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NPO法人 Knots事務局は、2003年5月28日にアメリカ合衆国ハワイ州カウアイ島のリフェにあるKauai Humane
Society を訪問し、Executive Directorで獣医師のDr. Rebecca Rhoades にお話を伺ってまいりましたので、ご報告します。 |
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●Dr.RhodesとStella
Dr.Rhodesのオフィスに入ると出迎えてくれたワンちゃんです。
Stellaは交通事故で眼球を失っていますが、とても優しく賢い子です。Dr.Rhodesの大切なパートナーです。
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●Hokgetについて
Hokgetは、台湾からのタンカーに乗っていた犬です。この船で事故が起きてHokgetはタンカーの中で1ヶ月もの間世話をされずに放置されていました。Kauai
Humane Societyは、Hawaiian Humane Societyからの要請でこのHokgetを救助しました。Hokgetは、最初大変怖がりでしたが、Kauai
Humane Societyでのケアによって、とても優しい犬になりました。そして4ヵ月後にはオアフ島の新しい飼い主さんの元へと行き、今はとても幸せに暮らしています。このときのフードは、ドッグフード会社から提供され、航空機による移送は、現地の航空会社のボランティアによりなされました。
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◆カウアイ島について
人口 55,603人(1998年調べ) 面積 1,380キロ平方メートル
オアフ島の北西に位置するハワイ州の島。世界一の降水量を誇るワイアレアレ山を持ち、太平洋の島には珍しく船の航行できる川が流れています。別名ガーデンアイランドと呼ばれ、太平洋のグランドキャニオンと称されるワイメア渓谷など豊かな自然を有する島でアメリカ本土の人々に大変人気があります。海鳥の保護地区もあり冬には鯨を見ることも出来、私達は湾内でウミガメと一緒に泳ぎました。また、「ブルー・ハワイ」、「南太平洋」、「レイダース/失われた聖櫃(アーク)」「ジュラシック・パーク」など数々の映画のロケ地としても有名です。その豊かな島で展開されている活動のレポートです。
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*1993年のハリケーン・イニキの際には、壊滅的な被害を被りましたが、その時の日本からの支援を忘れず、阪神大震災の折には、地元の高校生が洗車のアルバイトをしてお金を集め、神戸に義援金を送って下さいました。かつては、さとうきびプランテーションが盛んで、日系の方も多くいらっしゃいます。今は、コーヒーに変わっています。 |
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◆Kauai Humane Society について
Kauai Humane Societyは、1952年に全てのカウアイの動物のケアとヒューマンアニマルボンドの啓蒙普及を目的に非営利組織として設立されました。
2001年7月にハナペペよりリフェへ移転し現在の施設が完成しました。この施設で特筆すべきは、後ほど述べますが動物だけでなく人間も避難出来るシェルターが設置されていることです。正に動物と人の為のシェルターとなっています。
現在の施設は、約4百万ドル(4億8千万円)かけて建設されました。この費用はKauai Humane Societyが用意したものですが、その内、約50万ドル(6千万円)がローンです。
このローンの返済費用には、検疫所の使用料として得られる収入(1日15ドルで、月換算だと6千ドル位(約72万円))があてられています。(※$1=120円換算で計算しています。)
施設には、20人のスタッフ(専任の獣医師含む)、及びボランティアの方がおられます。
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玄関横の広場はドッグランとして使用されることもあります。将来的にはプールも作ることができたらという希望をお話されていました。
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主な活動は以下の通りです。
・アダプション(新しい飼い主探し)とペットの飼い主へのサポートプログラム
・動物虐待、飼育放棄の調査
・全島の動物の引き取り
・24時間体制の動物救援
・カウアイへ入ってくるペットの検疫
・死亡した動物の公道からの移動
・カウアイ島住民への避妊去勢手術ディスカウントクーポンの発行
・犬の噛みつき防止対策
・犬の登録やマイクロチップの挿入
・郡の動物関係条例の周知と施行
・安楽死と一般飼い主への火葬サービス
・低所得者への避妊去勢無料サービス
・野生の猫の避妊去勢サービス
・人道的な動物の罠の貸し出しサービス
・子どもや大人達への人道教育
・動物保護法改正の為の運動
・行方不明動物の捜索サービス
・他団体およびNPOの為のミーティングルーム
・動物にフレンドリーな人々の為の緊急避難シェルター
