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 今回は、トフィノという小さな観光地へ、ちょっくら遊びに行ってきたときのことをご報告。今回の旅行は、バンクーバーで知り合った友人K(日本人だが、北京語が堪能なつわもの。しかもオイラとKは同じ高校へ通っていた)との2人旅だ。

 


〜トフィノ〜

 トフィノはバンクーバーアイランドの西側にあり、太平洋を越えていけば、そこは日本という位置関係。パシフィック・リム・ナショナルパーク北部のはずれに位置している。かつては漁村だったが、現在では、クジラウォッチングや、ネイチャーウォッチングなどのエコツアーで栄えている小さな町だ。どれほど小さいかというと、信号は点滅の赤信号が1箇所あるだけ、食料品スーパーは1軒、バスは、長距離バスが1日1往復あるだけ。住民は6000人ほどだそうだ。小さな島が点々とあり、海とのコントラストが美しい。最初は先住民(ファーストネーションと呼ばれるインディアン)が暮らす地域だった。次に移住してきたのは、日本人だそうで、白人より先に来たらしい。しかし第一次世界大戦が始まると、日本人は去り、そして白人系の移住者が増えて、現在のようになっている。かつては日本人のお墓もあったらしいんだけど、今では取り払われて、道路や家が建っているわね。と土産屋のおね−さんが話してくれた。今でも島によっては、先住民が暮らす村があり、国から保護されている。


〜いよいよトフィノへ〜 

出発当日は、早朝5時半に家を出て、6時半にでるフェリーに間に合うよう、友人に車で、埠頭まで送ってもらい、フェリーで1時間半で、バンクーバー島に。フェリーからは、時々アザラシや、イルカを見られることもある。そこから長距離バスに乗り、4時間半。でかいバスに、乗客は7,8人程度だった。バス運転手のおっちゃんが、「日本人か、日本語少しだけわかるよ」と披露してくれたのが、「モウカリマッカ」「ボチボチデンナ」「ホナ、サイナラ」と、かなり笑かしてもらった。バスに乗っている間も、景色は緑が多く、所々湖も見え、自然を堪能できる。が、隣のKはすでに、爆睡している模様。オイラも途中で記憶が薄れた。

 ビンボーなオイラは、長距離バスの愛好者。そして宿は、もちろん安いユースホステル愛用者。今回も宿泊先は、ユース・ホステルだ。トフィノのユースは、想像以上に小奇麗だった。3年前ほどに立て直したそうで、ソファや、テーブルがあるオープンスペースからは、海が見渡せる。フロントのおねーさんとおじさんの対応も、愛想がよく親切だ。

 チェックインを済ませ、さっそく翌日に予定していた、クジラウォッチングと温泉(バンク−バ−アイランドでは唯一つの温泉)に行く、安いツアーを探しに、町探索。町のいたるところに、クジラウォッチング・温泉・熊ウォッチング・フィッシング、などのツアー業者があり、土産物屋のアートギャラリーも豊富だ。幾つかツアー会社の値段を比較し、少し安くしてくれるという所に即決。選んだツアーは、「クジラウォッチング+温泉+熊ウォッチング」セットの6時間コース。少々値も張るが、思い切ってふんぱつしてみた。ツアー会社のおっさんは、「熊は95%の確立で見れて、クジラ(グレーホエール)は90%の確立で見れる。」と自信ありげだったが、ホントかー!? 相手は野生動物だろう、そんな高い確立で、見られるものだろうか。餌付けでもしてるんちゃうかー?ツアーに申し込んでおきながらも、Kと顔を見合わせ、思わず疑ってしまう。あの自信はどこから来るんだ、と。しかし、とりあえずここは、おっさんを信じて、明日に期待しよう。

 

