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2015.11.19

【レポート】「兵庫県動物愛護センター・但馬支所」訪問

「兵庫県動物愛護センター・但馬支所」訪問レポート

 

兵庫県には、尼崎市にある本所、三木市所、龍野支所、淡路支所の4つの動物愛護センターがありましたが、2014年12月に但馬エリアを管轄する兵庫県下5つ目の動物愛護センターとして養父市に但馬支所が開所しました。兵庫県は、瀬戸内海に面した南側から日本海に面した北側、そして淡路島をはじめとする多くの島があり、神戸市のような都心部と山間部が混在した地域でもあります。このように、人と動物との関わり方が多様な県であるため、日本で最も多い5つのセンターを保有して業務にあたることになったようです。昨年は、開所と同時に大雪にみまわれたため見学が叶いませんでしたので、今年こそは!と秋が深まる11月8日に見学をさせて頂きました。

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但馬支所は、緑に囲まれた養父市「はさまじ里山の森公園」の一角に位置しており、非常に立地条件に恵まれた場所にあります。外観も兵庫県産の杉材を使用したあたたかみのある作りになっており、一般の方が来所しやすい雰囲気を持つ建物となっています。この日はあいにくの小雨が降る天気でしたが、午前中のふれあいの時間には約20名ほどの方が来所されて、譲渡候補動物とのふれあいを楽しんでおられました。これから一般家庭に譲渡される動物たちにとって、いろんな人間と接することは社会化の上でも重要なことです。この日、多目的ホールでふれあいのエリアにいたのは、子犬が2匹と8ヶ月のテリアが1匹、そして子猫が6匹とウサギが2羽でしたが、いずれの動物たちも元気いっぱいでとてもフレンドリーな性格でした。こうしたふれあいの時間を利用しながら、将来ペットと共に生活をしてみようかな…と思っている方たちへの啓発を行っておられます。

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午後からはその他の施設内を見学させて頂きましたが、淡いイエローに統一され、クリーンで明るい雰囲気に保たれた検査室や治療室、トリミング室などがあり、支所として維持管理が行き届きそうな調度良い広さの施設のような気がしました。譲渡候補犬・猫の部屋には床暖房が完備されていて、寒さの厳しい但馬地域ならではの配慮がなされています。この部屋には、すでに譲渡先が決まっている真っ白な子猫がいましたが、登り降りが自由なキャットウォークを行ったり来たりして、元気いっぱいに遊んでいました。新しい家庭でも、きっとやんちゃぶりを発揮することでしょう。

兵庫県、神戸市とは、これまでもICAC KOBE国際会議などで公益社団法人 Knotsも連携をさせていただきつつ情報発信をして参りましたが、今後は、さらに地域との関わりの中で「いのちの大切さ」を伝える市民への啓発活動が必要だと感じておられるとのことでした。但馬エリアは、人が生活する場所と山間部が隣接しているため、都心部とは違った野生動物との関わりなどの問題があります。人と動物が共に同じ地域で生きるためには、地域の人たちやボランティア団体と行政が連携をして、共に対話を積み重ねながら地域づくりを行っていかなくてはなりません。この但馬支所が、そうした地域の拠点となることに期待をしています。

兵庫県動物愛護センター・但馬支所ホームページ

 

同日、但馬地方では知らない人はいないほど有名なイベント「コウノトリ翔る但馬まるごと感動市」に、但馬支所の皆様がブース出展されているとのことで、足を伸ばして但馬ドームまで行ってみました。
50以上の食のブースがずらりと並び、但馬の豊かな食材を使った名物料理を楽しむことができるイベントです。同時に、その地域で活動をしているNPO法人やボランティア団体、民間企業、自治体の取り組みなどの活動紹介が行われていました。その一つとして、この但馬エリアでの動物愛護センターの取り組みがパネルで紹介され、予想していた以上の方がブーズに立ち寄って下さったと担当者の方がお話してくださいました。地域の方たちに、少しずつ認知されつつある手応えを感じているようです。

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