・病気や障害を持つ飼い主の為のペットサポートプログラム
・病院及び長期療養施設へのペットの訪問
・教育、調停、法の執行を通して近所の動物関連問題を解決
・シェルター運営及びスペシャルイベント全般における子どもや大人達のためのボランティアプログラム
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◆2001.7〜2002.6.30の収支及び実績について
(※$1=120円換算で計算しています。)
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◆施設について
・セミナールーム
子どもさんや一般の方向けにセミナー等が開催されます。また、他団体への貸し出しも行っています。
カウアイでは野生の豚や産業用に持ち込まれて野生化した山羊がいます。そしてそれを狩るハンター達もいます。彼らは、狩猟に犬達を使いますが、飼育管理状況は必ずしも良好ではありません。そこで、ハンターの方々を対象に夜6時〜10時迄、計3日間犬の適切な飼養等についてのセミナーを行っています。生態バランスの観点から、ハンティング自体は必ずしも否定されるものではありません。
・データ管理室
犬の登録やマイクロチップ等の管理及び経理等のデータ入力をするコーナーです。
・アシスタントドッグ育成シチュエーションルーム
Kauai Humane Societyでは、将来的に聴導犬や介助犬の育成を行う計画があります。
実際の家庭生活に近い状況を作り出し、その中で訓練出来るような部屋もあります。
・検疫所
現在の施設を建設した際にハワイ州に申し入れをして、担当官のアドバイスを入れ、施設を改善し、検疫所として使用されることになりました。州政府からは、補助金等はないそうです。検疫期間は、1ヶ月〜4ヶ月です。期間は事情によって、異なります。
費用は検疫を受けるオーナーが支払っており、1日15ドル(1,800円)です。
長い滞在になるので、飼い主はビジティングエリアにて面会することが出来ます。ビジティングエリアで、ボール遊びなどが出来る広さの専用の運動場もあります。運動場は4ヵ所あり、高いフェンスで囲まれています。猫のビジティングエリアは脱走防止のため金網が天井まで張り巡らされています。検疫施設ですので、部屋にはエアコンが設置されています。飼い主のいる動物達なので、収容されている様子は撮影を遠慮するようにとのことでした。エアコンについては、全施設だと設置等に約30万ドル(3,600万円)もかかってしまうので、節約のため一部のみ(子猫の部屋と検疫所)使用されています。
また、吠え声等の防音のために3万ドル(360万円)をかけて防音天井にしてあります。
汚れても、洗えるようになっており衛生面も考慮されています。
(※$1=120円換算で計算しています。)
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検疫システムについて
日本からハワイへ
ペットをハワイへ連れて行く場合、2003年春より入国4ヶ月前に検疫のための全ての手続き(ワクチン接種、マイクロチップの挿入、血液検査等)が終了していれば、検疫が免除される場合もあるとの事です。
詳細は、ハワイ州の検疫所のサイト http://www.hawaiiag.org/hdoa/ で確認が出来ます。
ハワイから日本へ
犬猫の場合は、下記(1)(2)(3)を記載した健康証明書が完備していれば、12時間以内の係留となります。
(1) 当該犬・猫が狂犬病(犬については狂犬病及び犬レプトスピラ症)に感染していない、または感染している疑いがない。(「あらゆる伝染病に感染していない」という記載でも可。)
(2) 当該犬・猫が当該輸出地域において、過去6ヶ月又はその生産以来飼養されていた。
(3) 当該輸出地域において、過去6ヶ月間狂犬病の発生がなかった。
※ 上記の証明書が完備していない場合や狂犬病予防注射を受けた日から30日を超えていない場合は、係留期間が15日〜最長180日となります。
・子猫の部屋
まだ、小さすぎて譲渡できない子猫たちを飼育管理している部屋です。部屋にはエアコンが完備されており、衛生上の問題等でスタッフ以外は入室できません。ガラス越しに撮影をさせて頂きました。この時期(5月)は子猫の持ち込みが多いとのことです。
スタッフの方たちは、この部屋をロンパールームと呼んでいました。
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・アダプションエリア
アダプションエリアは、一般に開放されていて希望者は動物達と会ってふれあうことも出来、そのための広場もあります。エリアは犬と、猫及び小動物の二つに分かれています。
犬は更に小型犬と子犬のエリアと中・大型犬のエリアに分かれています。収容された動物達は、グルーミングされ、ワクチンを打ち寄生虫等の検査及び診察を受けてから、アダプションエリアへと移ります。但し、病気の場合や危険な動物の場合はアダプションをせず、違う場所で管理されることになります。全ての犬、猫は避妊・去勢手術を受けます。
全ての動物には管理番号が付けられており、ケージには入舎日・年齢・動物の種類・性別・迷子かオーナーがいたか・名前・毛色・避妊又は去勢済み等が判るようにカードが付けられています。
アダプションを希望する人が動物と面会する広場(中庭)は、検疫所とは高い塀で仕切られており、接触が出来ないように工夫されています。また広場は寄付によって作られています。広場の塀はプラスチック製ですので、塗り直さなくてよく掃除も簡単です。ベンチも同様にプラスチック製です。