 〜ユースでの贅沢〜

 ツアーを申し込んだ後、ユースのおねーさんに教えてもらった、新鮮なシーフードを売ってる店に行き、中を覗くと、あるある、オイラ達の捜し求めていたカキが。大・中・小・のサイズに別れて水槽に入っているカキを眺め、やはりここは特大サイズ(大)を選ばねば。直径15cmはあろうかという巨大カキ、殻に入っているというのに、もうヨダレが・・・。値段も12個で10C$とお手頃だ。うきうきしながらユースに戻り、早速オーブンに、殻のままのカキを放りこみ、後は殻が開いてくるのを待つだけ。・・・・そろそろいいだろう。布巾で押さえ、ナイフを軽く入れ、片側の殻を持ち上げる。湯気と共に、ぷりぷりの大粒カキが現れる。「うわっ! うまそー!!」大皿に、焼きたてのカキをのせ、海の見えるテーブルに運ぶ。他の宿泊客からも注目の的だ。野菜サラダ、米(米好きなオイラ)も炊き、インスタントの味噌汁まで、準備はすべて整っている。ふっくら、ぷりぷり、あつあつのカキに、持参した醤油と、スーパーで手に入れたレモンを絞り、「いただきまーす!!」 ・・・・「美味すぎるー!!」「最高ー!!」もう言葉になりません。(後は皆さんの想像にお任せします)夕暮れ時の海を眺めながらの美味い食事、最高の贅沢だ。

 

〜「クジラウォッチング・温泉・熊ウォッチング」〜

 翌日の天気は曇りだった。昨日はあんなに晴れていたのに・・・。そんなに普段の行いが悪というのか、などと多少愚痴をこぼしながら、それでも雨でないだけ幸運だと思うようにし、「クジラ見るぞー!」とKと2人、意気込んで、集合場所へ。   

 ガイドでもあるピーポット船長は、フランスから移民してすでに10年が経つ。いままでにヨーロッパ、アフリカ、南アメリカなどの各国を旅して、トフィノが気に入って、カナダ移住をしたそうだ。ツアー客は、オーストリアからの夫婦、韓国の女性、ケベックからの観光客、オイラ達日本人、そしてフランスから来た、フリーのカメラマンでジャーナリストのフィリップ氏(今回はピーポット船長の取材だった)の総勢9名だ。

 

〜「船長と海」〜(「老人と海」をもじってみたんだけど・・・・くだらなさすぎる・・・)

 オイラ達の乗った小型船が出発してすぐ、ピーポット船長は、「忘れ物があるから、家にとりに行く」と、船を途中の桟橋に止め、すぐ脇にある自宅へ。何を忘れたのかと、皆が待っていると、船長の手には、手作りのドクロのアップリケが付いている、海賊旗が・・・・。「俺は海賊って呼ばれているんだよ」と皆からの笑いをとり(これも作戦か?)、旗を船にくくり付け、ようやく出発。「皆がクジラを期待してるのは、よくわかるし、自分も努力するが、相手は野生動物だから、あんまりプレッシャーは掛けないでくれ。でも見られるよう期待しよう」と確かにもっともだ、と納得できることを言っていた。

 船が入り江から外洋に出て、ひたすらクジラを探す。が、おいおい船長、インタビューばっかり受けてて、あんたクジラ探してる?客は必死なのにさー。無線で何か言ってるんだけど、聞いてる?えっ、無線音小さくしちゃうのかい?クジラ情報入ってくるんじゃないの、そこからさー。最初に言っていた努力という言葉はどこへ行ったんだー!?船のエンジン音に負けないよう、でかい声で、しかもフランス語でフィリップ氏と話している船長。なかなかクジラらしきものも見つからず、ちょっと焦り気味の客。しかしピーポット船長は動じない。おいおい、これで見られるのか〜?不安な、幕開けであった。

