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■訪問日 |
2005年11月22日(火)
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■場所 |
兵庫県動物愛護センター 龍野支所
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当日は紅葉の映える秋晴れのよいお天気でした。今回は、来年2月に龍野支所で行う子どもセミナーの打ち合わせと、新しくオープンした支所の見学を兼ねて、動物愛護センター龍野支所を訪問させて頂きました。
今年8月にオープンしたばかりの支所は龍野合同庁舎に隣接した交通の便利な場所にあり、白壁に木材が使われ、正面はとても和風な外観の建物です。龍野はしょう油が有名で、しょう油蔵をイメージして建てたそうです
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支所の課長補佐木村さんが打ち合わせの後、案内をして下さいました。
正面入口を入るとすぐ多目的ホールがあり、しつけ教室や譲渡会など様々なことに利用されます。ホールには動物用便所という糞を専用に捨てられる流しがあり、普段は扉で隠されていますが、いざという時には、とても便利です。
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多目的ホール |
動物用便所 |
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ホールに入ってすぐ眼を引いたのは、いくつもの写真がパネル展示してあったことです。その写真は「いのちあるもの」と題されていて、支所に収容された犬達の写真だそうです。収容された犬は、保管期間を過ぎても飼い主が見つからなかった場合、他の場所で処分されることになります。どの犬も檻の中でとても不安そうです。支所の木村さんは、収容された犬達の写真を子ども達にも見せ、感想を書いてもらうそうです。「どうすれば、このような犬たちがいなくなるのでしょうか」「写真をご覧になって感じたことをご自由にお書き下さい」と。子ども達はまじめに考えて書いてくれるそうです。犬を捨てたり、引き取って欲しいと持ち込んでくるのは大人なのに、とこちらが考えさせられます。 |
写真展「いのちあるもの」 |
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次に普段一般の人は入れないのですが、譲渡犬室(譲渡の子犬がいる部屋)、処置室(怪我や病気をした動物の手当てをする部屋)、手術室、犬収容室、ねこ保管室などを案内して頂きました。
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譲渡犬室 |
処置室 |
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龍野支所では子犬の譲渡も行っており、職員によって気質や健康状態がチェックされ、選ばれた子犬が譲渡されます。譲渡犬室は、3部屋に区切られおり、外気や外の刺激に触れられるようなベランダがあり、さらに内部屋には部分的に床暖房が効くように施工されているそうです。訪問した日には、多少大きくなった子犬が2頭入った部屋と、4頭子犬が入った部屋、もう1部屋には龍野支所の看板犬リリーちゃんがいました。子犬達はとても人なつこく、元気一杯で子犬同士でも遊んでいました。ボランティアに近くの小学生も子犬の世話を手伝いに来てくれるそうです。
そして子犬は生後3ヶ月ぐらいまでは譲渡せず、オスワリ・フセなどしつけを行います。飼いたいと希望する人も、厳しく選別されるとのこと。引き取る犬の一生を面倒みる覚悟が要求され、犬の飼い方など勉強して頂くことは、不幸な犬を増やさない為にも、重要なことです。
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犬収容室やねこ保管室にも様々な工夫がされていました。収容された犬にも猫にもなるべくストレスをかけずに、職員も安全に世話や掃除ができるようにとの考慮された造りでした。 |
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また龍野支所では、積極的に学校訪問で動物達のふれあい活動を行ったり、しつけ方教室を行い、市民とのより密接した活動を通じて、飼い方指導や動物愛護の精神のあり方を学んでもらおうとしている様子がみられました。
このような積極的な行政の取組みによって、少しずつ収容される動物が減ることを期待するとともに、人にとっても動物にとっても幸せに暮らせる社会をつくるのは私たち市民なのだという自覚が必要だと感じました。 |
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