また、動物達の世話は多数のボランティアの方々の協力で成り立っており、1ヶ月延べ約300時間に及びます。アダプションエリアの動物達は、本当にフレンドリーで、皆さんのケアのクオリティの高さを感じました。
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・隔離犬舎
収容したての犬は、各検査が終了してからでないと、アダプションエリアへは移せませんので、まずは、こちらの犬舎に置かれます。また、病気の犬、虐待を受けている犬、凶暴な犬などもこちらに収容されます。収容した車庫からすぐに入れるようになっています。 |
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・隔離猫舎
犬と同様に収容したての猫、病気の猫、野良猫(Wild Cat)は、こちらの猫舎に収容されます。野良猫は人に馴れず、凶暴な場合が多いので、スタッフが怪我をすることなくケアや掃除が出来るようになっているカゴです。普段より各ケージに設置しておくと寝床となります。掃除の際にはふたをして、箱ごと外に出します。また、サイドの穴から注射が打てるようになっています。
犬猫とも病気が治らない場合や、凶暴でアダプションが出来ない場合は安楽死をさせます。
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※収容される猫の殆どは、野良猫(Wild Cat)です。元々飼い主がおらず、カウアイ島の豊かな自然の中で、まさに野生(Wild)の状態で生息している為、人に慣れない場合が多く、アダプションは難しいようです。 |
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・手術室
手術室は、ガラス張りで廊下より見学することが出来ます。子どもさんの教育にも有効です。獣医師は専任の方がおられます。この時は、カンザス州立大学の大学院より2週間の研修に来られている方が手術をなさっています。このような研修も受け入れられています。
・地下室
カウアイには近年、二つの大きなハリケーンが来ました。このような災害やテロ等が起きた時にこの地下室は350人が収容できる避難所となります。このシステムは、合衆国赤十字との提携業務です。設備としてバスルームが2つ備え付けられています。1階は、動物達を収容でき、窓は全てシャッターで防護することが出来ます。この避難所は、過去のハリケーンの際の経験を生かし、災害時に、飼い主と動物達が離れ離れにならずに避難できるように考えられたものです。現在、地下室にはスタッフが一人住んでおられるそうですが、24時間体制で動物の救援を行っていることと、検疫業務に対応するためです。
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・登録とマイクロチップ
犬の登録は義務付けられています。登録料として毎年1ドル10セント(132円)かかります。また、識別のためのマイクロチップの挿入は、全てのペット1匹あたり5ドル(600円)が必要となります。これは郡からの委託事業です。(※$1=120円換算で計算しています。)
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・ドギーポット
施設内各所に設置されています。袋が用意されていて、拾ったウンチはそのまま、ポットに棄てられる様になっています。カウアイでは豊かな自然の保護の必要性もあり、生物汚染等の問題からウンチは拾うように指導しています。
・焼却炉
動物の遺体を焼却する所ですが、一般の方も有料で利用でき灰を返して頂くことが出来ます。
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・避妊及び去勢について
Kauai Humane Societyでは、病気予防や不幸なホームレスのペットを増やさないために避妊去勢を勧めています。低所得者、政府からの補助金等を受けている人々には無料で避妊去勢手術を行っています。また、カウアイ内のどこの動物病院でも避妊去勢手術を行う際に利用できるディスカウントクーポンを発行しています。これらの事業はカウアイ郡より委託を受けて行っています。
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・倉庫
フードが保管されています。使う分だけ、運び出すようにしています。
・給餌室
食事を用意するところです。ネズミが出るため、フードの管理は徹底されており、特に犬は時間がきたら残していても下げるようにしています。これはとても大切なことだそうです。
・施設の消毒について
衛生管理を徹底するため、動物舎、食器等全てを消毒しています。消毒薬は月に55ガロン×2本(約416リットル)使用するそうです。
・ランドリーエリア
毎日多くの洗濯物が出るため、2ヵ所に設置されております。
・薬品倉庫
安楽死関連の薬品は、二重の鍵で厳重に管理されています。
・ショップ
Kauai Humane Society オリジナルのTシャツやフードを販売。
こちらでフードを販売するかわりに、そのメーカーがシェルターの動物達の全てのフードを寄付されているそうです。
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◆ Thrift Shop について