ようやくインタビューが一段落ついたのか、船のエンジンを切って、グレーホエール(コククジラ)について、少し説明しだす船長。一同ほっとしたように、説明を聞く。 「毎年春から、夏にかけてトフィノ沿岸を、メキシコの方から、アラスカまで23000頭ほどのグレーホエールが通過する。中にはこの辺りに留まるのもいる。彼らはヒゲクジラ科のクジラで、プランクトンを主食としている。体長は約14Mほどで、時々は群れになるが、食事をする時は、個々に別れて餌を探す、なぜなら1頭が1日に必要なプランクトンは1トンで、群れで集まっても、それだけの量の餌が各自見つけづらくなる。しかし、それだけの数のクジラが各自1トンもの餌を毎日食べていていても、この海のプランクトンが無くならないなんて、驚きだろう?」かつては捕鯨漁のせいで、2000頭まで減ったことがあったそうだ、保護の甲斐があって、それが現在では、約23000頭まで回復したそうだ。

 「ここがオフィスのようなもので、実はこれが、本職みたいなものだけど(ゴミ拾いのこと)。」と波間に浮かぶ、ペットボトルを拾い上げて、「クジラや、アザラシ、亀など海の生物にとっては、プラスティックは迷惑なもので、ここの海には、海流に乗って、アジアからからのゴミも多く流れ着く。アジアで使われる、定置網の切れ端や、ウキ、ペットボトル。このペットボトルは、中国みたいだけど、日本や韓国からのも多い。あっ、お前達がそんなに落ち込まなくてもいいよ。もちろんコカ・コーラ(北アメリカ)のだってあるし、今回はたまたま中国のだっただけのこと。太平洋の海流について知ってるかい?太平洋には、海流が留まるところがあるんだ。そこに流れ着いたゴミは、海に溜まり続け、ゴミだめのようになる。しかし、それを間違って食べたり、多くの海洋生物が被害をうけているんだ。・・・・」と。自分達が、海にゴミなど捨てたことがなくても、やはり耳の痛い話だった。

この地点でのクジラ探しは諦め、次はシー・ライオンと呼ばれる、トドがいる岩場へ船を移動。途中の小さな岩場では、「この地域は、海鳥の保護地になっていて、ここはパシフィック・リム・ナショナルパークが指定される前に、保護地として指定されたんだよ。」・・・ようやくガイドらしくなってきたよ、船長。トドがいる岩場では「トドのオスは牛より重いんだよ。1頭のオスに対して、メスが何頭もいるから、羨ましい限りだね」確かに、トドのオスはかなりの迫力で、岩の上に陣取っていた。他の岩場では、タテゴトアザラシがいるのを見つけ、「あれはよくいるアザラシで、危惧種ではないけど、かわいいよ。さて、温泉に向かいながら、またクジラ探ししようか」と、ある程度写真を撮り終えた客を、確認し、次のポイントへ移動し始めた。

 「(クジラが)塩が吹いたの見たかい!」船長のでかい声が響いた。「えっ?どこどこ?」一同、一様に興奮状態。さすが、その道のプロ、見つけるのは上手かった。(見直したぜ、船長!)すぐにクジラが進みそうな進路に船を進め、エンジンを切る。船で近づいてよいクジラまでの距離は、決められているのであろう。次の潮吹きを待つ。いた!潮を吹いた後、背が、海から盛り上がってくる。自分の背中も、ゾクゾクしてくる。そんなに近くない距離なのに、なんて迫力だろう。1頭のクジラは数回、浅くもぐっては、潮を吹きを繰り返し、一度かなり大きく背を海上に出し、尾まで見せた後、深く潜っていったのだろう、船長は「もうしばらくは、出てこないし、温泉に行く時間も必要だから、移動しようか」と船を進ませたのであった。

 

〜日本人はやっぱ温泉だぜ〜

 オイラは大の温泉好き。今回の温泉はかなり期待していた。バンクーバー島で一つだけ、しかも人の手がほとんど加えられていない、天然ものだ。船でしか渡れない場所に、しかも温泉までは、さらに森の中(船着場から、木道が作られていて、人が直接地面を歩いて、傷めないようにしてある)を片道20分ほど、歩かなくてはならない。源泉は川のように流れ出して、岩の間に溜まり、しかも海に流れ込んでいる。そんな僻地の天然温泉に、海を見ながら、露天風呂なんて、極上の幸せ!と期待いっぱいのオイラ達。意気揚揚と船を下り、、立ち並ぶ巨木を見ながら、日本だったら、天然記念物ものだろうにと、思いながら、木道を歩いていく。しばらく上り下りを繰り返し、ついた、ここか。

