犬がほえること。 2,218件
 咬傷事件。 318件
 危険な犬調査。 318件
 猫迷惑。 41件
 ペットショップ検査。 41件
◎シェルターケア
  helen kinauによる寄付のおかげで、愛護協会は、kakaakoの動物の避難所として、
1925年にそのドアを開け。ほぼ5,000匹の猫と犬をその最初の年に迎え入れました。

現在の受け入れは、年間  

15,168

犬  8,631
その他小動物 3,485
Total 27,284

譲渡件数  

2,488

犬   3,020
その他小動物 754
Total 6,262

避妊去勢数  
行政のプログラムによる
開業獣医師による手術

5,264

野良猫 2,839
Total
(猫、犬、うさぎ、モルモット)


6,262

運営費関係収入
 
運営費関係支出
 
 以上が今回のシェルター見学のレポートです。
 最後に、印象に残った事は地域住民に浸透していていると言うことでした。
 それは、人里離れたビーチで知り合った犬連れのお兄さんも知っていたし、お土産を買いに行った店のオーナーも知っていたり、その娘さんも休みの日にはボランティアへ行っていたりと生活にとけ込んでいるところが素敵だと思いました。
 日本の愛護センターにも沢山の人が集まる所になりますように。

 今回は、Knots会員の北川さんがレポートを寄せて下さいました。詳細なレポートを有難うございます。
 
Kauai Humane Society 関連ページ
カウアイ島ってどんな島?(2005年)
Kauai Humane Society 訪問レポート(2003年)

 

 
       
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