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 はじめまして、皆様。オイラはマタタビジローと申します(ちなみにKnots会員)。
 
 オイラが、カナダはブリティッシュコロンビア州バンクーバーにほど近いところに滞在して、早半年以上。現在は、こちらにあるアシスタンス・ドッグ育成団体 (介助犬・聴導犬・セラピー犬を育成)と、SPCAのグルーミングショップで、ボランティアにいそしむ毎日。そんな中、Knots理事長の冨永女史から「カナダレポートしてみない?」のお声が。軽く「いいですよー」とO.K.したものの、さて、文章力無し・表現力乏しい・しかも筆不精のオイラが、何をどこまでレポートできるのか、そして何回このコーナーが続くのか、さっぱり見当もつかないが、現地の動物事情(人間含む)、やオイラが感じたことなどレポートできればいいかー、などと考えている次第です。
 
アシスタンス・ドッグ=介助犬・聴導犬・セラピー犬を含めた犬を呼ぶ。介助犬service dog ,聴導犬hearing dog , セラピー犬facility/therapy dog とこの団体では呼んでいる
 
さて、たいぼーの初回は、って誰も期待してないか。・・・何にしようか・・・うーん、やっぱりこれか。
 

アシスタンス・ドッグ育成団体でのボランティアのきっかけ
 かつて日本の某介助犬団体にいたことがあるオイラは、かねてから海外の介助犬には興味があった。そもそもカナダへ来たのも、それが目的だったのだ。しかし来た当時は、すぐにはこちらのアシスタンス・ドッグ育成団体(介助犬・聴導犬・セラピー犬を含む育成団体)でのボランティアは「間に合っているから」と受け入れてもらえず、「ボランティアなら受け入れてくれるだろう」という甘ーいオイラの考えは、簡単にもろくも崩れ去ったのだった。それでも、団体主催のイベントに参加したり、パピークラス(子犬時期の面倒を見るボランティアがその子犬と受けるトレーニング)を毎週見学させてもらい、さらに何回か「何でもいいからボランティアさせてくれー」とつたない英語で交渉するもその度断られ、諦めかけてた時、ようやく今度はむこうから「ボランティアしてみる?」と来たのである。(たまには諦めの悪いのもいいのかもしれない。)こうして、オイラはこちらのアシスタンス・ドッグ育成団体でのボランティアをゲットしたのであった。

 
 

オイラの仕事
 犬達の給餌、ケンネル・運動場の掃除、グルーミング(ブラッシング、爪切、歯磨き、シャンプーなど)、子犬(センター内でも子犬が現在4匹いる)のトレーニング補助、若い犬の基礎レーニング、トレーニングのヘルパー、その他雑用など日によってやることは変わるが、だいたいこんなことをしている。朝9時から夕方4時半くらいまで毎日を過ごす(週5日)

 

アシスタンス・ドッグ育成団体のこと
  この団体は現在、介助犬、聴導犬、セラピー犬を育てているNPOの団体であり、代表者と事務担当者、トレーナー2人、見習いトレーナー1人、子犬専属トレーナー1人の6人で日常の仕事をこなしている。しかしボランティアなしでは成り立たず、ホームページ作成、事務補助、子犬係(センターにいる子犬の部屋掃除・社会性を育てるためのふれあい)、パピーレイザー(子犬時期の里親)、夜間の見回り、イベント準備など幅広く、多くのボランティアに支えられながら活動している。

 現在は犬舎に14頭ほどの1歳から2歳弱の訓練犬と4頭の子犬がセンターにいる。そしてパピーレイザーのもとにいる子犬は20頭前後はいる。約生後8週間から1歳半まで(聴導犬は1歳まで)をパピーレイザーの元で過ごす。その子犬達は、毎週1回センターに来て、パピーレイザーとトレーニングを合同で受け、時期が来たら次はセンターに移り、約8ヶ月ほどトレーナーがアシスタンス・ドッグとしてのトレーニングを行う。 犬種としては、介助犬にゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、スタンダードプードル、ラブラドゥ−ドル、ラブxゴールデン、バーニーズ(まだ子犬だが)。聴導犬として、シェルティ、スキッパーキー、フォックステリア、などの小〜中型犬種を採用している。子犬はブリーダーから購入したり、ブリーダーから寄付されることもあるという。現在は団体に繁殖犬候補の犬も何頭かいて、将来的には子犬を産ませる予定だそうだ。