Kauai Humane Society がリフェで運営しているリサイクルショップです。
販売されている商品は寄付された物で、洋服なども数ドルと大変安価です。このShopで買い物をすることが、Kauai Humane Society への寄付となります。
年間の売上は、$222,912(26,749,440円)にも上ります。(※$1=120円換算で計算しています。)
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◆Kauai Humane Society の活動の中から
・動物愛護週間
アメリカでは、5月の第1週が動物愛護週間です。
Kauai Humane Society では、動物について感じることというテーマで小学生を対象に、また、我々の州の虐待防止法の有効性についてというテーマで高校生を対象に作文コンテストを実施しました。審査員は、学校の先生や新聞記者他の方々で、上位20位の子ども達が表彰され、小学生には教育関連の物が買えるクーポンが高校生には奨学金が贈られます。コンテストに応募する子ども達の多くは、将来獣医師を目指している場合が多いので、その助けになればとの思いからだそうです。
また、幼稚園〜6歳迄の子どもを対象にポスターコンテストも行なわれていました。350ものエントリーがあり、上位20名のポスターが翌年のKauai
Humane Societyのカレンダーに採用されます。このカレンダーは、販売されその収益はKauai
Humane Society に寄付されます。また、カレンダーに採用された子ども達には、そのカレンダーとT-シャツが贈られます。
・ 新住民へのサービス
カウアイには、1ヶ月に50件位の割合で島外より新しく家を購入した住民がやってきます。Kauai
Humane Society には、15人の理事がいますが、その中に不動産会社を経営している人も多いそうです。(観光業が主産業のカウアイ島では、別荘などの販売も多く、不動産業は主要な産業のひとつです。)そのような理事のおひとりからの提案で、カウアイに新しく家を買って引っ越してきた人にこのようなカードを送るようにしています。Kauai
Humane Society のことを知って頂く意味でもまた、ペットを連れての引越しの場合は大変心強い情報となります。その送付先も不動産会社の方から提供されるそうで、このようなところにも、沢山の方々がこのシステムを支えている一端が垣間見えます。
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◆皆様から届いた質問等に答えて頂きました。
Q: 年間の動物たちの種類と収容数について
A: ペットの馬、豚、鳥、犬、猫、ウサギ、ハムスターなど
年間約 5〜6,000頭(内猫は3,000頭)
※野生動物については最初のレスキューのみ行い、後は専門の団体に委ねています。 Q: アダプションでペットが島から出るようなこともありますか。
また、受け入れることもありますか。
A: 旅行者とアダプションが成立した場合は、島外へ連れ出すこともあります。
Kauai Humane Society では、2年程前まで、CATVでアダプションの案内と迷って保護された動物を放映していました。その放映を、間もなく再開するとのことでした。CATVは、島内のホテルなどの宿泊施設でも見ることが出来るので、その可能性も高くなるのではないでしょうか。また、検疫所を運営しているので、島内に入って来るペットは、確認することが出来ます。このシステムがあることで、新しい住民やペット達と出会えるので、Kauai
Humane Society にとっては、大変良いとのことです。
Q: 島民の貴団体への関心度は
A: Very Supported! というのが、お答えでした。短い一言ですが、この一言に島民の方々のKauai Humane Societyの活動への理解と好感が表れていると思います。
Q: ペットの飼育レベルやマナー(糞公害など)は?
A: ペットの飼育レベル
大変高いとのことで、オーナーは、皆良くやっていますとのことです。これは、私達が島内で出会う伴侶動物達を見れば、そのレベルの高さを感じることが出来ます。
糞の放置
豊かな自然への生物汚染を引き起こす恐れがあるため、糞の放置は大きな問題だそうです。そのために、前述のドギーポットの設置を勧めてます。
放し飼い
リードをつけることは義務付けられています。
1回目の違反の際には、Kauai Humane Society のリードを渡しています。2回目には最初の罰金$50(6,000円)ですが、回を重ねると罰金の金額は上がり、最高$200(24,000円)になります。(※$1=120円換算で計算しています。)
ハンターの多頭飼育の問題
20〜30頭の犬を多頭飼育し、彼らは犬をコンパニオンとは思っておらず、ハンターの道具として捉えている場合があります。
ハンターへの教育は大切なことで、Kauai Humane Societyで実施しているハンター教育(午後6〜10時 計3日間)によって少しでも意識改革が出来ればとのことです。
野良猫(Wild Cat)の問題
人間の庇護下にない多くの野良猫たちは何らかの病気を抱えています。この問題を解決することもKauai Humane Society の課題です。
Q:虐待された動物達をケアする特別なプログラムは?