 そこは、急な斜面に、岩がごろごろしている、想像以上に狭い場所だった。そこに各ツアーからの客が、集まるのだから、仕方ないとはいえ、人間は多い(オイラもその中の一員だし)。そして、人間の割合に対し、温泉に漬かれる場所は、・・・・とても少なく、そして狭い・・・。しかしここまで来たんだ、入らないわけにはいくまい。早速服を脱ぎ、(当然カナダでは水着着用だ)少しの入れる隙間を見つけて、ひざを曲げて漬かる。うん、少し熱いが、なかなかいい湯加減。おっ、前のツアー客は、帰る時間になったのか、皆あがり始めたぞ。しめしめ、温泉が滝になっている所が、空いたし、そこ行くか。Kは「打たれ湯ー!きもちー!」と修行僧のように、滝にうたれていた。オイラもそこの窪みで、足を伸ばし「最高の贅沢じゃー」と2人で温泉を満喫。この温泉は、海に近づくほど、ぬるくなっていくようだ。最後の水溜りほどの温泉は、海からの波が打ち寄せ、冷たくなっている。岩場で波は荒く、海に落ちたら危険な場所である。こんな場所でも、一般開放してあるなんて、さすがカナダだ。手すりや、柵などありはしない、自己責任というものなのだろう。次に、「滝の上はどうだろう、誰もいないし」と、Kと2人、まるで野生児のように、岩を這い上がり、滝の上に。海も見渡せる絶好の場所だ。確かに人もいないし、少し浅いが、入れないことも無いだろう、と足を入れてみる。・・・・「ああっっつー!!」そこは、かなりの高温の湯が流れていて、わずかの間しか、足も漬けれない熱さ。どうりで他に人もいないわけだ。(江戸っ子のじいさんなら、いけるかもしれない・・・)しかし、諦めの悪いオイラ達は、そこに陣取り、熱いとわめきながらも、ときどき足を浸し、海をみながら、ユースで作ったオニギリ(こういう場所では、オニギリが食べたくなるオイラ。まるで・・・・誰だっけ、ランニングシャツ着てリュックしょってた人)と焼いたソーセージ、スナックなどを食べ、温泉を堪能。サイコーでした、はい。他の観光客は飽きたのか、すでにあがり、帰り始めても、ほぼ貸切のようになった温泉で、最後まで居座るオイラとKであった。

 

〜日本人にはサシミ?〜

 もうそろそろ船に戻らないと、やばい時間。名残惜しみながらも、慌てて着替え、早足で帰りの木道を歩き、船につくと、ピーポット船長、何やらでかい魚を、さばき始めたではないか。オイラ達が温泉に行っている間に、釣ったらしい。さすが、海の男だ。80cmはあろうかというハリビット(巨大カレイ)と、なにやら青い魚(これも60cmはあった)を、船の後部で3枚におろし始めた。皮もはぎ、身の部分だけ持ち帰るようだ。内臓や皮は、近くの木に止っていたハクトウワシに投げ与え、少し身のついた頭や、骨は、カニ捕り用の餌にする。青い魚は、中身も青く、食べるにはちょっと不気味な感じだ。と、船長いきなり「サシミ食べるだろ、海水で味ついてるから」とハリビットの白身の切り身を、オイラ達に渡すではないか、ちょっと驚きながらも、Kは「新鮮だから大丈夫」とさっそく口に運ぶ。オイラも切り身を食べたが、あまり海水のしょっぱさはなく、食感はいいのだが、いまいち物足りない。「しまった。ユースに醤油置いてきたよ。知ってれば持ってきたのに」と後悔。韓国の女の子は、抵抗無く食べてたが、やはりオーストリアの夫婦は、気色悪そうに見てただけ、若いカナダ人女性は、トライしながらも、後味が悪かったせいか、すぐ水を飲んでいた。・・・やっぱり、醤油必要だったな。