 犬達は幼い頃(ワクチン終了後)から、他の犬達との接触をさせ(猫とも)、犬同士の付き合い方、社会性を身につける。これは一般のペットにも重要なことで、子犬の時期(特に生後8週から12週まで)に様々な刺激(多くの人や他の犬とも遊ばせ)に慣れさせることにより、多くの場合、極度の怯えや興奮などを抑えることができる。また、犬同士の付き合い方を知っている犬は、不必要に他の犬に吠え掛かるということもない。話が少しずれたが、センターでトレーニングを受けている犬達は、日中は運動場に出しっぱなしである。(雨天を除いて)そして、トレーナーが犬を連れ出し、トレーニングが終わるとまた外に犬を出す。10数頭の犬を一緒にしておいても、彼らは付き合い方を知っているので、まず争いは起こらない。あまりに犬同士で遊ばせると、人間に興味がなくなるんじゃないかって?それがそうでもなく、やはり彼らは人が大好きなのである。小さい頃から愛情をもって育てられ、パピーレイザーの元で、基礎訓練やリコール(呼び戻し)の練習も、褒美を与えながら、繰り返し行われるので、トレーニングも大好き、人間も大好きなのである。

 ここの団体は、とても犬のストレスに気をつかっていて、少しでも犬達のストレスを減らそうと努力している。そしてトレーニングは「ポジティブトレーニング」 という、日本でも近年「ファントレーニング」と呼ばれる方法を用いる。要は犬がトレーニングを喜んで受ける、犬にとってはゲーム感覚で楽しんで仕事を覚えていく、トレーニングは楽しいものとして教えていくのである。具体的には、子犬時期にはパピーレイザーが褒美(フード)を用いて、しつけを行う。そしてその後センターに来てからも、新しく覚えることにはフードを用いて褒美を与えながらのトレーニングを行う。その後褒美(フード)は徐々に取り除かれていく。また、「クリッカ−」というサウンドトレーニングと「タッチスティック」を用いてのトレーニングは、犬にとっても、トレーナーが教えようとしていることがわかり易く、犬に負担のないトレーニング法といえるだろう。そして最終的には指示された声のみで、喜んで仕事をするようになる。

 
外(センター以外)でのパピークラスのトレーニング


うらやましい事
 ブリティッシュ・コロンビア州(たぶんカナダ全土)は盲導犬、介助犬などの障害者補助犬の公共交通システムの利用は、たとえトレーニング中の子犬であっても、何の問題も無く利用することができる。もちろんショッピングモール内にも事前の連絡なしに入っていける。お店によっては説明が必要なときもあるが、どのような犬なのか説明すれば、ほとんどの場合すんなり入れる。パピーレイザーは時には、映画館やコンサートにも連れて行くそうだ。確かに、将来アシスタンス・ドッグとして活躍するのなら、使用者とともに、どこへでも出かけなければならないだろう。電車やバスに乗るトレーニングは、在って当然なことなのに、日本では、まだトレーニング中の犬の公共交通機関の利用は認められていない。最終的に介助犬として、各交通機関に認められた犬しか利用できないのだ。(私の記憶が確かならば・・・鹿賀丈風に) パピークラスではたまに外へ出かけてトレーニングが行われる。電車に乗るトレーニング、公園で鴨や子供を見せながらトレーニング、店内でのトレーニング(トイザラス、大型ショッピングセンター)ホッケー練習場(さすがカナダ)、などなど。しかも店内トレーニングは、事前に店への連絡は必要はないらしく、いきなりぞろぞろと犬を連れた人間が、入ってくるのだから、かなりの注目度。しかし皆さん「トレーニングなのね」「かわいいわね」などと、とても寛容だ。店員も、何も言わないどころか、「うちも犬飼ってて・・・」と話はじめる。アシスタンス・ドッグの世間への認知度の高さ、トレーニング中の犬でも当然のように受け入れる体制は、羨ましいかぎりのものだ。日本でこのようなことは、はたして可能であろうか?やはり福祉・犬文化の違いを感じられる。



  off leash park  
これはoff leash park (その名の通り、犬をリードなしで放せる公園)での写真。 市が管理する公園で無料、このようなところが何箇所かある。入り口付近には、うんち袋とごみ箱が設置されている。ここは一般の公園とつながっていて、しかし仕切りの柵はナシ。センター内でトレーニングされている犬は1週間に1,2回、 車で10頭ぐらい一度に連れて行って、そこでリフレッシュ。公園というか・・・森?


 




      

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