A: 特にありませんが、豊かな環境を用意することが重要です。動物と遊んであげることなどで動物の状態を良くしていかれるそうです。
また、別の団体が状態に応じてトレーニングをしていきます。
虐待をした人については、カウンセリングを義務付けるよう州法で定めることになったそうです。調印は2004年の1月です。交通事故を起したら、ドライバーは学校で再教育を受けます。同様に動物を傷つけたら、再教育を受けるというシステムを作りたいとのことです。アメリカ本国ではいくつかの州にこのような法律があります。
Q:日本の動物を愛する人へのメッセージは?
A:「自分の飼っている動物達を沢山愛して、きちんとお世話をしてあげて。」
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◆まとめ
Kauai Humane Societyは、イギリスのRSPCAのような大きな組織ではありませんが、このような小さな島でこれだけの事が出来るのであれば、私達にも日本で出来ることが、もっともっとあるのではないかと思いました。合理的な運営システムを目の当たりにして、日本のシステムについて考えさせられました。所謂、処分業務(注射による安楽死と焼却)を同時に行っていますが、名前のとおり、大変心暖まる雰囲気をお持ちでした。また、ボランティアの方々も生き生きとして楽しそうで、同じ想いを持つ人々が活動できる場の必要性を強く感じました。パン屋さんの店先に電話番号を縫いこんだ首輪のネコが居たり、すしバーの日本人職人の方が、避妊去勢のクーポンを活用していたり、活動の成果が自然に浸透している点も印象的でした。
Kauai Humane Society URL: http://www.kauaihumane.org/
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◆その他
・Animal Sheltering (HSUS発行)
資料として頂いた雑誌です。こちらの巻頭、巻末に色々な広告が出ています。ジェントルリーダー、ケージ、消毒薬そして、動物の搬送車や焼却炉などシェルター運営に必要なものの広告です。アメリカでは、シェルターの運営も、ビジネス対象として成立しているようです。
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・移入種の問題 Protect Hawaii Stop the Spread! ‘Coqui’ (ハワイ州農業局発行)
こちらも資料の一つです。カウアイにも移入種の問題は存在します。こちらはそのひとつです。プエルトリコ産の「コクイ」というカエルが天敵がいないため大繁殖し、ハワイ原産の動物達(特に鳥)の存在を脅かしています。また、鳴き声は住民や訪問者達の大きな迷惑となっています。このパンフレットではコクイを見かけたら連絡をしてくれるよう呼びかけています。私達が宿泊をしていた部屋の傍に池があり、毎夜ウシガエルとコクイの合唱が交互に聞こえていました。ある晩のこと、なぜかいつも聞こえるカエルの声が一切しません。不思議に思っていたところ、カエル退治が行なわれていました。長い棒で石などを叩いて大きな音で驚いて動くカエルをモリの様な物で一突きにします。カエル退治は2時間ほど続きました。しかし、カエルバスターズ(と勝手に呼んでいました。)
が帰ってしまった後はまた賑やかな合唱が聞こえてきました。
参考:コクイを故意に輸送したり、繁殖の意思を持って輸入したり隠したり、売ったり、放したりした場合、どんな個人や団体も州法違反により、クラスCの重罪となり、最低5万ドル(600万円)、最高20万ドル(2,400万円)の罰金と3年の懲役を受ける。
(※$1=120円換算で計算しています。)
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・カウアイで入手した犬のおやつ
その名も’Tropical Bento’ です。カパアという場所のパン屋さんが製造しており、カウアイコーヒー・ビジターセンター(カウアイの大手コーヒー農園の一つ)でお土産として販売されていました。小麦粉や卵、はちみつなどと共にそれぞれグアバジュースを濃縮したもの、ココナッツミルク、パイナップル、トマトペーストを加えた4種類の味が楽しめます。見た目も大変可愛らしく思わず購入してしまいました。
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【カウアイの動物たち】
・キラウエア野生生物保護区
国が定めている保護区です。沢山の海鳥を観察する事が出来ます。
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・カウアイ島で見かける鳥たち |
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・カウアイ島で見かけた生き物たち |
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