 

〜ツアー後半戦〜

 そんなこんなで、かなり時間オーバーになっているピーポット船長、「じゃ、そろそろ行かないと時間遅れてるし」って、おいおい、魚さばいてたから、遅れてるんだって!・・・・なんていい味出してる船長なんだろう・・・。

 帰りのコースは、行きとは異なり、島の間を進んでいきながら、ブラックベアを探す。途中途中で、ヒトデやイソギンチャクの張り付いた岩場や、洞窟になっている狭い所に船を進ませ、話ながらも操縦は上手い。「ん?何かいたような・・・」イマイチ確信のもてないオイラは、もう一度、それが確認できるまで、じっと海面に目をこらす。えっ、えっ、やっぱり、クジラだ!! それも、前回よりかなり近い!頭の部分が確認でき、背も確認できた。近くにいたフィリップ氏も見たようで、「見た?」「見た見た」と騒ぎ始める。こんな所で見られるなんて、予想してなかった。船の乗客は、見れた人と、見られなかった人がいたようだ。もう少し粘ってみたかったが、時間がなく、船は先に進んだ。

 島々の所々に、魚の養殖場があり、ピーポット船長は、「養殖場にはいいことはない、反対だ。金儲け主義なだけで、生態系のことを無視している。養殖場の魚が病気を、付近の魚に撒き散らし、養殖場の魚を狙ったトドや、シャチを養殖場の人間が、銃で撃って殺している。養殖している魚も、元々この近辺にはいなかったものだ」とことさら声を荒げて、力説していた。ここでも、人間と自然との共存は、難しいものらしい。そして船長は、シーズン中はこの仕事をし、オフシーズンはボランティアで、クジラの調査協力や、子供達や一般の人に生態系や、クジラのことを教え、大学での講義もしたことがあるそうだ。うーん、人は見かけによらないものだ。

 クマは引き潮になると、海岸へでて来て、餌をあさるので、引き潮時がいい。とあるツアー会社の人が話していた。しかしオイラ達の乗った船は、もうその時刻、とっくに引き潮時から、満ち潮時になっていて、オイラは、ほとんどクマには、期待していなかった。カナダには、白熊、グリズリー、ブラックベアがいるが、バンクーバーアイランドにいるのは、ブラックベアだけである。ブラックベアは、泳ぎも上手く、島と島の間も簡単に泳いで渡るそうだ。説明をしながら、エンジンを止め、「定かではないが、あの岩の後ろに、草を食べているクマがいるようだ」と声をひそめ、船が湾の流れに乗って少し進むと、遠くで暗がりなので、確認しづらいが、確かにクマのような黒い物体が、見えるではないか。それほど動いてもなかったが、かすかに移動しているようにも見える。あれかー。と皆一様に納得し、船は、かなり予定時間をオーバーしながらも、出発場所である、港へと戻っていったのである。時間オーバーは、ちょっと得した気分にもなるしね。オイラは、すでにクジラと温泉で、大満足だった。

 

〜おまけクルーズ〜

 ツアーが終わり、ピーポット船長から、お薦めのパブを紹介してもらい、そのままオイラとKはパブに直行。そこで、お薦めのカラマリ(イカのフライ)を始め、他にもフィッシュ&チップス、チキンレッグなど注文、いかにもビールに合うつまみばかりだ。(しかし悲しいことに、オイラも、Kもアルコールは苦手だった・・・・)海を眺めながら、ダイエットコークを片手に、食べていると、ピーポット船長の船が来て、パブの下の埠頭に止るではないか。船長、ジャーナリストのフィリップ氏、そしてかわいい女の子が店に入ってきて、さっそく船長、オイラ達に気づき、「一緒しないか」と誘うではないか。遠慮なくご一緒させてもらうことにし、食事も一段落。女の子の名前はヴィヴィといい、ケベック州から、トフィノが気に入ってやってきて、今はツアーの手伝いなどをしているらしい。気のいい船長は、「船でユースまで送ってやるよ」と、またオイラとKを船に乗せてくれ、ちょっとしたナイトクルーズに。町は多少の明かりがあるものの、対岸の島々は、闇の中。日本であれば、イカつり漁船でも出ていて明るいだろうに、ここの海は、明かりも無く、曇っていたので星や月の光もなく、こんな暗闇は、ここ何年も見たことがないように思う。これが自然だと感じ、怖くも感じた。

 

 

〜余談〜 

トフィノでは、ツアーの他にも、オイラ達は、レインフォレストと呼ばれる(温帯樹林)が生茂る森を歩き(やはり木道が作られ、人が歩いて地面を荒らさないようにしている)、ロングビーチの砂浜を歩き、・・・ひたすら歩いたのであった・・・。


ロングビーチ


レインフォレスト

    

 今回は、実におもしろい人々に会えた、面白い旅行であった。

 ピーポット船長を始め、フリージャーナリストでカメラマンのフィリップ氏は、フランスを愛車と共に出て、かれこれ3年ほど海外でのインタビューやカメラマンとして、各国を回っている。ヨーロッパ、西アジア、東南アジア、東アジア(日本も行ったそうだ)、今回はカナダに渡り、現在はカナダで働くフランス人をテーマに、国中を回ってインタビューし、カナダのフランス語系ラジオ番組で流しているとのこと。今後の予定としては、アメリカ合衆国、南アメリカに渡り、あと2年くらいは海外取材を続けるそうだ。(時々はフランスにも帰るよと、笑っていたが)外見や、人当たりはとてもマイルドな感じのフィリップ氏だが、この人やるなーっと感心しずにはいられない。

 
ユースで会った、若いオーストラリア女性の2人組み。やたら元気で、1人はカナダで旅行を続け、もう1人はこれからバンクーバーアイランドの最北部まで行き、そこからアラスカへ行く、でもお金がないから、ヒッチハイクしていくんだ、と意気揚揚としている。やろうとしていることはすごいが、おいおい、若い女の子が大丈夫か?と心配になる。本人は「乗っけてくれる人は、ちゃんと選ぶよ」とあっけらかんとしている。2人は別れた後、数週間後に、またどこかでおち合うらしい。旅の無事を願わずに入られない。

 トフィノの自然に惹かれて、移り住んできた人達。フランスから移住してきたピーポット船長、ケベックから来たヴィヴィ、アートショップのおねーさん、土産屋のおじさん、ユースのフロントのおねーさん。確かに、トフィノは海と緑に囲まれた美しい町だ。オイラもこの土地は、5年程前にも一度来て、大変気に入っていた。(当時は、またこの場所へ来ることがあろうとは、想像にもしてなかったが)しかし、仮にオイラが住めるとしても、オイラにとって、ここは一生過ごせる場所かというと、そうではない。オイラにとってトフィノは、旅行として立ち寄るには、素晴らしい場所の1つである。オイラが出遭ったトフィノへ移り住んだ人達は、自分の居場所としてここを選んだ。自分の居場所が見つけられて、羨ましいと思う。自分もいつか、一生を過ごしたいと思える場所が、見つけられるだろうか。土地としての意味だけでなく、仕事かもしれないし、まだ見ぬパートナーかもしれない。(あぁ、いかん。マジであせってきた) と、こんなところで今回は終了。

今回はただの旅行記になってしまって、いまいち期待外れだった?

今回、シーライオンとグレーホエールの写真を提供してくれた、友人Kに感謝。


 

「トフィノの犬たち」

     
     
 

 


   
      

 

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